名港議会 一般質問(4) 金城ふ頭開発について(2011年11月14日)
名古屋港にとっての金城ふ頭の位置づけは
【山口議員】土地交換の議案が出されたちょうど同じころに、いわゆるレゴランドの計画が発表されました。この二つは関係なかった話なんですが、話がややこしくなりましたが、逆に問題点もくっきりしてきたと私は思います。
金城ふ頭は国際展示場があるだけでなく、名古屋市が進める「モノづくり文化交流拠点構想」のエリアとして、港でいえば交流厚生用地としての活用が進められつつあります。しかし、先ほどのばば議員の質問にもありましたが、一方では引き続き名古屋港の物流拠点の一つとしても位置づけられています。その両立は本当に可能なのでしょうか。ここで基本的な問題を幾つか伺っておきたいと思います。
第1に、金城ふ頭は名古屋港にとってどういう位置づけのエリアなのか。具体的には、車の輸出基地として今後とも存続させると考えているのか、お答えください。
物流機能と交流機能の調和を図る
【企画調整室長】金城ふ頭は、港湾計画において水際線側の土地利用計画を埠頭用地として位置づけており、完成自動車の輸出基地を初め外貿貨物の物流拠点として重要な役割を担っている。あおなみ線金城ふ頭駅を中心とした区域は交流厚生地として位置づけ、国際規格のフットサルアリーナや名古屋市が誘致したリニア・鉄道館の立地など、魅力ある港湾空間を創出することとしている。
今後も、名古屋市が進める「モノづくり文化交流拠点構想」は、港湾関係者の理解を得ながら、物流機能と交流機能の調和を図りつつ進める。
名古屋市は交換した土地をどう使うのか
【山口議員】今の時期に交換する理由は何でしょうか。飛島で管理組合が交換で入手する土地は、具体的な使い道はまだ未定と聞いていますが、金城ふ頭で交換する土地について、名古屋市からは具体的な使い道が示されているんでしょうか。
完成自動車置き場だったが、移転がまとまり、交換できた。名古屋市は当面暫定使用する
【企画調整室長】当初、平成20年度に交換した土地と今回の土地は同時に交換することを検討していた。しかし、当時金城ふ頭の交換予定地は完成自動車のモータープールとして利用されており、関係者との調整が必要であったため、段階的に分けて交換することとなった。交換の時期は、1期の交換から2年後を目途とし、環境が整ったので交換する。
名古屋市は、金城ふ頭において「モノづくり文化交流拠点構想」を推進していく中で、新たな民間企業の開発提案を踏まえ、国際展示場の建て替えなどを今後検討していくという。また、当面の暫定使用も検討するという。
金城ふ頭には管理組合の土地がかなり残るが
【山口議員】今回の交換後も金城ふ頭には管理組合の土地がまだかなり残りますが、それはどうするのか。具体的な活用方針があるのか、市へ売り払ってしまうのかどうか、こういうことを含めて、残っている土地についての考え方を示していただきたいと思います。
にぎわい創出につながる開発に取り組む
【総合開発担当部長】交換用地に隣接する本組合所有地は、商業施設開発に向けた調査を行ってきたが、事業者の誘致に至っていない。今後とも、金城ふ頭のにぎわい創出につながる開発に向けて、名古屋市と調整を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。
モータープールの事業者に移動してもらったらレゴランドでまた移動せよというのか(再質問)
【山口議員】あれもこれもではうまくいかない。物流拠点としてもにぎわいゾーンとしても活用したいという答弁でしたが、基本がぐらついているとうまくいきません。残念ながら名古屋市の構想も、民間の提案に乗ってくるだけで、コンセプトがどんどんずれてくると思います。
今回土地交換したのは、モータープールとして港運業者が使っていたけど、やっとどいてもらえたので交換できるようになったという答えだったと思うんです。ところが、そのどいてもらった港運業者は、今度は国際展示場の北側にどいてもらった、つまりレゴランドの予定地のところにどいてもらったんですよ。
では、名古屋市が名管からそうやって交換した土地をどう使うのか。市議会のほうでも聞いていると、その港運業者にもう一回レゴランドでどいてもらう必要があって、もとの場所でモータープールとして移ってもらったらどうなのかということを言っているんですよね。要するに、市が交換した土地を暫定使用するというのは、もう一度この業者をもといた土地に移ってもらうと。
これね、業者は怒りますよ。土地の持ち主が名管から名古屋市に変わっただけで行ったり来たりさせられる。「モノづくり文化交流拠点構想」と言いながら、ものづくりを物流面でしっかり支えていると先ほどから答弁がありましたが、そういう地元の業者の方に、これは余りにも失礼なやり方とは思いませんか。交換しなくたって、結局今のまま使ってもらえばいいんじゃありませんか。しかも、名古屋港管理組合としては、飛島の土地も急いで使う計画はありません。
本当に物流拠点として金城ふ頭を使い続ける気があるのか。それだったら、こんな土地交換で地元の業者を泣かせるような対応はすべきでないと考えますが、再度答弁を求めます。
モノづくり文化交流拠点構想の推進のため
【総合開発担当部長】今後も金城ふ頭は本港の物流拠点として利用していくが、飛島ふ頭と金城ふ頭の土地交換は、飛島ふ頭のコンテナ機能の強化・効率化と金城ふ頭における名古屋市の「モノづくり文化交流拠点構想」の推進のために行う。交換を行った後の土地の利用も、港湾管理者の理解を得ながら進めるよう名古屋市と調整する。
ずるずると民間業者に引きずられる(意見)
【山口議員】名古屋港は車の輸出が大きな比重を占めている港だと何度も答えている。そういう分野で頑張っている業者を支えるのが行政の役割だと私は思っていたんですが、どうも金城ふ頭の動きを見ていると、物流業者はないがしろにされているとしか思えない。それがものづくりなんだからという名前で仕事をされると、余計に納得がいかないということになると思います。
おまけに、開発のことだけで言うと、金城ふ頭の開発は業者から提案があったから、はいはい、と飛びついた。ガーデンふ頭でもさっきアミューズメント施設等々の話があった。同じようなものが、金城ふ頭でも業者の提案があった、ガーデンふ頭でも提案があったと。下手したらどっちも共倒れということがあるし、そういう状況を見ながら出ていこうかどうしようか考えると思うんですね。
その点でも、名古屋市なり名古屋港管理組合なり、どういう方向で開発するのか、あの土地を使うのか。明確なコンセプトを持っていないと、両立させると言いながら、ずるずると民間業者に引きずられて、何が基本だったのかわからなくなってしまうという点は非常に危惧を持っています。土地交換については後の委員会のほうでも話す機会があると思うので、この程度にします。
キーワード:大型開発・ムダ遣い見直し、山口清明