2013年3月臨時会
田口議員の再議にたいする質疑(2013年3月臨時会 3月28日)・・・保育料値上げ凍結を覆そうとする「再議」は認められない
保育料の据え置きをくつがえそうとする動きは、断じて許すことができない
【田口議員】平成25年度予算をめぐっては、保育料の値上げが大きな焦点となり、修正議決によって保育料は据え置きになりました。これは、乳幼児を抱えて、毎日のように委員会傍聴や議員要請に取り組まれたお母さんたちや、名古屋民間保育園連盟をはじめとする保育団体の「保育料の値上げはやめてほしい」という切実な思いに、議会が応えたものです。この点では、市民の声を聴き、市民の視点に立脚するという議会の役割を果たすことができたと考えます。
修正案は減税も福祉切り捨ても容認するもの
日本共産党市議団が、先の2月定例会で予算修正に賛成しなかったのは、肝心かなめの河村「減税」を容認し、保育料値上げ以外の福祉・市民サービスのカットも容認することになるからであって、保育料値上げの撤回には大賛成であります。ですから、市民の運動と議会の議決によって成し遂げた保育料の据え置きをくつがえそうとする動きは、断じて許すことができない、ということを申し上げて、市長にお尋ねさせていただきます。
世論に敵対する再議に市民の理解は得られない。保育料据え置きには、異議はないか
河村市長は、予算の修正議決のうち、法人市民税の増額に係る部分について法令違反として再議理由にあげていますが、今回の予算修正の核心は、保育料の値上げを中止したところにあります。この予算修正を再議に付すという市長の行為は、「保育料の値上げをやめてほしい」という市民世論に敵対するものではありませんか。市民の理解は到底得られないと考えますが、いかがでしょうか。
市長が、市民世論に敵対するものではないとお考えなら、保育料値上げの中止という修正議決を素直に受け入れるべきであります。再議理由では、保育料を据え置いた部分については触れておられません。ということは、保育料を据え置くことについては、市長も、異議はないということでいいですか。
減税の一方で負担増が、妥当かどうかが問題
保育料の値上げをとりやめることによる歳入減を、法人市民税の収入見込み額を増やして帳尻を合わせるという予算修正は、法令違反とまでは言えないと考えますが、苦肉の策には違いありません。しかし、問題の本質は、市民税収入見込み額の算定方法が、〝どんぶり勘定〟か、そうでないかにあるのではありません。減税によって無理やり税収を減らす一方で、保育料値上げという負担増を市民に強いるやり方が、妥当かどうかにあるのです。今回の再議理由は、こうした問題の本質をそらすものではありませんか。市長の見解を求めます。
議会で決めること。しかし財源があまりに無責任(市長)
【河村市長】保育料を据え置くことは議会でお決めになることが全てでして、それに対して違うことは市長は出来ません。従いまして、そうなればそういう風になるということです。
財源をどうするかは、あまりにひどい。景気が良くなることを財源として保育サービスをするのは、全く理解できない。市民に無責任なことはないと、違法であると考えております。
名古屋はとんでもない恥かきの実績を残すことになりますよ、これ。
財源は予算の誤差の範囲。保育料値上げをどうするのかを聞いている(再質問)
【田口議員】市長が今回の予算修正の1番の核心は保育料値上げどうするのかということだったんですよ、それについて据え置きという議会の議決を受け入れるというかどうかはあとで再質問させて頂きます。今回の法人市民税の増額によって、歳入の不足の埋め合わせをするという問題について、私の考えを述べておきます。今回の増額修正は、苦肉の策とは申し上げましたが今回の法人市民税の増額修正については、違法だとは考えておりません。なぜなら、過去の実績をみても、4億3千万円ほどの増収は十分ありえるからです。平成14年度から23年度までの10年間の法人市民税について、決算額と当初予算額を比較しますと、景気が上向いていた前半の5年間は、決算額が上回っており、当初予算額と比べて26億円余から114億円余も結果的には増収になっています。一方、リーマンショック後の5年間は決算額が下回り、当初予算額と比べて6億円余から120億円余も減収になっています。ものすごい金額の見込み違いが生じているのです。補正後の最終予算額との比較でも、10億円以上の見込み違いが生じている年度がこの10年間でほとんどです。
地方財政法第3条第2項にもとづいて予算計上しても、法人市民税については、こうした巨額の見込み違いが生じるのですから、4億3千万円余という今回の増額修正は、私に言わせれば、誤差の範囲内だということを申し上げておきます。この点については、委員会で修正提案をされた会派の皆さんに更にただしていただきたいということで譲ります。
その上で、再質問させていただきたいのは保育料の値上げ問題です。今回の再議理由には入っていません。市長の議会の議決は云々かんぬんと、はっきり言ってください。議会の議決した、保育料据え置きは素直に受け入れると、こういうことでいいんですか。はっきりと答弁してください。
議会が決めたことには従う(市長)
【河村市長】共産党のような厳密にやる人が言う論理だとは驚きましたね。共産主義はまちがっとるでいかんけど、共産党はある意味で正確にやるとこがあったんですよ。あまりに無責任。想定通りいかないんだから、収支見込みは。全部いい加減でいいことになるよ、あんた。
議会の議決が全てですので据え置くということで。知りませんよ、まだ明日ありますので結論は言わん方がいいですね。皆さんがお決めになったこと、それには従います。
キーワード:福祉・介護・医療、税、地方自治体と住民参加、田口かずと