名港議会 一般質問④ 放置プレジャーボートについて(2012年11月14日)
放置プレジャーボートの不法係留による防災施設への影響は
【山口議員】東日本大震災では、岸壁の破損や沈下で大型船が着岸不能になったところが少なくなかったようです。そういうところでは沿岸漁業で使われていた小型の漁船などが、小回りがきくということもあり、物資や人員の輸送に活躍したと聞いています。その一方で、大小問わず多くの船舶が津波で陸上に打ち上げられ、被害を広げた光景もたくさん見せつけられました。
名古屋港のプレジャーボートなど小型船舶の係留状況、管理体制はどうでしょうか。作業船や小型タンカーなどは、業界団体があり、隻数の把握やいざという時に係留を強化する指示系統があるなど、それなりに体制が整えられています。
問題は港内のプレジャーボートです。新舞子ボートパークの造成など係留施設を整備拡充する努力が重ねられてきていますが、港内には不法な係留施設も残念ながらまだいくつも残っているのが実態です。防災の観点からもしっかり対策を考えていく必要があるのではないでしょうか。そこでうかがいます。プレジャーボートなどの不法な係留によって護岸などの防災施設に悪影響が出ているのではありませんか。
その都度、所有者に対し響告を行い、撤去させる
【港営部長】名古屋港における放置プレジャーボートは、平成24年3月末現在で約1,200隻が確認されておりますが、護岸等の防災施設に大きく影響を及ぼすような不法な係留工作物を確認した場合は、その都度、放置プレジャーボート所有者に対し響告を行い、撤去させている。
放置プレジャーボートの災害等への対応はどうなっているか
【山口議員】名古屋港内のプレジャーボートの実態と対策はどうなっていますか。また災害への備えをボートの所有者や販売業者にはどう周知しているのでしょうか。
災害時への周知徹底は困難なので係留時に指導
【港営部長】名古屋港では、放置プレジャーボート対策を検討するため、学識経験者及び所在市村を始めとする関係機関で構成された「名古屋港プレジャーボート対策協議会」を設置しております。その中で、恒久係留保管施設として新舞子ボートパークの整備及び暫定的な係留場所を確保することにより、放置プレジャーボートを誘導し、秩序化を図る方向で検討を進めております。
災害への備えを放置プレジャーボート所有者へ周知することは困難であり、放置プレジャーボートを係留場所に誘導する際におきまして、周知等できるように適正な係留の指導を行います。
災害時における協力体制が必要ではないか
【山口議員】また単にやっかいもの扱いするだけでなく、災害時には積極的に救援活動に協力してもらうしくみをつくるなどなど、防災を考えるうえで、プレジャーボートについての新たな位置づけも必要ではないでしょうか。
新舞子ボートパークでは指定管理者が地域関係者と連携を図っている
【港営部長】現在、新舞子ボートパークでは指定管理者と指定管理業務に関する協定を締結し、その中で指定管理者が地域関係者と連携を図ることとしている。これに基づき、指定管理者は海上保安庁を始めとする関係機関と連携して、海難救助活動等の協力をしている。
キーワード:環境と防災、まちづくり、山口清明