2014年9月議会
山口清明議員の総合計画2018に対する反対討論(2014年10月1日)
【山口議員】日本共産党名古屋市会議員団を代表して、第109号議案「名古屋市総合計画2018」の策定について、反対の立場から討論します。
「国際的な都市間競争」は市民にとっての課題ではない
反対理由の第一は、「国際的な都市間競争を勝ち抜く、大きく強い名古屋」をつくることが、事実上、市政の最優先課題とされていることです。
リニア中央新幹線の開業が計画の大前提とされていますが、膨大なエネルギー消費、環境への負荷、安全性への懸念、巨額の建設費など、問題は山積しており、中止を含め再検討すべきです。
市営住宅や学校より高層ビル建設をあとおし
リニア頼みの計画は、まちづくりをも歪めます。「名古屋駅周辺まちづくり構想」が動き出す前から、名駅前では高層ビルの建設ラッシュです。その一方で、市営住宅や学校施設の建設など、生活密着型の公共事業は入札もままなりません。全国的には東京への一極集中、名古屋では駅前への一極集中が続けば、身近な建設現場では人手不足が深刻となり、まちづくりへの影響も避けられません。
職員に市長の夢物語のために働けとハッパ
しかも河村市長は「見かけの派手」な「思いつきの箱物行政」ばかりに夢中で、職員にも、市民生活を支える地道な努力より、市長の夢物語のために働けとハッパをかける。これでは、災害に強く安全に暮らせるまち、子育て世代に選ばれるまち、誰もがいきいきと過ごせるまち、といった分野は、事実上後景に追いやられてしまいます。
くらしと福祉に冷たい計画
反対理由の第二は、この計画には、市民の負担軽減策が一つも盛り込まれておらず、くらしと福祉に冷たいものになっているからです。
前回は市民の負担軽減を盛り込んだのに
前の総合計画である中期戦略ビジョンの下では、国民健康保険の均等割3%軽減、子どもの医療費助成の中学卒業までの拡大、任意予防接種費用の助成など、評価が分かれる市民税減税は別にしても、負担軽減策がいくつか行われてきました。
医療や介護の負担にくわえ、消費税増税と円安による物価高で、市民のくらしが苦しい
いま、医療や介護の負担がのしかかり、さらに消費税増税と円安による物価高で、市民のくらしが苦しくなっているのに、負担軽減策が皆無の計画は問題です。
高齢者を支える切り札のように言われる地域包括ケアですが、総合計画では、地域住民による互いの助け合いの施策として位置づけました。いま国は、病院からの患者の追い出しを強め、重度のケアが必要な高齢者まで地域に放り出そうとしています。このままでは地域包括ケアは家族と地域住民に新たな負担を押しつけるものになりかねません。助け合いの美名で公的責任をあいまいにしてはいけません。
福祉日本一の名古屋をつくる計画に
市民が、重い負担にあえぐことなく、住み慣れたまちで、充実したサービスも受けながら生き生きと暮らす、そんな福祉日本一の名古屋をつくることこそ、総合計画の柱に据えるべきです。
以上、反対の理由を申し上げて、討論を終わります。
キーワード:福祉・介護・医療、環境と防災、まちづくり、大型開発・ムダ遣い見直し、山口清明