後期高齢者議会 議案質疑② 「平成23年度決算」(短期保険証)(2012年8月24日)

短期保険証、資格証明書、滞納者の財産差押えについて

短期保険証の発行数や未渡し状態はどういう傾向か

【岡田議員】短期保険証、資格証明書の交付状況について、市町村ごとの短期保険証の発行数、未渡し状態にある短期保険証数と、22年度と比較してどうかを教えてください。

短期保険証は502件、87件の増。名古屋市が179件と多い。未渡しは76件、8件の増
【事務局長】短期保険証の交付件数は、平成24年6月末現在で502件、平成23年6月未現在の415件と比較して87件の増加です。市町村ごとの交付状況は、件数が多い順に名古屋市が179件、豊川市が48件、豊田市が39件などで、いずれも昨年と比較して増加しています。
 有効期限切れで短期保険証を渡していない方は平成24年6月末現在で76件、平成23年6月末現在の68件と比較して8件の増加です。

短期保険証の所得階層や保険料9割軽減のうち短期保険証の発行数は
【岡田議員】短期保険証の発行されている方の所得階層別の人数はどのようになっていますか。低所得者に対する軽減措置均等割り9割軽減の対象者についての短期保険証発行数をおききします。

502名中非課税世帯は167名、うち9割軽減が47名
【事務局長】短期保険証の交付をうけている方の所得階層別の資料がないので自己負担割合の区分で説明します。平成24年6月未現在の短期保険証交付者502名であり、内訳は、一部負担割合が3割の現役なみ所得の方が38名、また、一部負担割合が1割の方のうち、課税世帯の方が297名、非課税世帯の方が167名となっている。非課税世帯の方が167名のうち、保険料が9割軽減されている方は、47名です。

短期保険証の発行者の生活実態を  どのように把握しているのか
【岡田議員】短期保険証の発行されている方の生活実態について、広域連合でどのように把握に努めていますか。

各市町村で状況を聞いているし、きめ細やかな対応をするようお願いしている
【事務局長】各市町村において被保険者個々のご事情、収入状況等をお聞きして、生活状況の把握に努めている。当広域連合では、各市町村に、保険証が未交付とならないよう、文書による呼び出しを行い、窓口に来ない方は、電話や臨戸訪問を行うなどきめ細かな対応を行うよう、会議や研修などあらゆる機会をとらえてお願いしている。

資格証明書の発行状況は
【岡田議員】資格証明書の発行状況は。

交付実績はない
【事務局長】資格証明書の交付実績はございません。なお、資格証明書の交付に際しては、厚生労働省へ事前協議を行うこととなっており、そのような事案についてもございません。

滞納者の財産差押え件数と金額は。どんな傾向か
【岡田議員】滞納者の財産差し押さえの人数と金額を教えてください。平成22年度と比べどんな傾向がありますか。

138人、5,164万円で前年より増加
【事務局長】平成23年度に実施した滞納処分の実施被保険者数は138人で、金額は51,649,858円であり、平成22年度の58人、13,011,355円と比べて増加しております。

短期保険証は発行すべきでない(再質問)
【岡田議員】滞納処分が平成22年度と比べて1年で2.4倍に増えているということでした。この増え方はやはり異常だと指摘しなければなりません。差し押さえではなく、あくまでも保険料の納付に関しての相談等に重点を置く支援が広域連合には必要であるといっておきます。
 平成23年度に短期保険証の発行をされた高齢者502人のうち、167名、全体の3割を超える方が、非課税で短期保険証の対象となっているということでした。さらに9割軽減の対象者が47名ですから、年金収入80万以下で、保険料が払えないという方の生活実態は、大変苦しいと言わざるをえない。所得が極めて低い方のため、短期保険証を発行されることが、医療を受けづらいという状況を加速することもあると考えられます。
 さらに保険証未渡しについても、増えているということでした。後期高齢者であれば、何らかの疾患をもって生活している人がほとんどではないか。未渡しの被保険者に対しては、納付相談等は市町村が窓口となっています。ご答弁では、被保険者個々の生活状態を踏まえたきめ細やかな対応に努めるということですが、例えば名古屋市の場合、隣戸訪問までとても手が回らないという状況でした。このような状況にあって、生活状況の把握や、他制度活用などのきめ細かな相談ができているのか疑問です。
 必要な時には、いつでも医療機関への受診はできるように、保険証の未渡しは早急になくすべきだったと思います。

個々の事情、収入状況等を聞きながら交付
【事務局長】短期保険証の各市町村窓口における対応は、被保険者個々のご事情、収入状況等を聞きながら交付している。加えて、なかなか窓口に来ない方には、電話や臨戸訪問を行うなど、きめ細かな対応を行って接触を図るよう努めている。
 広域連合としては、交付件数の多い市町村に直接訪問して、具体的な取り組み状況を確認しており、情報交換や個別の対応方針を検討するなど、保険料の未納解消や保険証の更新に向けて取り組んでいる。

保険証が未渡しとなっていることは問題。医療権を奪うものではないか(再質問)
【岡田議員】接触できないことを理由に保険証の未渡しとなっていることは問題です。医療権を奪うものではないかと考えます。この点に関して連合長のお考えをお聞きします。

保険料は後期高齢者医療制度の重要な財源(連合長)
【連合長】保険料は後期高齢者医療制度の重要な財源であることから、引き続きねばり強く後期高齢者医療制度への理解を求めながら、すべての被保険者が安心して医療が受けられるように努めていきたい。

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