大飯原発再稼働反対・原発ゼロへ 名古屋市へ要請
日本共産党名古屋市議団は、河村たかし市長にたいして、関西電力大飯原発3・4号機の再稼働を許さず、原発からの撤退へ向けた積極的な努力を行うよう要請しました。葛迫市長室長が応対しました。
大飯原発は、名古屋市から120キロの位置にあり、同原発で重大な事故が起きれば、伊吹おろしのような風に乗って、数時間で放射性物質が飛来する危険が指摘されています。NGOグリーンピースが発表した紙風船を使った放射性物質の拡散予測調査では、大飯原発周辺から飛ばした紙風船の落下地点は、愛知県内が最多でした(下のプレスリリース資料)。名古屋市は〝地元〟意識をもって、政府にたいして大飯原発の再稼働をしないよう要請すべきです。
以下、申し入れ全文を紹介します。
名古屋市長 河村たかし様
日本共産党名古屋市議団
団長 わしの恵子
名古屋市民の安全を守るため、関西電力大飯原子力発電所3・4号機の再稼働を許さず、原発からの撤退へあらゆる努力を求める要請書
民主党=野田内閣は、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働について、関西電力からの「安全性向上」への工程表を大筋で了承し、“電力不足”状況も踏まえたとして、再稼働を前提にした地元への説明を開始しました。
大飯原発再稼働の関係閣僚会合は、開始から3日間で「基準づくり」、3日間で基準に合わせた「対策づくり」という、“安全抜きで再稼働ありき”の拙速な対応となっています。福島原発の事故原因も、事故収束の見通しも明らかにならない時点での再稼動の強行は絶対に許されません。
政府の「新基準」(3基準)は、新たな安全対策として防潮堤かさ上げなど中長期の時間がかかるものが含まれていますが、実現ではなく計画を出せば認められるものです。他の2基準も、「ストレステスト」(耐性試験)など実施済みの「安全基準」の焼き直しにすぎず、新たな実効ある「安全基準」にはなりえません。
世論調査でも62%が再稼動に『反対』と回答し、政府の安全審査を「十分でない」と回答した方は84%に達しています(「毎日」4月2日付)。また、愛知県の中小企業経営者へのアンケートでも、「時期尚早」を含め再稼働に反対する意見が7割近く(「中日」4月2日付)を占めており、国民の多数が再稼動に反対しています。こうした世論に背を向け、再稼動を強行することは、政治への信頼を失墜させることになることは明らかです。
福島原発事故は原発から100km以上離れた地域の人々をも苦しめています。政府はいまだに原発からの直線距離で安全対策を行う範囲を議論していますが、福島原発の事故でも放射性物質は同心円状に広がらず、風向きや地形によって拡散することが明らかになっています。名古屋市は直線距離で120キロの位置にあります。また県下でも稲沢市、愛西市、一宮市の一部が大飯原発から100キロ圏内となっており、大飯原発からは伊吹おろしのような風に乗って数時間で放射性物質が飛来する危険が指摘されています。名古屋市には愛知県とともに、文字通りの“地元”として、市民の安全と健康を守る責務を果たすための積極的な行動が求められています。
よって、以下の内容を要請します。
記
1、住民の安全が確保されない大飯原発の再稼動を許さず、原発からの撤退へ向けた積極的かつ可能なあらゆる努力を行うこと
2、名古屋市として、被害が想定される地元意識をもって政府に大飯原発の再稼動をしないよう要請すること
3、少なくとも名古屋市が愛知県と共に関西電力と実効性のある安全協定を締結すること