2014年9月議会

田口一登議員の個人質問①総合計画2018(2014年9月19日)

総合計画2018の策定について 
           名古屋市会議員 田口かずと

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市内のどこに住んでいても、安心して快適に暮らせるまちづくりこそtaguti
【田口議員】総合計画は、「長期的展望に立ったまちづくり」の重点戦略の3に、「国際的な都市間競争を勝ち抜く、大きく強い名古屋をつくる」を掲げています。これは、リニア中央新幹線の開業を前提に、「世界に冠たるスーパーターミナル・ナゴヤ」をめざして、名古屋駅周辺の大規模な開発を進めようというものです。
 リニア関連の開発には巨額の税金を投入する道を開く一方で、福祉は、「助け合い」という美名のもとに、自立・自助を強いる方向性が、重点戦略の1から透けて見えます。しかも、河村市長は、1000メートルタワーなど、総合計画にも掲げられていない見かけの派手さだけを追い求める巨大箱物まで、一人思いめぐらしておられます。
 しかし、いま名古屋では、私が昨年11月定例会の議案外質問で取り上げたように、高齢者などが買い物に不自由する買い物困難地域が増えています。また、老朽化が進んでニーズに合わなくなり、子育て世帯から敬遠されている市営住宅も少なくありません。
 十数年先の名古屋が、名古屋駅前には超高層ビルが林立し、高速道路のインターもでき、活気にあふれる一方で、高齢者が買い物にも困り、市営住宅など市の施設は廃れてみすぼらしい姿をさらす――こんないびつな名古屋のまちづくりでいいのでしょうか。市内のどこに住んでいても、安心して快適に暮らせるまちづくりこそめざすべきではありませんか。市長の答弁を求めます。

 1000mタワーも色々考えれば儲かることはでき、福祉にまた影響してくることで、どえりゃあええこと(市長)
【河村市長】福祉や教育は、非常に重要な分野ですが、同時に産業というか、金儲けというか、稼ぐ、経済学的に言うと総生産。国民総生産をまずつくって、それが分配されて所得になって、それが商品になるというのが基本中の基本。とにかく、都市の力を絶対落とさんように、特に産業の力を絶対落としちゃいかんということが、それが福祉を充実させるための非常に重要なエッセンスになるという考えです。
 1000mタワーもちゃんと何処に造るかとか考えれば、儲かることはできる。それが福祉に影響してくることで、どえりゃあええことじゃないですかね。そう思います。

  総合計画に掲げるキャッチコピーや構想だけでは物足りないのか(再質問)
【田口議員】産業を興す、発展させることは大事です。しかし名古屋を見れば商店街はすたれたり、中小企業が事業を閉めるところも増えている。名古屋駅前だけが高層ビルなどで活性化しても、ほかが廃れてはいけないということを言っている。市長は、先の本会議の提案理由説明の中で、世界中の人を惹きつける「世界に冠たるナゴヤ」と言われました。しかし、総合計画の中に「世界に冠たるナゴヤ」というキャッチコピーはありません。重点戦略3の中にある文言は、「世界に冠たるスーパーターミナル・ナゴヤ」です。市長は、「スーパーターミナル」という言葉をわざわざ外しておられます。
 そして、市長が構想されている1000メートルタワーも、熱田神宮と伊勢神宮をSLでつなぐ構想も、総合計画にはありません。名古屋城天守閣については、総合計画では「整備に関する検討調査等」とされていて、木造復元という文言はありません。
 市長、あなたは、「国際的な都市間競争を勝ち抜く、大きく強い名古屋をつくる」という重点戦略を推し進めるためには、総合計画に掲げるキャッチコピーや構想だけでは物足りないというお考えですか。お答えください。

 基礎的な市民サービスを中心に、あの時点で描けるものを提案(市長)
【河村市長】総合計画は、どっちかというと基礎的な市民サービスを、あの時点で確定的にいえるものについて提案した。
 中村区での集会でも、「もっと夢があるのを書いてくれ」という話もありましたけど、それらについては、これから議論を経て議会の承認を得ながらやってかなかん。あの時点において基礎的な市民サービスを中心に描けるものをご審議お願いしとる。

リニア関連開発や巨大箱物構想よりも、市民の暮らし・福祉・子育て優先の総合計画への転換を(意見)
【田口議員】総合計画は基本構想に基づく中長期的計画、中期ですよね、5年ですから。さらに長期的な街づくりの展望にもたったうえで中期的な5年間の計画を出されているわけですよ。だから、その中に、やはり市長の思いがあるんだったらきちんと反映されてなければならない。
 市長は、先の本会議の提案説明で、1000メートルタワーなどの構想を実現するために、市職員にたいして、強い精神を持って取り組む必要があると求めておられました。今議会に総合計画を提案する端から、総合計画に掲げていない構想の実現を市職員に求めるというのでは、職員は混乱するでしょう。市の事務を執行し管理する市長として、これではいかがかと思います。
 リニア開業を口実に、名古屋駅周辺の大開発にとどまらず、巨大箱物づくりに莫大な税金が投入されるようなことがあってはなりません。
 私たち共産党市議団が実施した市政アンケートでは、アンケート用紙を各戸に配布したところ、4700通を超える回答が寄せられましたが、「くらしが以前と比べて苦しくなった」と答えた方が76%にのぼっています。行政の責任者である市長が、毎日、朝から晩まで考えるべきことは、苦しくなっている市民の暮らしのことではないでしょうか。リニア関連開発よりも、ましてや巨大箱物構想よりも、市民の暮らし・福祉・子育て優先の総合計画へと転換することを求めて、質問を終わります。

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