敬老パスの見直しは 一部負担金でなく 交付率こそ引き上げを!

P1000582名古屋社会福祉審議会は10月24日、「今後の高齢者の生きがい施策のあり方について」最終報告書をまとめ、市長に意見具申を行いました。日本共産党市議団は、8月26日「誰もが利用できる敬老パスに!一部負担金の引き上げは容認できない」との見解を発表したが、あらためて引き上げには反対の見解を表明。「敬老パスの見直しは一部負担金ではなく交付率こそ引き上げを!」と声明を出し、申し入れを行いました。

P1000588申し入れでは、敬老パスが名古屋の経済に及ぼす大きな効果や、高齢者の健康増進、環境など、かけがえのない役割を発揮していることを無視し、将来の財政負担増を前面に出す意見具申であり、「値上げしなければ65歳から交付もできない」と市民を脅し、値上げは避けられないと世論を誘導するものだと指摘しました。

健康福祉局長は、「名古屋の宝である敬老パスの制度は守っていきたい。高齢化社会を迎える中で、敬老パスだけ何もしないというわけにはいかない。意見具申をうけて見直しの検討をしていく」と答えました。

 

敬老パスの見直しは 一部負担金でなく 交付率こそ引き上げを!
                                                            
2013年 11月 5日                                   

日本共産党名古屋市会議員団 
団 長  わしの 恵子

 

名古屋市社会福祉審議会は10月24日、「今後の高齢者の生きがい施策のあり方について」最終報告をまとめ、市長あてに意見具申を行った。焦点の敬老パスの見直しについては「一部負担金の引き上げは避けられない」とされた。

敬老パスの一部負担金引き上げについて、日本共産党名古屋市議団は8月26日「誰もが利用できる敬老パスに!一部負担金の引き上げは容認できない」との見解を発表したが、あらためて引き上げには反対の見解を表明する。

今回の意見具申は、市が行ったアンケートで示された敬老パスの現行制度への市民の強い支持の民意を踏みにじり、行政評価の「見直し」判定のみに固執し、とにかく一部負担金は引き上げると結論を出すだけのものとなっている。 

意図的な世論操作が疑われる報告概要 

審議会が開かれる前日に分科会最終報告の概要が参考資料として公表された。審議会の結論は既に決まっていると言わんばかりで、提出された意見具申の概要も同内容であった。ここには、分科会で議論され、最終報告の本文にはあった「低所得者に対する配慮が必要」の記述はカットされている。その一方で、最終報告には具体的な数値の記載がない「名鉄・JR・近鉄へ拡大した場合の推計費用+52億円以上」との試算結果だけがわざわざ紹介されている。

このように「一部負担金を引き上げなければ65歳からの交付もできない」と脅して、一部負担金の引き上げは避けられないと、世論を誘導する意図が明け透けである。 

引き上げ不可避の根拠は示されず―― 「福祉」の審議がこれでいいのか 

審議会報告のどこを読んでも、一部負担金をいくら引き上げたら財政危機が解消され持続可能な制度となるのか、負担金引き上げの具体的根拠はいっさい示されていない。負担金引き上げによる交付率や社会的効果への悪影響にも言及がない。年金や介護など、高齢者の所得や負担に関する議論もない。高齢化の進展と財政危機を煽り立て、市民に負担増を強いるのが、「福祉」の名を冠する審議会の結論なのだろうか。この日の審議会は委員33名中12名が欠席した。真剣に名古屋の高齢者福祉について審議を尽くしたとは到底思えない。

日本共産党名古屋市議団は、市長の「敬老パスの堅持・利用拡大」の選挙公約も踏まえ、次の2点をあらためて河村市長に求め、その実現に全力を尽くす。

 

1.公約を守り、民意を踏まえ、敬老パスの一部負担金の引き上げを行わないこと。

2.引き上げるべきは敬老パスの交付率である。一部負担金導入以降、低下が続く交付率を引き上げるためにも利用拡大を含む施策こそ具体化すること。