名港議会 一般質問① 23号線通行ルール(2014年11月7日)
名古屋港及び近隣地域の環境問題について
名古屋南部大気汚染公害訴訟の判決等を踏まえた環境改善に対する責任は
【山口議員】名古屋港をふくむ名古屋南部地域は鉄鋼、金属、化学を中心とする工業地帯が広がっています。この地域を貫く国道23号は、その多くがこの地域に関連した交通で、交通量が一日に10万台を超える箇所や大型車混入率が5割を超える所もあり、他の道路沿道に比べ大気汚染物資の濃度や騒音が高くなっています。
この地域でぜんそく等の公害病に苦しむ患者が国と立地企業11社を相手に起こした名古屋南部大気汚染公害訴訟(名古屋あおぞら青空裁判)は、2000年に名古屋地裁で、被告企業と道路を管理する国の責任を認め、公害道路に歯止めをかける内容の原告勝訴判決が出されました。判決では、国道23号線についてSPM(浮遊粒子状物質)が一定量を超えた場合に差し止め請求権も認めました。その後2001年に問題の早期解決をはかるために和解が成立しました。
その和解に基づき、名古屋南部地域道路沿道環境改善に関する連絡会の場で、国道23号沿道環境改善に関する施策について原告団と国が意見交換を続けてきましたが、沿道環境の改善を進めるために新たな「国道23号通行ルール」が今年9月から実施され、いま周知のための案内板等の設置が始まっています。
「国道23号通行ルール(名古屋南部地域)」とは、国道23号の名古屋市緑区大高町地内から愛知県海部郡飛島村地内までの区間(約16km)を通行する車両に「法規制の遵守」に加え、「沿道環境に配慮した走行のお願い」として、歩道寄り車線(歩道側に最も近い車線)を沿道環境に配慮する「環境レーン」と位置付けて、大型車には夜間だけでなく終日、中央寄りレーンを走行するように協力を求める、という沿道の環境改善を推進する取り組みです。
実施主体は、国土交通省及び関係機関(環境省、愛知県、名古屋市、愛知県警及び愛知県トラック協会)となっており、名古屋港管理組合は直接の実施主体とはなっていません。
しかしながら名古屋港管理組合にも、公害の加害責任が裁判で認定された企業の立地を進めてきたこと及び国道23号を利用する大型車の多くが名古屋港関連の車両であること等を踏まえれば、この地域の環境改善に対して大きな責任があると考えます。そこで質問します。
名古屋南部公害訴訟の判決と和解を踏まえて、名古屋港管理組合が果たすべきこの地域の環境改善に対する責任をどう考えていますか。
連絡会からの情報交換の会議に参画し、国、県、市等の施策に協力
【企画調整室長】港湾管理者として、環境の保全に配慮し、渋滞緩和に向けた道路改良や緑地整備に努めるなど、秩序ある整備と適正な運営を図っている。また、公害訴訟の和解に基づく連絡会からの情報交換を行う会議にも参画するなど、大気汚染の監視や規制を行っている国、愛知県、名古屋市等の施策に協力しています。
「国道23号通行ルール」の積極的な働きかけを
【山口議員】沿道環境の改善を進めるための「国道23号通行ルール」ですが、23号を走っていてもまだまだルールの徹底には程遠いのが現状です。
そこで、名古屋港管理組合としても独自に、コンテナヤードを通過するドライバーへの働きかけや臨港地区の立地企業、行政財産を貸付けている企業などへのルール徹底キャンペーンなど、積極的な働きかけを行うべきではありませんか。
中部地整の広報活動に協力。ホームページに掲載、関係団体や企業へポスタ-やチラシを配布
【企画調整室長】国土交通省中部地方整備局の広報活動に積極的に協力し、ホームページへの掲載、コンテナターミナル及び港湾労働者福祉センター等の施設や港湾関係団体、港地区の立地企業へポスターやチラシの配布を行っています。
また、一般のドライバーの方にも浸透するように、名古屋港水族館等や、臨港地区内のコンビニエンスストア等の民間商業施設においても、周知を図っています。
23号線通行ルール徹底の先頭に立て(再質問)
【山口議員】名古屋港管理組合の存在抜きには公害発生企業のこの地域への集中立地はなかったのです。その責任を十分に自覚して取り組みを強化していただきたい。残念ながら新たな通行ルールはまだまだ徹底していません。そこで管理者に質問というか、お願いです。
管理者は、公害で苦しんできたぜんそく患者への理解がおありと聞いています。そのあなたにぜひともこの通行ルール徹底キャンペーンの先頭に立っていただけませんか。あなたが道路に立って大型車は内側へと旗を振って車を誘導したらインパクトがあると思いますよ。環境改善の先頭に立ってください。いかがですか。
ひと月に1回くらいは話に行くべき。キャンペーンは機会があれば立つ(管理者 河村市長)
【管理者】23号の通行ルールですけど、今の答弁は、いろんな国交省の施策に協力するというようなことでした。協力はいいんだけど、何となく役人答弁ですわな、これほんとに。
とりあえず関連会社、運送会社、それから事業者の皆さんのとこへ、ちゃんと月に一遍ぐらいチラシを配ってるのかどうかです。チラシは配ったと言ってますけど、大抵ぽんと置いて、1年で一遍でしまいじゃないかと、こういうふうに思うんですわ。
こういうことが一つのチャンスになって、やっぱお客さんところに顔出すのが一番の精神だでね。だから、一遍全部、毎月一回ぐらいはちゃんとビラ持って、こういうふうにルールが変わったから道路の真ん中を走ってちょうよっていうふうにはやってちょう、これぜひ。
そういうのを一つのチャンスとして受けとり、顔出さなかんです。
それから、もう一つの道路での旗振りでございますけど、もしよかったら喜んでやらさせていただきますんで、どうぞ副管なりで調整してちょうだい。
管理者を先頭に市や県とも連携してしっかりやれ(要望)
【山口議員】管理者から積極的な答弁をいただきました。名古屋港のイメージアップのためにも、管理者を先頭に市や県とも連携してしっかりやってください。
キーワード:環境と防災、まちづくり、山口清明