名港議会 一般質問④ ガーデンふ頭の再開発(2013年3月27日)
民間事業者による開発が全ての前提なのか
【山口議員】イタリア村の破たんから約5年になりますが、ガーデンふ頭の再開発はなかなかその姿が見えてきません。そればかりか、管理組合当局からの報告は、民間事業者からの提案を待つだけで、しかも民間事業者から進出が困難な理由が示されると、開発すべき区域が次々に拡大されていくようです。このままではどうなるか、大いに不安を覚えます。そこでうかがいます。
ガーデンふ頭の再開発は、もうガーデンふ頭東側の再開発から、いつの間にかガーデンふ頭全体の再開発になっているようですが、ここでの再開発は、民間事業者によることが絶対条件、前提条件なのですか。
民間活力の導入が重要な役割を果たすので民間事業者が進出するための支援を行う
【総合開発担当部長】ガーデンふ頭には、地元を始め、各方面からさらなるにぎわいづくりに向けた開発の要望がある。
再開発には、にぎわいの創出を図る観点から、民間活力の導入が重要な役割を果たし、公共事業は民間事業者が進出するための支援を行う役割がある。
開発区域の拡大や民間事業者による開発の条件を、いつ誰が決めたのか
【山口議員】そうだとしたら、そんな条件をいつ誰が決めたのですか。
意向調査やアンケートで民間事業者の進出を前提に、拡大することで事業化の可能性
【総合開発担当部長】イタリア村跡地であるガーデンふ頭東地区の再開発には、公共としての事業の関わり方や民間活力の活用方針などの検討を進めることとした。
その後、民間事業者の進出の可能性があることが意向調査で判明したため平成22年3月に、民間事業者の進出を前提とした事業化方策の検討を行っていくことにした。
開発区域の拡大は、事業の推進を図るため、平成23年度に事業者に対して行った開発の可能性に関するアンケートの結果、「開発区域を拡大することで事業化の可能性がある」と判断したため、平成24年3月に、ガーデンふ頭全体の開発の方向性を検討していくとした。
これらの件は、その都度、議会に報告、説明させていただいております。
開発エリアを次々拡大し、いま一番の障害は本庁舎になったのではないか
【山口議員】ヒアリングした事業者の言われるままに開発対象エリアが次々に拡大してきています。
議員総会で配布された資料の図面を見ると、再開発の一番の障害は港湾会館とこの本庁舎、そして先日、港署に統合された旧水上署の建物と敷地ではありませんか。
民間事業者から、邪魔だからどいてくれ、と言われたらこの庁舎も移転するのですか。
存在を前提としてガーデンふ頭再開発を進めている
【総合開発担当部長】本庁舎建設に当たり、港湾業務機能の集積状況及び危機管理面における迅速な初動体制の確保・港湾関係官公庁との連携等を勘案し、現在の場所を適地としたものであり、これらの建物については、その存在を前提としてガーデンふ頭再開発を進めております。
なお、事業者への意向調査では、海・港の眺望が活用できる、ふ頭前面周辺での施設展開のアイデアがありました。
大企業の利益追求のために市民の憩いの空間を奪うことになるのではないか
【山口議員】どんな提案を期待しているのかわかりませんが、つどいの広場をはじめ、ガーデンふ頭の公益性・公共性を踏まえた計画でなければ、到底認めることはできません。イタリア村のツケを、今度は緑地の減少という形で市民県民に押しつけることになりかねません。
いまのままのやり方では、進出企業の利益追求のために市民県民の憩いの空間が奪われることになりはしませんか。
つどいの広場等はガーデンふ頭に必要な機能
【総合開発担当部長】ガーデンふ頭再開発は市民に親しまれる港を目指して、さらなるにぎわいと地区の活性化を図る目的で行うもの。みなと祭を始めイベント等で活用されているつどいの広場や、海や港の風景が眺められる施設、憩いの場となる緑地は、ガーデンふ頭に必要な機能で、これらの機能を引き続き確保することで事業者に対して開発アイデア検討をお願いしている。
企業呼び込み型一辺倒という発想を切り替え、幅広く県民・市民参加で総合的な検討を行うべきではないか
【山口議員】ガーデンふ頭エリア全体を対象となる再開発というのならば、民間企業だけを対象にした事業者公募・提案まずありきではなく、市民県民からも広くアイデアを募るなど、開発の発想を変えることが必要ではないでしょうか。現状の緑地と広場を維持してほしいとの声は少なくありません。
もう企業呼び込み型一辺倒という発想を切り替える時ではありませんか。
ガーデンふ頭のあり方について、幅広く県民市民参加で総合的な検討を行うべきではないかと考えます。
いろんな機会に県民・市民ニーズの把握に努めたい
【総合開発担当部長】再開発は、にぎわいの創出を図る観点から、民間活力の導入が重要な役割を果たす。県民・市民ニーズの把握は、港まちづくり連絡会や、港まちづくり協議会、築地ポートタウン計画改訂時の住民意見交換会、インターネットやイベントにおけるアンケートなどで行い、これらで出されたニーズも踏まえて、ガーデンふ頭再開発の方向性を決めている。
今後も、これらの機会を通じて、県民・市民ニーズの把握に努めたい。
しっかりとしたコンセプトで、幅広く声を聞き、取り組むよう(意見)
【山口議員】にぎわいの創出が住民の要望で、そのためには民間活力の導入が重要だという答弁でしたが、名古屋市内のにぎわいは、水族館でも科学館でも動物園でも民間でないところが高い集客力を発揮しています。いま金城ふ頭において、みなさんがいうところの民間活力を導入したにぎわいづくりが進もうとしている。
ガーデンふ頭には独自のコンセプトが必要です。あせらずに、県民市民の声を活かした再開発を、幅広く検討していただきたい。
ふ頭施設全面での展開を検討している事業者もあるということですが、管理組合庁舎から海が見えなくなる開発になるかもしれないということですよね。
しっかりとしたコンセプトをもち、幅広く声を聞き、開発に取り組むように要望します。
キーワード:環境と防災、まちづくり、山口清明