2013年6月定例会
山口清明議員の追加議案に対する質疑・口利き疑惑に関する市長給与削減について(2013年7月2日)
市長の給料の特例(半減3ヶ月)は、議員の口利きを前提にした処分。全容解明を
最終報告を待たずに中間報告のみで処分を決定したのはなぜか
【山口議員】この案を提出したのは、国民健康保険料に係る滞納整理嘱託員の不正採用が行われたことに伴い、市政の信頼を著しく損ねたことに対する市長の責任を明らかにするため、と説明されています。
問題の不正採用事件について、日本共産党名古屋市議団は、昨年12月と今年4月と二度にわたり、議長に対して地方自治法第百条にもとづく調査特別委員会の設置など、真相解明のために議会として全力をあげるよう申し入れてきました。
市政に対する信頼を回復するために、真相解明に力を尽くすのは議会の当然の責務です。議案審議を通じて少しでも事件の真相に迫りたいと考え、条例提出の根拠となる事件の事実認定について、以下、数点、市長に質問します。
この事件について、市長は2月に弁護士チームを発足させ、その調査チームは4月3日に中間報告を発表しました。そして6月18日、幹部職員2人を免職にするなどの処分を行い、今度は市長自らに重い処分を科す条例を出しましたが、市長、最終報告を待たずに中間報告のみで処分を決定したのはなぜですか。
事実関係は十分した、5月24日に検察も起訴猶予処分をしたので処分
【河村市長】去年の4月に市長ホットラインに通報があり調査、8月28日に名古屋市として告発をしております。その間も、当局としては調査をつくし、中間報告で新たに出てきた事実につきましても、当局の人間にヒアリングもしまして、事実関係につきましては十分であるということで、5月24日に検察も起訴猶予処分をしましたので、このタイミングで処分をさせていただいた。
ネット中継で視聴していたという明らかな事実誤認の指摘に訂正も反論もないが
【山口議員】処分の根拠が中間報告のみだとすると聞きたいことがあります。
中間報告にある、平成21年9月の委員会審議の状況をネット中継で視聴していた、との記述について、委員会のネット中継は平成23年3月からなので、明らかな事実誤認だとの指摘を議会側からも調査チームにしたはずです。ところがいまだに訂正も反論もありません。どうなったのですか。
現実に見ていた印象と重なったのではないか
【河村市長】弁護士さんの話では最終報告のときに出すということですが、僕がきいたところでは、インターネットはあの時にはなかったけども、答案偽造の時に、間違いなく、その風景が頭に浮かんだと言っていまして、控室で見ているなり、現実に見ていた印象が重なったのではないかと、当事者が言っていると。インターネットか、実際に控室で見ていたのか、いずれかの印象が重なったのだろうと、本人が語っているという報告が出されるようです。
動機について、市長として事実と認定した事柄は何か
【山口議員】重い処分の根拠ともなる中間報告がこれでは困ります。
調査チームの最終報告が出てから処分を決めるものと思っていましたが、5月と言われていた最終報告は出るのか。事実関係の解明は既に全て終了したということで今回の条例を提出したのですか。答弁を求めます。
調査チームの中間報告を報じた新聞の見出しには「市議の口利き認定」「恫喝的顔浮かび不正」「部長『市議に圧力感じた』」などの言葉が並びました。
私も、不正を招いた要因に議員の関与があったか否かを明らかにすることが事件の重要なポイントと考えます。この点が不明朗なままで職員に対し重い処分を課し、市長自らを罰すると言われてもすっきりしません。
これまでの委員会審議では、当局からは「捜査当局に書類を送った」「捜査中の案件だから答弁できない」としか答えていただけませんでした。
ところが、名古屋地検は5月24日、理由を明らかにしないまま、職権乱用や虚偽有印公文書作成、同行使などの疑いで書類送検されていた職員3人と、あっせん収賄などの疑いで告発された市会議員について、いずれも不起訴としました。この判断に対する評価は別にして、検察が不起訴とした案件について、今回あえて思い処分を決定したのは、市として相当十分な確信を持って、事件に関する事実認定をしたうえでのことだと思います。事件の全容について尋ねることはしませんが、端的に一点だけうかがいます。
市長が重い責任を感じるというこの不正採用事件に幹部職員が手を染めた動機について、市長として事実と認定した事柄は何か、具体的かつ端的な答弁を求めます。
議員さんからの働きかけがあったと判断した
【河村市長】弁護士さんのチームや、内部の調査によって、こちらの職員のほうがきちっと話をしておりまして、「議員さんからの働きかけがあった」ということは認めております。全員。また、弁護士さんが調べた新しい事実につきましても、職員に確認したところ、その通りであるということでありまして、動機について、そこまで確実であれば間違いないと判断した。
百条委員会の設置と事件の真相究明、議員に対する疑惑の解明と政治倫理の確立を
【山口議員】市長、最終報告を待たずに処分を決めたということになると、中間報告は重いのです。
職員の処分だけだったら、その動機が何であれ、結果として不正採用に関わったという、この事実認定だけで十分なのですよ。特別な調査チームいりません。
あなたが、あえて調査チームをつくり中間報告を出したんですね。事実認定に一点でもスキがあってはいけないと、私は思います。中途半端な調査報告は即刻、改めていただきたい。
そのうえで、この100号議案は、あなたの、市長としての独自の責任を問うものです。部下が過ちを犯したから上司として一般的に監督責任を問う、こういう条例ではないと私は受けとめています。ですから、職員を処分した事実認定についても、事件の動機や背景を含めて明らかにする。そのうえで、自分自身に対する適正な処分が行えると私は考えます。
いまの答弁で、幹部職員が不正を働いた動機に、議員からの働きかけがあったと明言しました。そのことを認定したうえで、今回の提案をされたと、私は受け止めたい。
もとより市会議員にかけられた疑惑、口利き疑惑の解明は市民に対する議会の責務です。
百条委員会の設置については、現在も、議会運営委員会理事会で協議が続けられています。私たちは、引き続き、全会一致で、この百条委員会、設置できるよう粘り強く取り組んでいく決意です。
同時に、事件の真相究明、議員に対する疑惑の解明と政治倫理の確立のために、今後とも力を尽くしてまいりたい。このことを表明して質問を終わります。
キーワード:平和と人権、市民生活、山口清明