2012年2月定例会

さはし あこ議員の個人質問② ひとり親家庭手当について(2012年3月5日)

離婚直後に支給されないのはおかしい
【さはし議員】家族形態が多様化する現代において、「ひとり親家庭」は増加しており、まずは、生活基盤を社会で支えることが重要と思います。平成22年度末の名古屋市のひとり親家庭手当受給者数は、6,661人です。
 生活の安定と自立の促進に寄与し、子どもの福祉の増進を図る目的として、国は児童扶養手当、県は遺児手当を支給しています。名古屋市は、独自の手当があります。ひとり親になった直後が、一番生活が大変であることから、初めの3年間手厚く応援する『名古屋市ひとり親家庭手当』制度を制定し、国の児童扶養手当の支給要件に準じて支給しています。
 ところが、この制度には問題があるのです。このパネルをごらんください。
 Aさん(所得200万円)は離婚することになりました。離婚前は、子ども3人を夫が扶養していました。離婚後は、Aさんが子どもを扶養することとなりましたが、制度上、扶養人数が確定する12月末までの間は、扶養人数は0人とみなされ、3人育てているにもかかわらず、この間の手当は全く支給されません。実生活と制度の間で、一年目は、手当をもらえない状況が生じています。収入がある母親であっても、夫婦で生計を立てていた離婚前と比べ、一人で養育などをしていくことになれば、生活レベルがぐんと落ちてしまうことは明らかです。

 もともと、名古屋市は、遺児手当として、18歳になるまで支給していまし2た。平成19年に、三年間の限定支給とする改正をした際、当時の局長は「この手当は長期的に継続して給付するのではなく、ひとり親家庭となった当初の激変期の経済的不安を軽減し、早期の自立につなげることを目的に、短期間に集中して給付しているものでございます」と答弁されました。 ところが、激変緩和のための施策にもかかわらず、一年目に手当が0円という、給付されない事態が起こっています。一年目が空白期間となり、せっかく三年間手厚く支援しようとする本市の施策自体が、残念ながら、直後の、生活環境が変わり生活水準も激変する、経済的にも精神的にも一番支えてほしい一年目が、手薄となる矛盾が出てきます。こうした状況についてどのように認識されていますか、お答えください。
 制度を変えることは困難だが、相談などの支援をしたい
【子ども青少年局長】市のひとり親家庭手当は、県の遺児手当と国の児童扶養手当の所得制限にかかる基準を準用しており、これらすべての手当において、そういう事例が起こる場合があるが、手当の支給の決定は様々な要素を基に行っており、制度内容を変えることは困難です。
離婚直後は大変な時期であるため、ひとり親家庭手当が支給されていない世帯にも拡大して、養育費取得のために家庭裁判所に同行し一人ひとりに寄り添った支援をし、今後の生活設計について専門家による相談を実施するなど経済的、精神的な両面から、ひとり親の自立支援を進めていきたい。
国、県、市で力を合わせて、実情に即した制度となるよう改善を
【さはし議員】先日、日本共産党が行った政府交渉で、実際の当年の扶養親族数を考慮した算定方法となるよう、制度や運用の改善を求めてまいりました。「経済支援である以上、どこかでの線引きは必要であり、やむをえない措置。当年度収入にすることは、事務手続きが煩雑となる。母子寡婦貸付金の活用など総合な対策で行うもの」という回答でした。市だけでは解決できない問題だとは思いますが、国、県、市で力を合わせて、実情に即した制度となるよう改善に向けて、進めていただきたいと要望させていだだきます。

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