後期高齢者議会(2014年2月10日)①議案質疑 わしの恵子議員(保険料値上げ)
《条例改正案の質疑》わしの恵子議員
後期高齢者医療に関する条例の一部改正・・・保険料の値上げをやめなさい
保険料値上げに対する連合長の認識を問う
保険料の改定案(平均年額) | |
*一人当たり 79,962円→82,584円 | |
*均等割額 43,510円→45761円 | |
*所得割率 8.55%→ 9.00% |
【わしの議員】本件は、平成26年度および27年度の保険料を、均等割額は2,251円引き上げて45,761円に、所得割率は0.45ポイント引き上げて9%に改定するものです。これによって保険料は一人当たり平均で年額2,622円、3.28%の値上げとなります。
夫の年金収入260万円、妻は80万円以下の夫婦世帯では、夫婦合わせて年間9,300円もの値上げです。名古屋市では来年度も市民税5%減税が実施される予定ですが、この世帯の減税額は年間2,000円程度に過ぎません。減税分の4.7倍もの負担増がのしかかり、減税の恩恵は吹き飛んでしまいます。それだけではありません。
今高齢者のみなさんは、命綱である年金が昨年12月の受給額から1%も減らされ、さらに4月からの消費税増税に大きな不安を抱いています。しかも年金は26年度も1%、その翌年は0.5%と3年間で2.5%も減らされるのです。消費税についても4月の増税から27年、10月には10%へと再び引き上げられようとしています。連合長にお尋ねします。とりわけ年金生活者にとって生きにくい世の中ですが、今回の保険料値上げは、さらに後期高齢者に耐えがたい負担増を強いるものではありませんか。どのように認識しておられるのかお答えください。
本当は反対だが、しょうがない(連合長)
【連合長(河村市長)】こういうことやるのは、本当は反対なんですけど、総理大臣でないので何ともならないということです。その中では軽減措置・抑制措置を図りながらなんとか今の中での措置を図っている。やっていくよりしょうがない。
国へ要望をせよ
【わしの議員】これまでの保険料の改定にあたり、全国の広域連合の中には、保険料率を据え置いたところがあります。前回の24年度・25年度の改定にあたって、愛知県広域連合では国に対して保険料増加を抑制するよう要望をしたが、国からは、後期高齢者負担率の上昇分に対する補てんなど新たな抑制措置は示されなかったということでしたが、今回の改定にあたっては保険料を抑制するために、国に対してどのように財政措置を要望されたのですか。少なくとも後期高齢者負担率の上昇分ぐらいは補てんするなどの財政措置を今からでも要望すべきではありませんか。
全国後期高齢者医療広域連合協議会を通じ 機会あるごとに行う
【事務局長】平成25年6月と11月の2回、全国後期高齢者医療広域連合協議会を通じて、国による財政支援を拡充する旨の要望を行ないましたが、国からは新たな抑制措置が示されなかった。国に対する財政措置の要望は、今後とも協議会を通じ、機会あるごとに行なっていく。
県へ健康診査事業に対する補助の要望を
【わしの議員】広域連合は昨年7月、愛知県に対して「健康診査事業に対する財政支援」の要望を行いましたが、今回の保険料改定にあたって、愛知県はこの要望に応えてくれたのでしょうか。そうでなければ、今からでも再度、愛知県に対して健診事業への補助を要望すべきではありませんか。
平成25年7月26日に愛知県知事に要望した
【事務局長】平成25年7月26日に愛知県知事に対し、「健康診査事業への財政支援」をお願いする要望書を提出しました。
今回の保険料率の改定にあたっては、保険料の増加抑制策として、愛知県から財政安定化基金を交付していただくことになっており、間接的ではありますが、健康診査事業への財政支援の要望にも配慮されたものと考えております。
県の補助があったら保険料がいくら安くなるか
【わしの議員】県が健診事業に補助した場合、平成26年度および27年度の保険料額はいくら軽減されるのかお答えください。
ひとり・年間560円軽減される
【事務局長】仮に国と同額の補助を受けることとして試算いたしますと、1人当たり1年間で約560円が減額されるものと見込まれます。
国に対して後期高齢者制度をやめるように言え(再質問)
【わしの議員】連合長、耐え難き負担をしいる。わしも反対だといわれた。だけど総理でないからなんともならないと。しかし、広域連合は1つの自治体であり、国の悪政から県民・市民を守る防波堤の役割を果たさなくてはいけないと思う。国に対して後期高齢者制度をやめるように言うべきではないか。
減税に反対してそんなこと言われるのは、きわめて心外(連合長)
【連合長】私は消費税を上げるのも反対だし、こういうことのすべての原点に何があるかと言うと、歴史的な財政局の間違った経済理論でまことにけしからんが、しょうがない。総理大臣でないので。
減税に反対してますけど、市としてやれることとしてはたいへん大きな政策手段ですよ。もらっとらんと言う人がいるかもしれんけど、しょうがないでしょ、国が市民税を均一6%に変えた。その中でせめて、ちょっとでも、質素にやって、そのお金をお返しすると。それに反対してそういうこと言われると、きわめて心外です。
財政安定化基金の残高を保険料総額の3% とする根拠は(再質問)
【わしの議員】財政安定化基金の取り崩しについてですが、取り崩しても、まだ約27億円残しています。これは、前回の改定時にあたって、国が、3%までの医療費の増加には対応できるようにと、賦課総額の3%分を残すことが必要と全国の広域連合に通知をしていたことによると思われます。医療費について見込んだ伸びよりも3%伸びる場合に備えて、保険料の総額の3%分を取っておきなさいということですが、今回の保険料改定は、当然、今後、26年・27年度の2年間の医療費の増加を見込んでいると思います。その見込みよりも更に3%増加するかもしれないという根拠を示してください。
予算と決算との最も高い乖離率が2.6%から 従来通り%にした
【事務局長】保険料総額の3%とする根拠ですが、前回の保険料率の改定では、国通知において、基金残高を保険料総額の3%とする旨が示されましたが、今回の改定では、各都道府県の判断によるものとされ、このことを受けて、愛知県の平成20年度以降の医療給付費について、予算と決算との最も高い乖離率が2.6%であったことを踏まえて、愛知県において、従来通り保険料総額の3%を残す必要があると判断された。
約27億円の残高を取り崩して保険料を抑制を
【わしの議員】前回の保険料改定の際にも、保険料賦課総額の3%分約24億円、これは基金として残しました。しかし、医療費は見込み以上に増加しなかったことから、約24億円は、現在もそのまま残った訳です。さらに剰余金は、約32億円ですから、3%という数字は根拠がない数字と考えられます。ですから、財政安定化基金を更に取り崩せば、保険料の値上げをさらに抑制することができるはずです。
約27億円の残高を更に取り崩して保険料を抑制する考えはありませんか。
国の指示を受けて、最大限に保険料の 増加抑制を図っている
【事務局長】基金活用額を前回改定時以下とするよう国から指示があったので、前回改定時と同額の基金約94億円を活用し、最大限に保険料の増加抑制を図っている。