後期高齢者議会② 一般質問1 後期高齢者医療制度は廃止しかない(2013年2月8日)

後期高齢者医療制度は廃止を    名古屋市会議員 岡田ゆき子

高齢者の実態をどう認識しているのか

【岡田議員】後期高齢者医療制度そのものに関連して2点を聞ききします。2006年の医療制度改革で、医療費抑制政策が打ち出され、2008年4月から75才以上の高齢者と65〜74歳の障害者を対象として国保・被用者保険から切り離す後期高齢者医療制度が導入されました。この制度は世代間の公平な負担を旗印に、国民医療費の半分近くを占める高齢者にも応分の負担を求めると同時に、医療費全体の伸びを抑制することを狙いとしているものです。

  ではその影響を受ける高齢者の実態はどうか。昨年4月から後期高齢者医療保険料は年額4439円5%超える負担増がされました。介護保険料は改定のたびに値上げが続き、名古屋市の場合、今年度は平均年額1万5492円30%超える負担増がされました。年金は連続引き下げが続き、今後3年間にさらに2.5%の引き下げがされようとしています。そして消費税増税という連続負担に高齢者が耐えられるでしょうか。この高齢者の置かれている実態をどう認識し、その影響についてどうお考えなのか、連合長にお聞きします。

 年金の引き下げと保険料値上げの影響は大きいが、負担軽減をしている

【連合長】年金生活者にとって、年金支給額の引き下げが続く見通しの中で、後期高齢者医療保険料及び介護保険料が増額となることは、大きな影響があると認識している。

  平成24・25年度の保険料率改定では、何も増加抑制策を講じない場合、平成22・23年度に比べ13.55%の増となるところを、不安や混乱を生じさせないよう、剰余金及び県財政安定化基金の活用により、5.86%の増に抑制した。

 後期高齢者医療保険料は、保険料の増加抑制と併せて、低所得者を対象に被保険者均等割額の9割軽減や8.5割軽減を適用するなど、きめ細やかな負担軽減が図られております。

 制度の廃止が最も有効な解決策だが、連合長の見解は

【岡田議員】この制度に対しては、09年の政権交代にもつながる大きな反対運動が起こり、民主党政権下では、廃止に向けて「高齢者医療制度改革会議」を設置し、議論を重ねてきました。しかし、最終結論が出る頃には「政局不安定」を理由に、また昨年の民自公による「消費税増税を含む、社会保障と税の一体改革の関連法案」の強行採決後は、廃止法案の国会提出そのものを見送り、棚上げしました。

  さらに現在行われている「社会保障制度改革国民会議」では、高齢者ということでは、70~74歳までの窓口負担の引き上げまで検討されており、高齢者の実態から全くかけ離れた議論が進められていることに、大変な危惧を感じます。

  愛知県後期高齢者医療制度に関する懇談会の議論の中でも、高齢者の負担増に対する不安や保険料が値上げされる仕組みは「被保険者として議論に加わることもできないまま値上げだけは引き受けざるを得ない」「被保険者の意見はあまり生かされていない」といった声が聞かれます。

 日本共産党名古屋市議団が昨年秋に行いました市民アンケートでは、市政に望むこととして、介護保険料・利用料の値下げと、高齢者福祉の充実の次に4割の方が、後期高齢者医療制度の廃止を求めていました。年齢を差別し、高齢者が増えれば自動的に保険料が上がる仕組みは、低所得の年金受給者を苦しめる何者でもないと考えます。

 その解決のためには、制度の廃止が最も有効な手段だと思いますが、連合長の見解をお聞きします。

 制度は定着している

【連合長】後期高齢者医療制度は、老人保健制度の問題点を改善するために創設されたもので、制度開始後おおむね5年が経過した現在は定着している。 国は、持続可能な社会保障制度の確立を図るため「社会保障制度改革推進法」を制定し、今後の高齢者医療制度は、社会保障制度改革国民会議において検討されることとなっております。

 当広域連合は、その動向をしっかりと注視しながら、引き続き、現行制度の円滑かつ安定的な事業運営に努めてまいります。

 本当に酷な制度。改めて廃止を求める(意見)

【岡田議員】制度が定着してきていると言われますが、社会保険料の値上げに次ぐ値上げでそれも、有無を言わさない天引きがされていて、高齢者に対して定着していますというわけですから、本当に酷な制度です。改めて廃止を求めたいと思います。

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