2014年2月議会
わしの恵子団長の代表質問④教育問題(2014年3月4日)
教育問題について
教育委員会制度改革案をどう思うか
【わしの議員】安倍政権がすすめる教育委員会制度改革案は、首長に、教育行政全体についての「大綱的な方針」を定める権限を与えるとともに、これまで教育委員会の権限とされてきた公立学校の設置や、教職員定数など、教育行政の中心的な内容を首長に与えるとしています。これでは教育委員会は、首長の下請け機関となり、首長がその気になればどこまでも政治介入できるということになり、最大の被害者は子どもたちとなるのではないかと危惧します。
教育委員長は、安倍政権の教育委員会制度改革案についてどのような見解をお持ちかお尋ねします。
情報を収集し、関連法案の動向を注視(教育委員長)
【教育委員長】教育委員会制度改革が実現すれば、これまで続いてきた教育委員会制度の大きな転機となるので、今後も情報の収集に努め、関連法案の動向を注視したい。
臨時教員の同一校での継続任用を
【わしの議員】具体的な問題です。本市では、非正規で働く教員、いわゆる臨時教員は毎年増え続け、約1万人の教員のうち、今年度は2500人を超えています。多くの方が臨時教員として10年から30年と長期に働いてきました。県の加配が常勤から非常勤に置き換えられたことや、女性教員の出産・育児休暇が延長されたこと、(それは喜ばしいことです)。さらに休職する正規教員の増加に伴い、補充の臨時教員が増えてきたのです。臨時教員には、常勤・非常勤の方がいて、さらに市費の講師・県費の講師というように多種多様となっています。
最大の問題は、正規教員と同じように教壇に立って授業をしながら、時間や期限によって雇用が打ち切られてしまうこと。それは、子どもたちにとっても教育の継続性が断ち切られるという点で大きな負担となっています。
産休・育休の臨時教員の継続任用が3年目まで認められるようになりましたが、担任と同じ仕事をしている本務欠員補充教員は、原則1年で雇用を打ち切られ、他の学校へ異動をしなければなりません。そのために子どもたちの成長を継続して見ることができないという実態となっています。
教育長にお尋ねします。臨時教員については、産休・育休だけでなく、本務欠員補充など、条件があれば1年限りの任用ではなく、長期的に教育活動ができるよう、同一校での継続任用を求めますが、お答えください。
教育上必要な場合には継続任用を認めている
【教育長】本務教員の欠員補充の期限付任用講師は、年度当初の児童・生徒数ならびに学級数を精査し、数を減らす努力をし、原則1年の任用期間としている。
年度をまたいで講師をあてなければならないことがある産休育休等の臨時的任用講師は、教育上必要な場合には継続任用を認めている。
常勤講師も社会保険の継続を
【わしの議員】常勤の臨時教員については社会保険未継続の問題があります。次年度も任用が予定されているのに、わざわざ年度末に空白を設けて、健康保険や厚生年金の脱退手続きをし、国保や国民年金に切り替えさせ、3月分の保険料を負担させます。年金額にも当然不利益が生じます。そして、4月以降の再任用では社会保険に再加入します。そのため、「4月になってから手続きをしなければならない」「健康保険証が交付されるまでは無保険になる」などの声が上がっていました。その不合理さを国会で取り上げた日本共産党の参院議員に対して、厚労省は、「使用が継続していると認められた場合は、被保険者資格は継続するものとして取り扱うことが妥当」と認めました。
静岡県や和歌山県では厚労省の答弁を受けて、「空白期間を含め、継続して社会保険に加入する方向で調整する」「改善に向けて給与小委員会で検討する」などという動きがあります。本市でも常勤の県費の方、高校では市費の講師がおられると思いますが、どちらの常勤講師についても、社会保険の継続をすべきと考えますがお答えください。
市費の常勤講師は継続する方向で調整中
【教育長】常勤講師の社会保険は、1日でもあいたら、いったん資格喪失、再度、資格取得の手続きを行ってきた。国の通知で、事実上の使用関係が存続していると判断される場合は、被保険者資格を喪失させることなく取り扱うこととされている。
高等学校・幼稚園の市費常勤講師は、被保険者資格を継続する方向で調整中です。県費常勤講師は、愛知県が判断する事項です。
常勤講師の社会保険継続はただちに実施を(意見)
【わしの議員】常勤講師の社会保険については、市費の高校教師・幼稚園教諭については、任用継続にあたり、社会保険の継続も前向きに検討すると答弁されたので、直ちに実行を求めます。
県費の方については、愛知県が判断すると。しかし、25年度の臨時教員2558人のなかで県費の常勤講師は、1368人と半数以上を占めています。その方たちの任用について、年度末の1日だけ空白にして、国保・国民年金を自己負担させる。今のままでは県がブラック企業と同じといわざるを得ません。本市の子どもたちを教育する先生が、こんな待遇でいいのかと、私は大変痛みを感じます。全国でも、空白期間を含め、継続して社会保険に加入する方向です。
愛知県の豊かな財政力を、次代を担う子どもたちの教育のために活用することこそ必要だと思います。今後とも県に実行を求めて頂くよう強く求めます。
30人学級の拡充を
【わしの議員】臨時教員だけでなく、正規の教員もどんどん負担が増え、過労死ラインと呼ばれる時間外勤務などで、「子どもたちに寄り添った教育がしたい」と願っても、現実はなかなか厳しいという声をお聞きします。今こそ、学校現場にゆとりを持たせることが急務です。そのためにも正規の教員を増やすべきです。
県の定数問題があることは承知していますが、小学3年生以上への30人学級の拡充、中学全ての学年で35人学級を求めます。名古屋市では独自に小学1・2年生の30人学級を実施されて大きな成果が表れていることは明らかです。ぜひ拡充を求めます。教育長の見解を求めます。
国への定数改善の要望を継続する
【教育長】小学校3年生以上、中学校2年生以上は、実情に応じ、少人数指導やティームティーチングを組み合わせ、一定の成果をあげている。
少人数学級の拡充は、教員数の確保や教室不足等、課題があり、今後も、国への定数改善の要望を継続するとともに、現在の取り組みを充実したい。
キーワード:子どもと教育