2013年6月定例会
岡田ゆき子議員の個人質問②・市営住宅における高齢者等の交流スペースの確保(2013年6月20日)
空き部屋の利用等、工夫してコミュニティスペースを
【岡田議員】本市の市営住宅は高齢化が進んでいます。名古屋市の高齢化率が22.6%であるのに対し、市営住宅では、65歳以上の夫婦と単身世帯を合わせると41.2%と大変高く、入居者の4世帯に1世帯は65歳以上の単身世帯となっています。自治会などでは、集会所を使って、ふれあい喫茶やクラブ活動など積極的に取り組まれるようになり、高齢者同士のつながり、共同が広がってきています。しかし市営住宅での孤独死は、一昨年42件、昨年57件と深刻な事態があります。
北区にある上飯田南荘の5棟では、最近この棟で起きた高齢者の孤立死をきっかけに、住民の発案で、「一人ぼっちをなくす」為に、気軽に立ち寄れる住民のたまり場が必要だとの議論になりました。しかし、約280の管理戸数をもつ5棟には専用の集会所がありません。やむなく、階下の屋外の空きスペースを利用し「青空喫茶」を始めました。(パネル)
この取り組みで、なかなか屋外に出ることがなかった車いすの方、買い物以外は自宅にこもりがちな方が、「住んでいる棟の近くでやっているから」「気楽に行ける」と参加され、1年経過した現在は、毎週土日の8時半から10時半の間に、延べ6―70人が参加されるようになりました。発案した役員さんは「とにかく、ひとりでじっとしている高齢者が本当に多い。いつも不安を抱えている。やってみて、同じ棟の中で集える場所が必要だったことがよくわかった」と言われました。参加される方も、「ここにこれば誰かに会える」「心があったかくなる」と気持ちの変化が起きています。市営住宅において、こういった取り組みを広げることは必要だと考えますが、住宅都市局長の見解をお聞きします。
問題は、屋外のため、雨の日や冬は開くことができないことです。現在の名古屋市の集会所整備基準は、管理戸数150戸未満で70㎡程度、150戸以上では100㎡程度の集会所を整備することとなっており、500戸を越える場合は、必要に応じて、広くする、もしくは、複数の設置を考慮することとなっています。上飯田南荘は、管理戸数1612戸に対して120㎡を越える集会所が2か所。単純に計算しても、上飯田南荘には、3か所以上の設置が必要だと思います。
若い世帯がいた30年以上前の状況とは変わり、外界との接点がなかなか持てない高齢者や引きこもっている方にとって、「気軽に」「いつでも」寄りあえる、小さい単位のコミュニティーが必要です。集会所は1つの提案ですが、空き部屋の利用等、工夫してコミュニティスペースをつくっていく必要があるのではないでしょうか。
既存の集会所をコミュニティ活動の拠点として有効活用を(局長)
【住宅都市局長】高齢者の孤立を防止するため「ふれあいの場」を創出する取組みを進めて、自治会との連携のもとに団地内の集会所を活用した「ふれあい喫茶」や空き地を活用した「共同菜園」の運営に対する支援を行っている。引き続き、このような取組みを進め、引きこもりがちな高齢者の参加を促すとともに団地内コミュニティの活性化を図っていく。 住宅を集会室に用途変更することは応募倍率が非常に高いので困難、ふれあい喫茶など各団地に整備している既存の集会所をコミュニティ活動の拠点として有効活用していただきたい。
ぜひ支援を(意見)
【岡田議員】高齢者の交流スペースの確保については、岩城副市長さんが「孤独感を解消するというのは必要だ」とおっしゃいました。そういう点では、今日紹介した青空喫茶というのは小さい単位でふれあいの取り組み自主的にやっている。市営住宅での孤立死を防ぐ取り組みを住宅都市局でも、ふれあいの取り組みをやってらっしゃるとのことなので、ぜひ支援をしていただきたいと思います。
キーワード:税、地方自治体と住民参加、岡田ゆき子