財政見通し 減税すればいっそう収支不足
継続審査になっていた「減税条例」と河村サポーターズが提出した「減税の実施を迫る請願」が10月24日の財政福祉委員会で審査され、日本共産党の山口清明議員が論戦に臨みました。
■来年度の収支不足は363億円
当局から2015年度までの財政収支見通しが示され、来年度は、「減税」を行えば158億円の歳入減など363億円の収支不足となり、行革や基金の取り崩しなどを行ってもなお76億円の見込みが立っていないことが明らかになりました。減税額は2013年度223億円、2015年度で229億円を見込んでいます。
山口議員は「円高で儲かった企業が減税で潤っている。減税を継続しても経済効果が生まれないという予測になっている」と指摘し、当局も「減税の効果はわからない」と答えました。山口議員は「大企業減税より、経済・雇用効果のある政策を」と求めました。
■退職金などまだまだ削れる(減税)
自民党も「減税が人の命より優先している。堤防が液状化したら大変。さらにシーリングをやれといわれても限界」と指摘。
減税は「減税したから災害対策が出来なくなったわけでない。さらなる行革の余地はある。市職員の退職金を切りこんでいない」と自民に反論しました。
山口議員は「絞れというが、市民生活に新たな負担が避けられないのが行革。市民の命を脅かす。民営化等で不安定雇用を増やしたことこそ反省すべき」と指摘しました。
■震災後でも減税が一番、行革のため(減税)
請願審査にあたり、山口議員は「震災が起きて、経済状況や財政状況が変わっても減税優先か」とただすと、減税議員は「そのとおり」「行革をすすめるために必要」と答弁。
庶民減税の公約はどうするのかとただすと「一律税率で出来ない。減税の波及効果で経済が回る。波及効果で景気が良くなる」「たくさん納めた人にたくさん返す」と答えました。
山口議員は「行革で民間に発注していた仕事も減らした」と指摘し、請願の不採択を求めました。
■ひとり親手当も仕分けの対象に
減税の議員が「母子家庭だったので減税で3000円返って来てうれしかった」と涙ながらに語りましたが、山口議員は「ひとり親手当(1年目は月額9000円)と減税はどちらが多いのか。減税のためにこの手当も行革で削るつもりか」と指摘。減税の議員は「手当はありがたかった。減るのは問題」と答えざるをえませんでした。
減税条例案と、河村サポーターズによる請願は、いずれも「継続審査」となりました。
キーワード:税、地方自治体と住民参加、山口清明