2012年9月定例会

さはしあこ議員の議案外質問① 太陽光発電導入促進を(2012年9月14日)

太陽光発電導入の促進について

市施設への太陽光パネル設置可能調査を
【さはし議員】名古屋市は、市有施設への太陽光パネルの設置に市役所環境行動計画において、2020年までに10,000kWの目標を持っています。現時点の到達度は、2011年度末で1,559kWと約15%なので、目標達成には、今後8年間で、毎年約1,000kWを設置する必要があります。そのためには、建て替え、新築施設の設置だけに限らず、既存施設の活用が計画を実現するためのキーポイントではないでしょうか。
 メガソーラー級の設備設置も視野に入れて、計画的に進める必要があります。
 自然エネルギーの積極的な導入促進として、「低炭素都市なごや戦略実行計画」の中で、「未利用・敷地の活用策の検討」および「建築物・公共施設への積極的導入」を進めるとしています。市が保有するすべての未利用地や施設において、全庁的に設置可能調査を進める必要があると考えますが、いかかでしょうか、お答えください。

すべての施設での設置に向け、まずは環境局の施設で課題の調査研究をする
【環境局長】太陽光発電の導入には、直営で設置するか民間に土地を貸し付けて運営をするなどの手法があり、それぞれに様々な課題があるので、まずは環境局の施設において課題の整理をし、導入の可能性を鋭意検討している。
 現在、市施設への太陽光の導入は、公共建築物の環境配慮整備指針で区役所、学校及び住宅の新改築の企画・設計段階において取り組む最重点項目とされている。今後はすべての市施設において検討する。
 既存施設での可能数を把握するには、耐震性や耐荷重、周辺の環境などについて個別に検証する必要があり、まずは環境局において調査研究を行い、調査の手法を整理したい。

市有施設の屋根をNPOなどへ貸出を
【さはし議員】本年7月1日から「再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)」が始まり、太陽光パネル普及が加速することが予測されますが、行政が市民を後押しして、市民の力を引き出すべきではないでしょうか。全国でも、様々な取り組みが始められています。
 例えば、長野県飯田市では、市民出資型「市民ファンド」を活用しています。ここでの「市民ファンド」とは、出資に直接的意義を持ち、自分のお金を預けていることで自然エネルギー普及に、役に立っていると感じられる‘意志ある’投資です。「市民ファンド」に、行政が公共施設である公民館や保育園の屋根を貸し出し、エネルギーを地産地消する新たな取り組みを始めています。市有施設である公共の屋根を利用するにあたっては、年度をまたぐ長期契約および目的外使用という課題をクリアしなければなりませんでしたが、飯田市長の英断により、20年間無償での提供、目的外使用許可が認められました。
 長野県須坂市は、公共施設である学校に発電所をつくり、太陽光パネル設置から売電まで、すべて地元で賄う取り組みを行っています。須坂市の太陽エネルギー推進協議会にお話をお聞きしたところ、太陽光パネル設置に必要な資金を、市民出資と地元金融機関からの融資で集め、太陽光パネルは地元製造業者の製品、運転・メンテナンスも地元企業で行うことによって、自然エネルギーの促進にとどまらず、ひいては、民間による地域インフラ整備、雇用創出にも役立つ「循環型地域経済」へと発展するしくみとして大いに期待しているとのことでした。
 名古屋市が、市民、地元企業、NPOなどに、保育園、学校、文化施設など市有施設の屋根などを貸し出し、太陽光パネルを設置するお考えはありますか。

今後研究したい
【環境局長】耐震・耐荷重等の課題や貸出し方法など、今後研究したい。

市民が出資する「市民発電所」へ支援を
【さはし議員】自然エネルギー普及を進めながら、地域経済の活性化につながる市民の取り組みともいえる市民が出資する「市民発電所」づくりを、支援してはいかがでしょうか。

トータルコストについて課題あり
【環境局長】設置者の初期投資が不要になるなどのメリットはあるが、出資者への配当経費などでトータルコストは、必ずしも有利になるものとは考えてない。地域経済活性化という観点なら、現在の住宅用太陽光発電設備の設置補助も、個々に業者と契約が結ばれているので同様の効果がある。

施設とは、どこのことですか(再質問)
【さはし議員】未利用地などでの導入について、環境局の施設で課題を整理し、導入の可能性について、鋭利検討しているとの答弁でしたが、環境局の施設とは、どこのことですか。

既存施設としては環境事業所や工場、処分場など
【局長】北事業所、西事業所、鳴海工場には新築でパネルを設置。既存施設としては環境事業所や工場、処分場などがあり、課題を検討したい。

軽量のパネルもあり、設置できるところから
【さはし議員】しっかりと整備していくよう求めます。市有施設の屋根の貸出しの耐震・耐荷重等の課題については、今後研究しますとのことですが、重荷に耐えられる施設を貸し出せばよいし、パネル設置によって耐震にひびくのであれば、軽いパネルを使用すればよいのではないでしょうか。

軽量パネルも含め検討する
【局長】軽量な太陽光パネルや、新たな設置工法などが開発されており、最新の技術を用いた設置の可能性を含め、現在、鋭意検討している。 また、屋根貸しを行うにあたっては、耐震・耐荷重だけでなく、周辺住民の方への光害(ひかりがい)の配慮や、施設の防水対策を行い、市民へのご迷惑がないようにする必要があり、慎重に検討を進めている。

2020年に1万kWの目標達成へ努力を
【さはし議員】出来るところから、どんどん手掛けていくべきです。民間では、すでに普及が加速しています。
 物理的な問題点は、クリアできる課題であり、既存施設の屋根をどのように貸し出すかが、「市役所環境行動計画」で定められた2020年度までに1万kWという目標達成に向けて大切だと思いますが、いかがでしょうか。

鋭意努力していきたい
【局長】一生懸命やっている。既存施設に対しても太陽光発電設備を設置していくのが必要と考えているが、課題を整理したうえで鋭意努力していきたい。

公共施設の屋根貸しは市長の判断で可能だ(再々質問)
【さはし議員】目標達成に向けて努力してほしい。
 公共施設の屋根の貸し出しについて、市長さんにお聞きします。長野県飯田市や須坂市(鳥取県北栄町も)は、すでに保育園や学校などの公共施設の屋根を民間に貸し出しています。飯田市では、庁内で相当の議論があった中、最終的に市長が「公益性のある事業なのだから許可すべき。」と決断しました。要は、市長が決断するかどうかです。仕事が地元企業にもまわってくると思います。 河村市長、いかがですか。

課題の検討結果を見て、問題がないなら早くやりたい(市長)
【市長】太陽光も儲かるようになり、どんどんやればいいと思うが、光害もあるというので難しい。現在、環境局で研究しており、ちょっと時間がほしいといっている。早いとこ結論を出してもらい、問題がなければ進めたい。

市民や民間の力も借りて達成を(意見)
【さはし議員】目標を達成するためには、市民や民間業者の力を借りることも検討していただくことを求めてこの問題での質問を終わります。 

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