名古屋市が2012年度予算の財政局案を発表
1月12日、名古屋市は2012年度予算編成過程の公開(財政局案)を発表しました。一般会計予算歳出総額は前年比262億円減の1兆237億円、うち市税収入は4718億円、前年比154億円の減です。この財政局案全文は資料集をご覧ください。(名古屋市のホームページにも公開されています。)
経常的予算以外で1022億円の事業を予算計上
「大企業・金持ち優遇」の5%減税によって、2012年度は78億円分の減収(平年度は110億円)が見込まれています。さらに大震災や円高などによる景気低迷による影響で税収減を見込んでいます。一方で財政調整基金を94億円取り崩し、昨年の減税中止の留保分を放出した形です。
予算編成過程の公開では、収支見通しで留保財源とされた一般財源70億円を使う「政策的な判断が必要な事業の経費」として各局から一般財源285億円分、280事業分で1369億円の予算要求が行われ、財政局の精査で56億円余(124事業1022億円)が予算計上されました。歳入歳出の差額は18億円となり、市長査定にむけて検討が行われています。
「減税財源は行革で確保した」と市長はいいますが、その行革で、守山市民病院の民間譲渡や緑市民病院の民間委託をはじめ、障害者施設や特養の民間移管などが進められています。
自治体の責任で待機児解消を
今回明らかになった事業の一つとして保育所待機児を解消するために、1132人分の入所枠を計上、目標としていた入所枠は予算上で達成することになります。しかし、すべて民間任せで、社会福祉法人がやらなければ営利企業にやらせるという、自治体の責任を放棄するような姿勢は問題です。
ムダな事業にこそ削減のメスを
その他の予算、約9,000億円余の内容はまだ公表ず、大型事業の内容は不明です。そのうち20億円(一般財源13億円)の新規・拡充事業50項目(延長保育事業や休日保育、認知症疾患医療センターなど)が計上されました。市長が約束していた「低所得者対策」はまだ具体化していません。記者会見で「ロタワクチン助成」を発表し、市民税非課税社には無料にすることで「低所得者対策」と語っています。
2月上旬には、予算草案が発表される予定です。
キーワード:税、地方自治体と住民参加