名港議会 一般質問⑤ 神戸リゾートラインの身勝手な航路廃止について(2012年11月14日)

ガーデンふ頭と金城ふ頭を結ぶ航路の乗船率と採算ベースはどれだけか
【山口議員】ガーデンふ頭と9号地を結んでいた航路がいつの間にか休止状態になっています。今年五月の連休までは確か運行されていたのにいったいどうなってしまったのか。港内遊覧もいつのまにか運行する業者が変わっています。いったい何が起きたのでしょうか。
 水上交通、港内遊覧は、市民に親しまれる名古屋港づくりにとって大切な要素の一つです。中川運河の再生計画でも水上交通はそれなりの位置を与えられています。しかし、名古屋港では名鉄海上観光が事業から撤退し名物だった港内遊覧の金シャチ号もなくなりました。そして今度は船と会社がいきなり消えてしまったのです。運航していた会社は有限会社・神戸リゾートラインという会社ですが、その前身はイタリア村を経営していたセラビリゾートの子会社でした。イタリア村の悪夢がよみがえったかのようです。
 名古屋港の水上交通・港内遊覧は大丈夫なのか、たいへん気になります。そこで数点うかがいます。
  いま、ガーデンふ頭と金城ふ頭を結ぶ航路があり土日祝日に運行されていますが、お客さんの状況はどうでしょうか。採算ベースに乗っているのでしょうか。

土日祝祭日に1日9便運行、採算面は、思わしくない
【総合開発担当部長】「ガーデン・金城ふ頭航路」は、他の民間事業者が、平成23年7月9日から運行を開始し、現在、土日祝祭日に1日9便運行。平成24年4月から10月末までの乗客数は、およそ7,500人、1日あたりの平均乗客数は110人程度で、採算面は思わしくないと聞いている。
 なお、本組合は、来港者の利便性の向上と、名古屋港の観光事業を推進するために「ガーデン・金城ふ頭航路」の利用者へ、名古屋港水族館などの入場料割引を実施し、この航路の利用促進を図っている。

今後のこれらの事業への関わりは
【山口議員】そして今回の航路廃止の事態を管理組合はどう受け止めているのか。管理組合として、港内遊覧や水上交通についてどう位置づけており、今後はどういうスタンスでこれらの事業に関わっていくのか。

何の届出・連絡もなく運休したことは、大変遺憾で残念。観光舟運の事業環境を整えたい
【企画調整室長】有限会社神戸リゾートラインが、本組合、中部運輸局、ブルーボネットに対して、何の届出・連絡もなく、本年5月に運休したことにつきましては、大変遺憾あり、残念なことと思っております。
 しかしながら、名古屋港の親しまれる港づくりのためには、港内遊覧や水上交通など観光舟運の活用は重要なポイントです。今後の民間事業者による観光舟運のさらなる発展を期待し、本組合としても、ガーデンふ頭や金城ふ頭における交流拠点の開発、ささしまライブ24地区の再開発との連携などによる中川運河の再生にも積極的に取り組むことにより、港の魅力向上に努め、観光舟運の事業環境を整えたい。
 また、中州運河、堀川及び名古屋港を連絡する水上交通網の実現に向けて、引き続き、名古屋市が設置した水上交通網推進プラットフォーム等に本組合も積極的に参画し、関係行政機関と検討を進めるとともに、旅行業者や舟運団体等とも情報共有や連携強化を図っていきたい。

民間事業者に期待するというだけなく、水上交通へのロマンの充実を(要望)
【山口議員】水上交通の現実はなかなか厳しいのです。金城ふ頭とガーデンふ頭を結ぶ航路は一日9便、一日平均110人の乗客という回答でしたが、運行している船は77人乗りです。一隻当たり平均して12人しか乗っていない計算です。
 しかも水族館には割引があるとのことですが、金城埠頭の「リニア・鉄道館」には割引ひとつないのです。このまま中川運河を走らせても民間の力だけでは難しいな、というのが率直な実感です。ところが答弁では民間事業者に期待するというだけです。
 水上交通にはロマンがあります。なんとか充実させたい。そのためにも今回の教訓をしっかり踏まえて、あわてずに現実的な方向性を示していただくよう要望しておきます

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