滋賀県湖南市の「自然エネルギーを活用するまちづくり」に学ぶ

 

 

 

滋賀県湖南市では「緑の分権改革・自然エネルギーを活用するまちづくり」をめざし、2012年9月21日に「湖南市地域自然エネルギー基本条例」が可決され、コナン市民共同発電所プロジェクトがすすめられています。わしの・山口・さはし各市議は、湖南市を訪れ、市民環境部地域エネルギー課の前田管理監と池本主幹にお話を伺いました。第一号の取り組みとなった、湖南市の福祉施設・社会福祉法人の障害者支援施設「バンバン」と、「こなんマルシェ」というお店も案内していただきました。

第一号の取り組みは、障害者支援施設「バンバン」の屋根に、事業費800万円で発電パネル145枚(年間発電量2万KWH・80万円の売電収入見込み)を取り付け、出資金はトランスバリュー信託会社(東京都)が1口10万円で募集しました。年2%の配当は、「こなんマルシェ」で使える地域商品券で出資者に償還されます。信託期間は20年2か月です。 

 条例には「地域の自然エネルギーは地域固有の資源で、地域の発展に資するよう活用する」と書かれており、配当を地元商品の商品券にすることで、地域の産業や経済も発展します。

 地域商品券と交換できる品目は、湖南市の優れたこだわり名産品の数々で、「こなんマルシェ」というお店で購入できて、通信販売もしています。こなんマルシェには、湖南市特産のとれたて野菜、手作り加工品、お菓子、パン、漬物、伝統工芸品などがたくさん並べられていました。今後も商品開発をすすめ、さらに品目を増やしていくそうです。次の計画として、年間100KWH・4000万円を目指した事業展開を推進しているそうです。  

 出資者への環元が、配当金や電気料金の引き下げではなく、地元産の商品や物産品の商品券というところが、自然エネルギーを活用するまちづくりとなっていて、地元の経済や福祉施設の発展にもつながり、よい施策だと思いました。

 名古屋市では、太陽光発電を促進するため、25年度から環境局所管の屋根貸しをすることになりましたが、公共施設は市や市民の共同財産という考えから、パネルの設置は地元中小業者の仕事興しにつなげるべきだと考えます。そして市民出資の市民共同発電所をすすめていくことについても提案もしたいと考えています。