経費削減ありきの「事業仕分け」こそ「仕分け」せよ

11月8日に開かれた総務環境委員会で「事業仕分け」(外部評価)の結果全体について質疑が行われました。

「廃止」「見直し」「継続」の判定区分は不適切

「事業仕分け」では、市民に必要な事業まで「廃止」や「見直し」の判定がくだされ、市民の中から怒りや疑問の声が上がっています。田口一登議員は、「事業仕分け」の進め方の問題点を質しました。

市民判定員への事後のアンケートでは、「廃止」「見直し」「継続」の区分について、「適切ではなかった」「どちらともいえない」が合わせて57%にのぼっています。田口議員は「廃止、見直し、継続の3つから選べという判定の仕方は適切ではなかったのではないか」と質問。市総務局も「判定の仕方は検討課題」と認めざるをえませんでした。

田口議員は、「事業仕分け」の問題点として、①利用者などが意見を表明する機会がなかった、②学識経験者の議論は、総務局があらかじめ示した「廃止」「見直し」などの論点に引きずられ、事業の意義や必要性の議論は深まらなかった、③市民判定員は議論に参加する機会がほとんどなく、判定にとまどいもみられた、ということを上げ、「経費削減ありきの粗雑なやり方だった」と厳しく指摘。「事業仕分けそのものを『仕分け』すべきだ」と求めました。

募集した市民意見をすみやかに公表せよ

行政評価の内部評価について寄せられた市民意見、約2000件の内容は、いまだに公表されていません。「予算審議の際に市民意見への対応状況も合わせて公表する」という市総務局にたいして、田口議員は、「市は『事業仕分け』当日に募集意見も公表する予定だったのに、方針を変えたのが問題だ。予算のときでは遅い。すみやかに公表せよ」と強く要求。総務局は、「まとまり次第、公表する」と答えました。

男女平等参画推進センターは「墓穴を掘った」

男女平等参画推進センター(総務局)は、女性会館(教育委員会)とセットで仕分けされ、女性会館との統合などを理由に「廃止を含む見直し」と判定されました。田口議員は、「学識経験者から、『施設の維持に金がかかる。統合について検討するべき』という質問に、教育委員会が、『将来的には統合も視野に入れて考える必要もある』と答えたために、『女性のための施設は2つもいらない』という方向に議論が流れた」と仕分け議論の進め方の問題点を指摘。男女平等参画推進室長もこの点は認めました。

男女平等参画推進センターは、当初は内部評価の対象事業でもなく、女性会館にたいする評価との関連で対象事業となり、「事業仕分け」にかけられた経緯が明らかになりました。田口議員は「女性会館とセットで仕分けされたことが不幸だった。総務局も墓穴を掘ったのではないか」と質し、「墓穴を掘らなくてもよいように、男女平等参画センターは存続させよ」と強く求めました。

▼市民判定員へのアンケート(一部)
・評価区分(「廃止」「見直し」「継続」)について、分類は適切だったと思いますか

区分 回答数
適切だった 39件(43.3%)
適切ではなかった 27件(30.0%)
どちらともいえない 24件(26.7%)

▼傍聴者へのアンケート(一部)
・今回の外部評価の取り組みはいかがでしたか

区分 回答数
大変有意義である 21件(14.4%)
意義がある 47件(32.2%)
意義を感じない 66件(45.2%)
わからない 12件( 8.2%)

・無作為抽出の市民判定員による外部評価は意義があると思いますか

区分 回答数
大変有意義である 10件( 8.2%)
意義がある 30件(24.6%)
意義がない 62件(50.8%)
どちらともいえない 20件(16.4%)

キーワード: