後期高齢者議会(2013年8月22日) 決算討論 わしの恵子議員(負担押しつけの制度)
制度廃止を棚上げし、値上げで負担増を押し付けた決算
【わしの議員】平成24年度特別会計決算にたいして反対の立場から討論を行います。
反対する理由は、平成24年4月から値上げされた保険料に基づく決算となっているとともに、後期高齢者医療制度の廃止が先送りされ続けているからです。
後期高齢者医療制度は、医療費のかかる75歳以上の人だけを切り離して別勘定にし、医療費が増えれば増えるほど負担が増える痛みを自覚させるところに根本的な問題があります。こうした高齢者差別に国民の怒りが高まり、制度の廃止を求める世論が広がりました。
ところが、民主党政権は、公約に反して制度の廃止を先送りしたばかりか、民自公の3党の合意で、廃止が事実上棚上げとなり、さらに消費税増税と社会保障の一体改悪で、年金は今後も引き下げられ、高齢者にとっては、幾重にも負担増を強いる結果となったのです。
年齢で高齢者を分断し、差別するという根本的なこの制度の問題が解決されず、24年度決算を見ても、保険料は前年と比べて4687円もの大幅値上げがおこなわれました。短期保険証の発行数と、財産差し押さえ件数も相変わらず多くあり、高齢者の生活を脅かしてきたことは大変な問題であると言わざるをえません。
愛知県の一人あたりの保険料は、22年度からの改定以来、全国で4番目に高い県となってしまいました。このように、後期高齢者医療制度は、存続すればするほど2年ごとに保険料の値上げが繰り返され、際限のない引き上げがもたらされます。後期高齢者はもとより、これから高齢期を迎える現役世代にとっても、老後の不安がつのるばかりです。
にもかかわらず、国の社会保障制度改革国民会議は報告書のなかで、後期高齢者医療制度については、「創設から既に5年が経過し、現在では十分定着していると考えられる」としています。つまり5年間いっかんして、後期高齢者医療制度についての高齢者の苦しみ・怒りの声を全く聞こうとしてこなかったことが大問題だと考えます。
後期高齢者医療制度は直ちに廃止し、「国民を年齢で差別する仕組み」の根をきっぱりと断つことであります。
以上の点から、制度の存続を前提に執行された決算は認めることができないということを申し上げ、討論を終わります。