名港議会 一般質問④ ガーデンふ頭の再開発について(2013年11月5日)
ガーデン埠頭の企業誘致型開発の総括は
【山口議員】昨年(2012年)3月定例会でもとりあげましたが、管理組合の取組みに何の進歩も見られません。しつこいようですが重ねて質問します。
2008年に開業後わずか3年で名古屋港イタリア村が破産しました。その結果、約400人もの従業員が解雇されて職を失い、名古屋市には一億円を超える固定資産税の未納を残し、港のイメージも大きくダウンしました。
名古屋港管理組合は約1億2000万円もの債権放棄等を余儀なくされ、加えて施設撤去費用と跡地の維持管理費用などで約1億4000万円、合計で2億円を大きく超える損害を受けています。
年間の維持管理費用は昨年度で約1740万円。いつまでこの出費が続くのでしょうか。民間活力に安易に頼った結果がこの始末です。
今年度も、相変わらず企業進出頼みの再開発に固執してきましたが、その結果はどうか。今年も公募実施は困難になったと報告がありました。議員総会でガーデンふ頭再開発について民間事業者の進出は難しい、と報告を受けたのはこれで4年連続5回目です。もういい加減にしたらどうですか。
私は、一つの提案として公共的なホール建設なども提案してきましたが、企業への意向調査でも、集客力ある施設の公共による整備が必要との声が出ています。近隣の開発動向では、金城ふ頭の開発に加えて、地下鉄で二駅隣の港区役所西に広がる東邦瓦斯跡地の再開発も始まります。ガーデンふ頭だけを考えてもダメです。イタリア村跡地を何とかしなくては、と焦ってもいけない。それではたとえどこかの企業が名乗りを上げても近隣の開発に集客力で勝てません。下手したら共倒れです。名古屋市でも、港まちづくりの指針となる築地ポートタウン計画を見直す時期となりました。ガーデンふ頭再開発についてもあせらずに一旦立ち止まり、深呼吸して、開発コンセプトや開発手法も仕切り直すべき時ではないでしょうか。そこでうかがいます。いままでの企業誘致型開発がうまくいかなかったのはなぜか。みなさんの総括を聞かせてください。
ガーデンふ頭再開発については、築地ポートタウン計画の見直し作業の中で、この地域の開発計画全体を視野に入れながら名古屋市や地元の各団体等ともよく相談しながら、再開発のコンセプトや開発手法などをじっくり考えてはいかがですか。
事業者の要望で鐘楼や水路を撤去、さらに開発区域を拡大、利用制限の解消をした。しかし近隣の開発状況を見極めたいなどで今年度中の公募実施は困難
【総合開発担当】築地ポートタウン計画に基づいた賑わいの創出を図るため、平成22年3月に、東地区のイタリア村跡地開発に向けて、民間事業者の公募を前提とした事業化方策の検討を行っていくことにした。
信用力のある複数者の進出の可能性が認められる場合に公募を行うため、事業者の意向調査で要望のあった、鐘楼、エントランス及び水路を撤去。その後、事業者からの要望をもとに開発の区域を拡大。その後、数社から開発イメージの提案があったが、国有地による土地の利用制限が課題とされたので、課題の解消に努めた。しかし、近隣の開発状況を見極めたいとの意見や、公共負担の要望等、開発にあたっての要件が多岐に渡り、今年度中の公募実施は困難な状況です。
引き続き再開発の実現に向け、官民の役割分担における公共負担のあり方や、事業採算性及び実現可能な開発手法等の検討を行う。なお、検討にあたっては、地域住民や地元の各団体等からのご意見も聞きたい。
ほんとに情けない経過。地域の開発計画全体を視野に入れた見直しを(意見)
【山口議員】ガーデンふ頭の再開発、ほんとに情けない経過です。民間事業者の公募を前提した事業化手法が行き詰まっているのです。民間の力で、と言うのに、民間事業者からはもっともっと公共負担を、という注文ばかりじゃないですか。ところがまだ企業による開発にこだわっている。同じこと何年繰り返すのですか。
公共がもっと前に出て、実現可能な開発手法を検討する時期、と答弁したのですから、一呼吸おいて、築地ポートタウン計画の見直しとセットでよく議論していただきたい。
この次も同じ回答を繰り返すようなら、みなさんの責任も問題にせざるを得ないと警告しておきます。
キーワード:雇用と地域経済・中小企業、環境と防災、まちづくり、山口清明