2012年11月議会

岡田ゆき子議員の議案外質問② 守山養護学校の過密化を直ちに解消せよ(2012年11月29日)

守山養護学校の産業科を独立させ、過密化の解消を

守山養護学校の過密状態に対する教育長の認識
【岡田議員】名古屋市立守山養護学校の過規模・過密化問題について質問します。特別な配慮が必要な子どもたちにとって、学齢期にどんな環境で過ごすかは大変重要な課題です。
 現在の特別支援学校は児童・生徒数が増え続けています。特に、高等部は生徒数の増加が著しく、市全体で2008年から2012年の5年間で422人から583人へ1.4倍に増えるという勢いです。中でも、守山養護学校は、大規模化による弊害が起きている典型的な学校です。
 過大規模・過密化を解消するため、2007年に増改築した翌年の、高等部普通科の生徒数は81人でした。その後、普通科生徒の増加に加え、2011年度の高等部産業科併設することとなり、2012年には190人と2倍にふえています。保護者から、人口過密による弊害が、教育環境の悪化となって、子どもたちへの負担が大きく、問題だとの声がたくさん聞かれています。
 障害のある子ども達には、普通教室だけでなく、一対一で向き合えるスペースや個別学習室、相談室、また思いきり身体を動かせる空間が必要です。
しかし、児童・生徒の増加は、普通教室の必要数の増加につながり、個別学習室や作業室として自由に使える教室を普通教室として使用することとなり、毎年教室の有り様が変わり、自由に過ごせて、教育、指導にも利用しているプレイルームの一部まで、作業室として一時利用するような工夫をしなければならなくなっています。また思春期の子どもが、先生に思いを打ち明けるような相談室が十分確保できない、興奮してしまう子どもの気持ちを落ち着かせるためのスペースも減っています。
 国が特別支援学校等の設置基準を設けていない為、必要な施設を自由に作ることができるという考え方もある一方、名古屋市の場合、設置基準がないことを理由に、障害のある子どもにゆとりのない狭さを強いていると、受け止められても仕方がない実態があります。
 南養護学校と守山養護学校を視察しました。南養護学校は必要な空間を確保し、こどもたちが、のびのびと学校生活が送れており、その差は歴然としています。具体的に見れば、現在の南養護学校は一人当たりの床面積は、36㎡です。一方、守山養護は現在、28㎡。南養護学校の床面積を標準とするならば、現時点でも約70人分の児童・生徒が多くいることになります。この点においても、守山養護学校は、現時点で生徒数の増加により、過密状態にあり、この解消は待ったなしだと考えますが、教育長の認識をお聞きします。

現在は児童生徒に必要な教室数を確保している
【教育長】守山養護学校は、平成19年度に南校舎を増築、平成20年度に普通教室として使用できる教室を25室確保し、その後の中学部や高等部の生徒数増加や23年度の産業科設置にも対応した。その結果、現在は児童生徒に必要な教室数を確保できている。
 個別学習室や作業室などは、児童生徒数の関係で、すぐに普通教室として使用しなかった部屋を有効に活用した。今後は、更なる高等部の生徒数増加が見込まれるため、教室数不足への対応は喫緊の課題と考え、守山養護学校をはじめとする特別支援学校の教室等の整備を積極的に進めたい。

産業科の単独建設が必要です
【岡田議員】守山養護学校に併設する高等部産業科は、「職業自立に必要な知識や技能、態度を習得し、地域の一員として自立生活を送ることができること」を目標に、開設されました。職業自立に向けて力をつけるために、実習を行う特別室や必要な設備、作業のための更衣室など産業科として充実した施設が当然確保されていなくてはいけません。
 しかし、実際はどうか。児童生徒数の増加も伴い、必要な実習室も普通科生徒と併用であったり、木工作業で使う重い糸鋸を普通科生徒と共有するため、教室間を移動して使うこともあるといいます。進路指導室や自習室なども必要ですが、それさえもスペースの確保が困難です。同一校舎内に普通科と産業科という、教育課程の異なる学科を押し込めるのは、やはり相当な無理があると考えます。
 産業科として選抜試験を通り、専門の教育機関で職業自立に向けてしっかり力をつけるために、ふさわしい教育環境の整備、拡充をしていかなくては、せっかく開設した意味がありません。産業科としての教育環境のさらなる拡充をし、増加する普通科高等部の解消のために、守山養護学校高等部産業科を、単独で移設建設をすることを提案したいと思います。教育長の見解をお聞きします。

県に対し新設の要望を続けたい
【教育長】守山養護学校産業科は、産業科として必要な実習室や施設を確保したうえで、曜日によって実習室を普通科と使い分けたり、産業科の機材を普通科でも活用したりするなど、施設・設備の活用に工夫をしている。
 産業科の単独建設は、特別支援学校の設置義務のある県に対し、高等特別支援学校の新設の要望を続けたい。

今の学習環境が障害のある子に適切か(意見)
【岡田議員】守山養護学校の現状について、教育長の認識は現在足りているとの答弁でした。現在の南養護学校でも、現在の児童生徒数の受け入れで、これ以上の余裕はほとんどないと視察の際言われましたが、そこと比べて、70人もの詰め込みが守山養護学校ではされているわけで、認識を改めていただきたい。マンモス解消と産業科の充実に向けて、産業科の単独建設を県求めていくということですが、市の任意設置も含め、障害のある子の学習権を真剣に、早急に改善するよう強く求めて、質問を終わります。

 

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