2014年6月定例会
山口清明議員の反対討論(市税条例改正案)(2014年7月7日)
2014年6月議会 採決にあたっての討論(山口清明)
第75号議案 名古屋市税条例改正案について
ただいま議題となっております「名古屋市市税条例等の一部改正について」反対の立場から討論します。
法人市民税一部国税化で112億円減収
この改正案止、消費税増税を柱とする国の税制改正を受け提出されたものではありますが、しかたない、と済ますわけにはいきません。
反対理由の第一は、法人市民税の税率変更により本市の自主財源を112億円も国に奪われ、自治体財政の国への従属を強めることになるからです。
国による法人市民税の一部国税化・交付税財源化は、地方消費税の拡大により増大する自治体間の格差是正を名目に、地方税の一部を新たな国税として吸い上げ、交付税として再配分するものです。地方財政を消費税頼みにし、国への依存を深めます。この結果、法人市民税が2.6%引き下げられ、本市では平年ベースで年間112億円もの自主財源が国に吸い上げられます。
指定都市市長会は、「・‥地方公共団体の財政力格差の是正は、国と地方間の財源配分を是正し、地方税財源を拡充していく中で行われるべき(であり)誠に遺憾」と会長談話を出しました。本市も「地方税財源の充実確保」を強く要望しています。国の姿勢について、先日の財政福祉委員会では政権与党会派の委員からも厳しい意見があがりました。地方の声に国は真撃に耳を傾けるべきです。
軽自動車税で9億円の増税
反対理由の第二は、軽自動車税の税率変更が庶民増税に他ならないからです。
名古屋市内の軽4輪は約23万台です。軽自動車は庶民の足です。環境にも比較的負荷が少なく、生活や営業に欠かせない存在です。この軽自動車税を1・5倍に引き上げるのです。二輪を含む軽自動車全ての更新では9億円の負担増です。
しかし本市の財政にとっては車体課税改革のうち自動車取得税の全廃で26億円もの減収が大きく響き、この軽自動車税の引き上げでもカバーできません。
大型車に軽く小型車に重い税制への変更は、庶民増税そのものです。
市長の国いいなりの姿勢には問題あり
反対理由の第三は、この条例改正案の提出にあたり、市長の国に対する批判的立場が全く見られないことです。
全国一律の国税化では、市長がこだわる市民税減税も効果が薄まり市内の法人には6億円の増税です。しかし河村市長は、国への独自の働きかけもせず、増税を回避しようともしない。公用車は軽でいい、と息巻いていた市長が、軽自動車の増税も国の言うまま、税率も本市独自で決められるのに検討すらしない。市長はもはや、減税へのこだわりも国にモノを言う気概もなくしたようです。
地方の意思を議会が示そう
地方分権に逆行し、本市の財政を苦しめ、市民にも増税となる条例改正が、減税が旗印の市長から何の躊躇もなく提出されたのです。市長が国に対し何の抵抗も抗議もしないのなら、議会としてこの条例案を否決し、地方自治体の意思をはっきり示そうではありませんか。みなさんに賛同を呼びかけ討論を終わります。
キーワード:税、地方自治体と住民参加、山口清明