2012年11月議会
田口一登議員の議案外質問① 都市計画道路 八事天白渓線と山手植田線は断念を(2012年11月28日)
八事天白渓線・山手植田線は直ちに計画廃止を
都市計画そのものについて廃止の決断を
【田口議員】都市計画道路・山手植田線および八事天白渓線について、この2つの都市計画道路の位置について、パネルを作ってきましたので、ご覧ください。
山手植田線は、国道153号線からつながる道路で、八事日赤北の交差点まで、緑が多く残る閑静な住宅地を貫いて、4車線、幅40メートルの道路を整備する計画です。八事天白渓線は、東山公園予定地の南端の住宅地を横切る道路で、八事斎場の北で山手植田線に合流します。現在は、5メートル弱から8メートルの道路がありますが、これを2車線、16メートルに拡幅しようという計画です。
この2つの道路計画については、未着手都市計画道路の整備方針の中で、いずれも「線形や構造等の変更」を検討するとされていますが、私は、計画そのものを廃止することを求めたい。
その理由は、第1に、整備する必要性がないからです。「自動車交通の円滑化」、すなわち渋滞の緩和が整備の理由にあげられていますが、市が実施した交通量調査では、名二環東南部区間の開通後、自動車交通量は減少しています。私も、朝の通勤時間帯に、植田一本松交差点から東山テニスセンター西交差点を通って、八事日赤北交差点まで車で走ってみましたが、多少の渋滞はあるにしても、がまんができないほどのものではありませんでした。渋滞緩和という整備理由は、成り立たなくなっています。
第2に、道路の線形や構造等に解決できない問題を抱える無理な計画だからです。最大の問題は、山手植田線が、八事日赤北交差点で5差路になることです。交差点の信号待ちの時間が増えて渋滞が増すことは必至であり、警察も難しいと言っている。また、道路予定地には、ヒメボタルも生息している樹林地があり、道路建設は自然環境の破壊をもたらします。八事天白渓線は、山手植田線と鋭角で交差すること、名城大学のグランドを横切ること、など線形上の問題が解決できていません。
第3に、道路予定地周辺の住民が望んでいない道路整備だからです。天白渓地区の住民でつくる「八事天白渓線と東山公園整備計画を考える会」のみなさんが、2年ほど前に天白渓地区の住民を対象に実施されたアンケートでは、八事天白渓線について「必要ない」が70%にのぼり、「必要」は9%弱に過ぎませんでした。昨年3月に開かれた住民説明会でも、わざわざ立ち退きまでして新たに道路を造るのではなく、「今ある道路を改良八事天白渓線・山手植田線は直ちに計画廃止をすることの方が先ではないか」との意見が多く出されたそうであります。
以上のように、必要性がなく、無理な計画で、そして住民も望んでいない道路計画に、いつまでもこだわる必要はありません。住宅都市局は、9月定例会中の決算審査の中で、「整備が困難ということであれば、廃止を含めた路線を早期に検討していきたい」と答弁しておられます。もはや決断のときです。
住宅都市局長、山手植田線および八事天白渓線の都市計画は廃止するという決断をしていただきたい。
整備困難と判断された場合は、計画の廃止や代替措置などを整理したい
【住宅都市局長】山手植田線及び八事天白渓線は、都市計画決定から相当年数が 経過し、地域の皆様にご迷惑をおかけしている。
整備を懸念する声もあることは認識しているが、昨年度に実施した交通量調査では、特定区間での渋滞や生活道路への通過交通の流入などの交通課題が確認されている。
引き続き検討を進め、整備に関する課題や効果、費用などを勘案し、整備が困難と判断された場合には、都市計画の廃止やそれに伴う代替措置などを整理したい。できるだけ早期に、結論を導き出せるように努めたい。
まだ、一縷(いちる)の望みを抱いているのか(再質問)
【田口議員】住宅都市局長は、「整備が困難と判断された場合は、都市計画の廃止やそれに伴う代替措置などを整理したい」と答弁されましたが、「整備が困難と判断された場合には」と、いつまで言っているのですか。山手植田線については、2年前に奥村議員が質問されて、その時の答弁と同じことを、いまだにおっしゃっています。
