2013年6月定例会
補正予算案に対する反対討論(さはしあこ議員 2013年7月2日)
不要・不急なエンターテイメント事業ばかりで市民の暮らしをないがしろにした補正予算は認められない
【さはし議員】日本共産党名古屋市議団を代表して、ただいま議題となっております一般会計補正予算に反対の立場で討論を行います。
天守閣木造再建は、今やることか
反対する理由の第一は、名古屋城天守閣の木造復元の課題を調査する経費が計上されていることです。
市長が言う本物の天守閣を再建するための調査は、これまでも進められており、ヒノキの調達やバリアフリーにならない問題、火災や地震にたいする安全性などの課題がクリアされていません。今回の調査では、現在の天守閣が有する博物館機能についての検討が予定されていますが、木造で復元した場合には、天守閣内に展示スペースを設けることができず、代替措置を講じても博物館機能の低下は避けられません。約18年に及ぶとされる復元工事中には、入場者数が減少することも危惧されます。
現在の天守閣は、今後50年ほどの耐用年数があり、これを取り壊して、約400億円もかかる本物に近い木造復元を急ぐ必要はなく、木造復元を前提にした調査は、必要性も緊急性もありません。
なぜ名古屋が鉄道の聖地なのか
第二は、鉄道を活用した都市魅力向上策を検討する調査費も認められないことです。
鉄道を活用した都市魅力向上の調査にもかかわらず「あおなみ線でのSLの定期走行」が大前提であり、実現性に極めて疑問がある事業を、他の事業より優先して調査する必要はありません。採算性や実現性に関する調査は、本来、鉄道運送事業者が行うべきものであります。
名古屋市は、残念ながら車社会であり、名古屋市が鉄道の聖地とすべき歴史的必然性は見いだせません。将来に向けての都市の魅力につながる可能性が高い、LRTなどの新型交通システム等の検討もこの調査に入っていません。
以上のことから、都市魅力の向上につながる調査費とはいいがたいものです。
財界中心の中京都構想
第三に、中京独立戦略本部の運営費が含まれていることです。
「中京都構想」は、大企業中心の企業誘致や巨大インフラ整備などの促進を目指すものであり、その司令塔である中京独立戦略本部の運営への支出は認められません。
以上、反対理由を申し上げまして討論を終わります。
キーワード:大型開発・ムダ遣い見直し、さはしあこ