2月議会を終えて(声明)

2月議会を終えて(声明)

2012年3月19日

日本共産党名古屋市会議員団

 

◆  本日、2月定例市会は2012年度一般会計予算など97議案を可決し、閉会しました。日本共産党名古屋市会議員団は、母子寡婦福祉資金貸付金特別会計予算、議員提出議案のがん対策推進条例など76議案に賛成しました。

市民税5%減税の実施で、大企業や富裕層には税金のばら撒きを行いながら、減税による税収減をつくりだし、「行財政改革」の名の下で、守山市民病院の廃止・民間移譲など公的福祉の解体を進め、市民サービスの低下をもたらす一方で、大企業の国際競争力強化を目指す中京都構想を推進し、名古屋城天守閣の木造再建や名古屋駅周辺の巨大地下道建設など、新たなムダと浪費に足を踏み出す一般会計予算、介護保険料の3割値上げで高齢者に重い負担を強いる介護保険特別会計予算、高齢者への保険料値上げが行われる後期高齢者医療特別会計予算、民間委託などにより職員を削減し行政責任の後退をもたらす職員定数条例の一部改正など21議案には反対しました。減税日本ナゴヤ、自民、公明、民主はすべての議案に賛成しました。

◆  2月議会の開会日(20日)、河村市長が中国共産党南京市委員会常務委員の表敬訪問に際して「南京事件はなかったのではないか」と発言し、友好都市交流の停止、外交問題に発展しました。党市議団は21日、発言への抗議と撤回の申し入れをおこなうとともに、代表質問でも個人質問でも撤回を求めました。河村市長は「撤回しない」として「30万人もの非武装の中国市民を虐殺したことはない」と持論を展開しました。

◆  党市議団は、市民の切実な願いの実現をめざし、論戦を行いました。わしの惠子団長が代表質問に立ちました。わしの団長は、市長は「国は増税、名古屋は減税」と言うが、実際は大企業と富裕層は国でも減税、名古屋市でも5%減税であり大きな恩恵を受けると指摘、その一方で市民には全国一の介護保険料大幅値上げをすることに胸の痛みを感じないのかと追及、市長に「胸の痛みを大変感じる」と答弁させました。個人質問には山口議員とさはし議員が立ちました。山口議員は、市長の歴史認識問題とともに市立病院の役割と守山市民病院の再生について当局の姿勢を質しました。さはし議員は名古屋城天守閣の木造再建には課題が多くあり、他の事業を優先すべきと当局の姿勢を質しました。また、ひとり親家庭手当について制度上の矛盾を指摘し、改善を求めました。

◆  党市議団は、①市民税減税の今年度実施見送り、②税金のムダづかいと浪費につながる大型開発の中止、③減税の実施見送りと不要不急の事業の中止によって生み出した財源(約141億円)を市民の暮らしと福祉にふりむける一般会計予算の組み替えを求める動議を提出し、介護保険料の値上げ幅を抑え、市立保育園を新設し、防災と環境に役立ち、地元中小企業の仕事につなげることができることを提案して示しました。

◆  新年度予算案と関連議案に先立ち、補正予算と関連議案が審議されました。岡田議員が議案質疑に立ち、志段味図書館に指定管理者制度を導入する名古屋市図書館条例の一部改正と環境科学研究所手数料条例の一部改正について質しました。また、池下駐車場の指定管理者指定をし直す議案について、田口議員が質疑しました。

◆  河村市長が議会の決定を不服として再議に付し、裁判所に訴えを起こしていた問題で、市長は「議会と市長の双方の民意が尊重されるシステムができつつある」として、提訴を取り下げることを表明。改めて名古屋市公開事業審査の実施に関する条例一部改正案が減税日本ナゴヤと自公民の共同で提出され、田口議員が反対討論をおこないました。

◆  3月13日に中村孝太郎議長が、「私の使命」と題する文書をもって会派をまわり「議長は1年交代という慣例を破りたい」と唐突に議長職の続投を宣言しました。議会改革にとりくむと議長は語りましたが、この1年間中村議長から議会改革が語られたことは一切なく、逆に、減税日本の前市議が実態と異なる領収書を使って政務調査費を受け取っていた行為を「問題ない」と発言するなど、議長としての見識が疑われる場面もあり説得力を欠くものでした。中村議長は減税日本ナゴヤを除名されましたが、議長に居座ろうとしたため、急きょ3月16日に本会議が開かれ、全会派の団長・幹事長が連名で議長不信任決議案を提出、全議員によって議長不信任決議が可決されました。中村議長は、この決議と世論におされ、議会閉会日の3月19日、議長を辞任したため、議長選挙が行われました。党市議団は、議長にわしの団長、副議長に田口幹事長を候補に立てて議長副議長選挙に臨み、議会改革を進める提案を所信表明で明らかにしました。

◆  「名古屋港の災害対策」「家庭用蓄電池の導入促進」など9本の意見書が可決しました。党市議団が提案した「障害者に係る新たな法制度の確立」の意見書は一本化のうえ可決されましたが、「消費税の増税反対」の意見書は自民、民主の反対により、「国会の比例定数の削減」の意見書は自民、民主、公明の反対により廃案となりました。

◆  東日本大震災から1年が過ぎました。被災地の復興支援に引き続き力を注ぐことが求められています。一方、市民の暮らしはますます厳しく、防災と福祉のまちづくりを最優先させるとともに、中小企業の経営を支え、市民の家計を温め、子育てや介護を支える施策の充実が求められます。日本共産党名古屋市会議員団は、地方自治体の本来の役割は住民福祉の増進であることを銘記し、市民要求の実現へ力をつくします。また、市長選挙まで1年であることから、広範な市民と力をあわせて市政の刷新をかちとるために全力をあげる決意です。