しかし、その後、交通量調査をやってみたら、交通量は減っている。八事日赤北の5差路問題は、まったく解決のメドが立たない。先の決算審査の委員会でも、わしの議員や奥村議員から、「整備は無理だ」、「八事日赤北の5差路は不可能だ」と、厳しく指摘されたのでしょう。
住宅都市局長、いまの段階で、「整備は困難」という認識に立つべきです。それともまだ、一縷(いちる)の望みを抱いておられるのですか。「整備は困難」だと、局長も考えておられるのでしょう。はっきり答えてください。
できるだけ早期に結論を出せるように努めたい
【住宅都市局長】名二環東南部が開通して状況を見る必要があると警察との話が有り、昨年度調査をして改めて検討している。確かに少し交通量は減っているが、予想したほどでなく、まだ渋滞や流入があるなどがあり、引き続き、この地域での道路のあり方を総合的に検討する必要がある。決算員会での議論を踏まえ、今後の方向性について、できるだけ早期に結論を導き出せるように努めたい。
無理な道路は造らないとの考えに沿って早期に廃止の結論を(再々質問)
【田口議員】渋滞の話をされましたが、朝の一時間くらいは渋滞があるが我慢せにゃならんほどではない。植田一本松から八事日赤北まで、普通は5分で通過できる。朝に時間帯に走ってみたが、渋滞や信号待ちがあって5分程度は余分にかかる。しかし、多くの車は153を通って市外から市内に入ってくる車が多いと思います。その車のために、5分間お短縮のために数十億円もかけて作らなければいけない道路ですか。
市長にお尋ねします。市長は今年8月、「健康と環境を守れ!愛知の住民いっせい行動」実行委員会との話し合いの場で、「(山手植田線は)八事日赤北交差点でふん詰まりになる。無理な道路はやらんでもええ」とおっしゃいました。私も臨席しておりましたので、この耳でお聞きして、この点は市長はわかっておられると思いました。
山手植田線は、市長も言うとおり、八事日赤北交差点でふん詰まりになる無理な道路なんです。山手植田線の整備が無理なら、それと一体的に整備するとされている八事天白渓線もできません。
市長、山手植田線と八事天白渓線は、無理な道路なんでしょう。無理な道路はやらんでもええから、計画は廃止すると、結論を出していただきたい。いかがですか。
地域の皆さんが納得できるような方向を、早期に検討したい(市長)
【市長】こないだ見に行きまして。なかなかええとこだね。当局は渋滞と交通の流入をいっとらっせる、できるだけ早期にといっとらっせるけど、できるだけ早期にというのはどのくらい、何年かかるかしらんけど、なんではよ結論がだせんのかねと思う。できるだけ早期が何年もかかっとってはいかんもんで、いっぺん、ほんとに早期に結論が出せるように、そういいますわ。
今年度中には結論を出さないといかん(意見)
【田口議員】全く主体性のない答弁ですが。できるだけ早くとは、遅くとも、今年度中ですよ。
さて、通過交通の問題がありました。八事天白渓線予定地の道路は、朝の通勤時間帯には通り抜けの車が少なくありません。私も、先日、住民のみなさんと交通量を調べてみました。7時から9時の時間帯に、東から西に抜けていく車は、643台でした。住宅都市局が1年前に実施された交通量調査では、714台だったと聞いていますので、1割減少しています。それにしても、通勤時間帯だけですが、狭い道を少なくない車が抜けていきます。だからといって、この道路を整備すれば、もっと通過交通が増えるので、住民のみなさんは道路の整備を望んではいません。住民のみなさんが求めているのは、一方通行規制や7時―9時の時間帯の進入禁止などの交通規制、そして今ある道路の改良です。八事天白渓線の計画が廃止されれば、こういう代替措置を、住民の合意を得ながら進めることができるのです。
道路整備をやるのか、やらないのか、はっきりしない状況を続けていることが、住民を不安にしているのですから、一刻も早く結論を出していただきたい。「整備は困難。だから計画は廃止する」という結論を出していただきたい。強く要望させていただいて、質問を終わります。
キーワード:環境と防災、まちづくり、田口かずと