5%減税―11月議会で否決になった理由は解消されない 山口議員が財政福祉委員会で追及

12月臨時会に提案された5%減税条例案は、本会議での質疑ののち直ちに財政福祉委員会で審議が行われ、市長も出席しての議論が行われました。

日本共産党からは、山口清明議員が審議にのぞみました。

■福祉拡充の保証なし

山口議員は「減免や低所得者対策は予算でというが、新しい施策は具体化していない。何もないのか」とただしましたが、市長は「UFJの試算で10%減税を10年やれば420億円の経済効果があるという。5%でも210億円の効果がある。210億円が使われて、ラーメン屋や焼肉屋などに使われ、年金生活者につながる」というだけで、福祉が充実する具体的な保証は言いませんでした。

■減税でも可処分所得は増えてない

可処分所得について、今減っている。総務局統計でも勤労者所得は20年に月43.8万円が21年42.9万円、22年41.9万円になった。この10月には36.6万円になった。国税庁調査でも、30年で税引き所得は1.1倍に増えていますが、上位1%は1.6倍に、下位20%は0.8倍になっています。山口議員は「市長の減税では格差が広がるだけ」と厳しく追及しました。市長は「地方税法で決められているから仕方がない」というだけでした。

■大企業減税は国と同一歩調

国の政治を変えるという市長は、減税では法に従うだけです。山口議員は「国は増税というが、実際には大企業は減税だ。これまで繰り返し大企業減税が行われたが、ため込みされただけだった。減税をやめた今年は保育園や特養ホームがたくさんできた」と市長の姿勢を指摘。「行革で福祉を削って大企業に回すことは許されない」ときびしく批判しました。市長は「共産主義との差」とまともに答えることを放棄しました。

■検証の手法も決まらず事前評価もない

他会派からも、減税に400億円も使うのに事前評価もしない、数値目標もない、そんな提案では検証できないなどの批判がありました。

低所得者対策に期待(減税日本)

■減税した分が寄付に回って暖かい福祉に(市長)

減税の議員は「市長が低所得者対策に真摯に悩んでいるのを知っている。私もいろいろ提案したが、新たな福祉施策を示してほしい」と質問しました。

しかし、市長は「福祉には全力投球でやる」といいつつ、「減税されたお金が寄付に回って、自分たちでやれる福祉、児童虐待や不登校、お年寄りの孤立死など、措置ではない暖かい福祉ができる」と、具体的なことは全く示しませんでした。

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