3月7日 田口議員が自公民らの「仕分け条例改正」に反対討論

市民・利用者無視の「事業仕分け」
市長・議会がこぞって市民サービス切り捨て

 3月7日の本会議で、いわゆる「仕分け条例」の改正案が、減税日本と自民・公明・民主の4会派共同で提案されました。この公開事業審査の実施に関する条例(仕分け条例)に対し、田口一登議員が反対討論を行いました。概要を紹介します。
市長が再議・提訴していた条例だった
 この条例は、一昨年の6月定例会で議員提案され可決されましたが、河村市長が再議にかけ、その後、裁判に訴えていたものです。今回の改正は、審査人(仕分け人)に議員も入ることになっていた条項を、「広く市民の意見が反映されるよう配慮して」と、ぼやかすものです。
事業仕分けは金持ち優遇減税の財源づくり
 事業仕分け条例が、一昨年の6月定例会で議決された際に、日本共産党は、事業仕分けという仕組みが、大企業・金持ち優遇減税の財源づくりのために、市民サービスの削減にお墨付きを与えるものになりかねないとして、反対しました。
敬老パスや高年大学鯱城学園などが標的に
 昨年、河村市長のもとで実施された事業仕分けは、私たちの懸念が現実のものとなりました。仕分けの対象となった事業の多くは、敬老パスや高年大学鯱城学園、小学校1・2年の30人学級、女性会館、そして子育て支援手当など、市民の福祉や暮らしを支える事業でした。今回の事業仕分けは、市民生活にとってかけがえのない事業までやり玉にあげ、利用者・受益者の意見が反映される機会がまったくないまま、財政負担の観点を優先する仕分け議論が行われ、「廃止」「見直し」「継続」という3区分で機械的に判定を下す、という粗雑なやり方だったと言わなければなりません。
利用者の声も聞かない粗雑なやり方
 「廃止」あるいは「見直し」という判定結果にたいして、市民のみなさんから「異議あり」の声が上がっている事業が少なくありません。しかし、その判定結果は、来年度以降の予算に反映されようとしており、事業仕分けは、まさに市民サービスの削減にお墨付きを与えるものになろうとしています。
今の議会では一層サービス後退になりかねない
 公開事業審査実施条例には、事業仕分けへの議会の関与が盛り込まれています。これは、市長の独断に一定の歯止めをかけるものとはなるでしょうが、議会の大勢は、「行財政改革」といえば民営化・民間委託、受益者負担という流れであり、市長と方向性を同じくするもとで、本条例にもとづいて実施される新たな事業仕分けが、市民サービス削減の引き金にならないという保障はありません。
市長と議会が手を取り合って、ムダを削ると称して市民サービスを削る道を歩む
 今回の改正は、こうした事業仕分けの問題点を払しょくするどころか、市長と議会が手を取り合って、ムダを削ると称して市民サービスを削る道を歩むことになるのではないかとの強い危惧があります。
 以上の理由から、仕分け条例に反対しました。

公開事業審査の実施に関する条例(仕分け条例)の流れ
・2010年6月議会 自民の提案、民主・公明の修正、日本共産党の反対で可決
・2010年9月議会 河村市長が再議にかけましたが、再可決。
・2010年10月 愛知県知事に審査申し立て
・2011年1月 愛知県の自治紛争処理委員が却下
・2011年3月 市長が議会を名古屋地裁に提訴
・2012年1月 地裁は市長の請求を棄却
・2012年2月 市長が控訴
*その後、市長が議会(自・公・民)との協議を行い、控訴を取り下げ、可決された条例を認め、議会も市長に妥協した形で条例の改正案を出したものです。

 

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