後期高齢者議会(2014年8月19日)③決算定案への討論 わしの恵子議員
「特別会計決算認定案」にたいする反対討論
保険料値上げ・負担増を押し付け、年金を差し押さえるような制度はやめよ わしの恵子議員
大幅な保険料値上げで高齢者を苦しめている
【わしの議員】平成25年度特別会計決算に対して反対の立場から討論を行います。
反対する理由は、平成24年4月から値上げされた保険料に基づく決算となっているとともに、後期高齢者医療制度の廃止が先送りされ続けているからです。
75歳以上の高齢者すべてから保険料を徴収し、保険料負担額は制度発足の平成20年度は、愛知県の1人当たりの年額平均保険料は76,388円でしたが、2年ごとの保険料改定により、平成24年度・25年度は前期と比べて4,439円もの大幅値上げが行われ年額79,930円になりました。さらに今年度からは年額82,584円と2,654円の値上げがされました。平成22年からの改定以来、全国47都道府県のなかで4番目に高い県となってしまいました。
このように、後期高齢者医療制度は、75才以上の人(愛知県は約78万人)だけを切り離して別勘定にし、医療費が増えれば増えるほど負担が増える痛みを高齢者に自覚させるところに根本的な問題があります。
さらに、この4月からは消費税の増税により物価の大幅値上げと社会保障の一体改悪で年金は下がり続け、この3年間で2.5%も下げられます。介護保険料も3年毎の見直しによる値上げが行われています。高齢者にとっては幾重にも負担増が強いられる結果となり、大きな不安のなかで暮らしておられます。
年金を差し押さえるほど冷酷な制度
年齢で高齢者を分断し、差別するという根本的なこの制度の問題が解決されず、25年度の決算を見ても、短期保険証の発行数と未渡し件数、財産差し押さえ件数も相変わらず多くあります。ところが先ほどの答弁では、「年金の差し押さえについても、適切な対応がなされていると考えている」と。この問題は、懲罰的な方法では解決しません。
保険証の未交付を減らすには、対面して納付相談に応じることが一番近道だと思います。さらには、被保険者の皆さんに安心して医療を受けて頂くためには全ての方に保険証を渡すというのは当たり前のことです。そもそも保険証を年に一度届ければ、保険証の未渡しという事態は生まれません。ですから資格証明書はもちろん、短期保険証も原則として交付しないという立場に立つべきであると申し上げます。
低所得者への減免があまりに不十分
また、医療費の一部負担金の減免を低所得の方に適用することについても、「検討していないと」という全くつれない答弁でした。22年度から改正したと言われますが、だれも使えないような制度では、改正の名に値しません。
医療費の一部負担金の減免は特殊な場合だけではなく、社会保障のセーフティネットとして拡大する必要があると思います。
今の制度のままでは、後期高齢者はもとより、これから高齢期を迎える現役世代にとっても老後の不安が募るばかりではないでしょうか。
後期高齢者医療制度は直ちに廃止を
国の社会保障制度改革国民会議は、後期高齢者医療制度については、創設から既に5年以上が経過し現在では十分定着しているといいますが、高齢者の苦しみ、怒りの声を全く聞こうとしてこなかったことが大問題だと考えます。後期高齢者医療制度は直ちに廃止し、国民を年齢で差別する仕組みの根をきっぱりと絶つことであります。
弱い立場にある高齢者の命と健康を守ることにふさわしくない連合長だ
最後に連合長は答弁の中で、「庶民派ではない」と言われた。これでは、後期高齢者広域連合長として、弱い立場にある高齢者の命と健康を守ることはふさわしくないのではないかと意見を述べさせていただきます。
以上の点から、制度の存続を前提に執行された決算は認めることが出来ないということを申し上げて、討論を終わります。