2013年11月定例会

日本共産党案「過労死防止基本法の制定を求める意見書」が採択されました

過度の長時間労働や過酷な職場環境などによる「過労死」や「過労自殺」は、大きな悲劇を生む深刻な社会問題となっています。9月定例会の共産党案「若者の使い捨てが疑われる企業(ブラック企業)への厳正な対処を求める意見書」に引き続き、11月定例会では、日本共産党案の「過労死防止基本法の制定を求める意見書」が採択されました。 

愛知健康センターの事務局長は、センターに寄せられる相談の傾向について「過労死、労災と同時に、うつ状態になった若い労働者が増えている。」と言います。防止するためには、個人や家族、企業の努力だけでなく、国として総合的な対策を積極的に行っていく必要があります。

 

過労死防止基本法の制定を求める意見書 

我が国が先進国として経済発展をとげる過程において発生した、過度の長時間労働や過酷な職場環境などによる「過労死」や「過労自殺」は、大きな悲劇を生む深刻な社会問題として認識されるようになってきた。残された遺族の経済的困窮や精神的苦痛は大きく、また働き盛りの労働者が過労によって命を失うことは社会的にも大きな損失である。

労働基準法では、労働者に週40時間、一日8時間を超えて労働させてはならないと定め、労働者に過重な長時間労働を強いることを禁じ、労働者の生命と健康を保持することをめざしている。しかし、残念ながら、この規定は十分に機能していないのが現状である。

昨今の厳しい雇用情勢の中で、労働者から使用者に労働条件の改善を申し出るのは容易ではない。また厳しい企業間競争下では、個々の企業が自社だけで労働条件の改善を図ることにも限界がある。

過労死を防止するためには、個人や家族、企業の努力だけでなく、国として総合的な対策を積極的に行っていく必要がある。

そこで名古屋市会は国会及び政府に対し、過労死・過労自殺の根絶をめざすことを宣言すると共に、過重労働による労働者の健康被害の実態等を踏まえ、過労死・過労自殺の要因に関する調査・研究の推進など総合的な過労死防止対策をすすめる過労死防止基本法を制定するよう強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。