河村市長の「南京事件はなかった」発言に抗議し、撤回を求める申し入れ

 2月20日に中国共産党南京市委員会常務委員 劉 志偉(りゅう しい)氏始め8名が友好都市である名古屋市を表敬訪問した際、「一般的な戦闘行為はあったが、南京での事件はなかったのではないか」と述べ、「真実を明らかにするため、討論会を南京で開いてほしい」と求めたと報道されました。

 河村市長は2009年の9月議会でも南京大虐殺についての認識を問われ、「30万人は絶対真実と違う」「銃撃戦で市民が亡くなったことが誤解されて伝わっている」と虐殺のあったことを否定し、南京大虐殺記念館についても「今のままの展示だと日本人に対して大きな誤解をうむと危惧する」と、展示内容にまで言及していました。昨年の教科書選定問題にからんだ議会質問や集会でも同様の発言を行い、特異な歴史観を繰り返しています。
 今回も、歴史的には決着した問題をむしかえそうと、持論を展開したものですが、市長として公式の場で発言することは許されるものではありません。
 日本共産党名古屋市議団は、2月21日、河村市長に抗議と発言撤回の申し入れを行いました。河村市長の「南京事件はなかった」発言に抗議し、撤回を求める申し入れをしました。

河村市長の「南京事件はなかった」発言に抗議し、撤回を求める申し入れ

2012年2月21日
名古屋市長 河村たかし様
日本共産党名古屋市会議員団 団長 わしの恵子

 2月20日、河村市長は、中国共産党南京市委員会常務委員の表敬訪問を受けた際、「一般的な戦闘行為はあったが、南京での(大量虐殺)事件はなかったのではないか」と述べ、「真実を明らかにするため、討論会を南京で開いてほしい」と求めたと報道されています。
 そもそも1937年、南京市において、日本軍による非戦闘員を含めた殺害、略奪行為があったことは、否定できない歴史的事実であり、日本政府も、2006年、当時衆議院議員だった河村たかし氏が提出した質問趣意書に対する政府答弁書でも、「1937年の旧日本軍による南京入城後、非戦闘員の殺害又は略奪行為等があったことは否定できないと考えている」と認めています。このように、「南京(大虐殺)事件」があったかなかったかは、議論の余地のないものです。
 225万名古屋市民を代表する市長が、個人の特異な歴史観によって、歴史的事実とも政府見解とも異なる発言を、公式の場で行うことは許されるものではありません。
 市長が行った発言は、本市の国際的信用を失墜させるものであり、友好都市提携以来30年以上にわたる本市と南京市の友好関係を著しく損ない、平和と繁栄を願う両市市民の草の根の努力を踏みにじるものでもあります。
 よって、わが党市議団は、南京大虐殺についての市長の発言に厳しく抗議し、撤回することを申し入れます。

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