2014年11月定例会
わしの恵子議員の議案外質問 ① 人事委員会の勧告実施を(2014年11月28日)
市職員の給与に関する人事委員会勧告に対する市長の認識について
名古屋市会議員 わしの恵子
人勧の拒否は労働基本権そのもの の否定ではないか
【わしの議員】名古屋市人事委員会は9月5日、市職員の月例給0.27%、一時金0.15月という引き上げ勧告を行いました。給与で15年ぶり、ボーナスでは7年ぶりのプラス勧告でした。ところが、河村市長は、市人事委員会の勧告を拒否し、給与改定が実施されない状況です。
人事委員会が市長との面談のなかで要望されたことは、「地方公務員は、憲法で保障された労働基本権が制約されているなかで、人事委員会の勧告制度は、労働基本権の代償措置というべきものであり、給与の引き上げを実施しないのは、職員の士気に重大な影響を与え、公務の運営に暗影を投ずることになるのではと、深い危惧と憂慮の念を禁じ得ない」というものです。
そこで、市長に伺います。市長が人事委員会の勧告を拒否し、市職員の給与を引き上げないならば、市長は労働基本権そのものを否定することになると思いますが、市長の認識についてお聞きします。
民間並みといっても大企業・優良企業並み。庶民の気持ちで(市長)
【河村市長】格差社会が大きく広がっており、特に子供の貧困とかのなか、公務員たる者パブリックサーバントとして、先に憂いて後で楽しむという精神を今こそ持つべきではないか、605万円が給与の真ん中になり、それより下の庶民公務員のみなさんには人勧の年間7万円、月1,000円を完全適用する。それより上の方は辛抱して頂くという精神で、高い人たちをパッと上げるのはいかがなものかと認識しております。
人勧は「民間並み」と言っていますが、大企業・優良企業並みと言ってもいいんですよ。税金を払う庶民の人達の心を今こそ大事にすべきでないか、我慢するところはちょっと我慢すべきでないか。人勧は庶民公務員には100%適用するということで尊重しております。
職員を分断する横暴。外郭団体・社会福祉法人や民間企業給与にも影響する(再質問)
【わしの議員】市長は、人勧の調査が50人以上だから優良企業であると言われました。そして605万円以下の職員は上げるが、それ以上の職員は上げない、こう言いましたけど、そういうやり方は、市職員を分断するものになると思います。
河村市長は、就任して以来、職員の給与、減らし続けてきました。そんな中で、今回やっと引き上げがされるかと、職員の方も大きく期待を膨らませたと思います。それさえも実施しないのならば職員の士気にも大きく影響すると思います。
外郭団体や社会福祉法人、民間企業等で名古屋市の給与に準じて給与を決めているところも多いと思います。市長が給与改定を実施しないことになれば、民間企業等の従業員の給与も上がらないと思いますが、市長の考えをお聞きします。
公務員の給与を上げても貧困は拡大。 公務員がまず我慢・辛抱を(市長)
【河村市長】公務員の給与を上げてそれに準ずる格好で民間の給与が全部上がるという世の中があれば一番いいですよ。しかし現実は全くちがっとってですね。貧困の拡大やら庶民の納税者の苦しみ、更に拡大してますよ、特に子どもの貧困。こういう時には人勧も若年層に配慮すべしという意見いっとる。そういうことで605万より下の方や子育て世代を中心として応援しようと。国も消費税、伸ばしたじゃないですか、GDPがさがっとると。
こういう時は我慢すべきだ、辛抱すべきだと、それが公務員のあるべき姿だと思いますよ。
公務員と民間を対立させるだけ。格差を なくすよう力を尽くすべき(再々質問)
【わしの議員】お答えをいただきましたけど、同じ繰り返しですよね。私は本当に、その考えを改めていただきたいと思います。市長が言うように大企業と中小企業の格差が広がっていることとか、パートやアルバイトなど非正規で働く人たちがどんどん増えて格差がひろっている。これをたださなければならないと思っています。しかし市長のやり方は、公務員と民間企業で働いている人を対立させる、それでは何の解決にもならないと思います。
市長が今の世の中が格差が広がっているという認識ならば、そういう格差をなくすように自治体の長として力を尽くす、そういう方向に転換すべきだと思います。そこにメスを入れようとせず公務員をバッシングする、これは何の解決にもならないと思います。市長には、今回の人事委員会の勧告を踏まえ、給与改定を実施することを再考するよう強く求めます。
市長は24000人を代表するトップです。民間企業に置き換えるなら社長です。24,000人の働く人を抱える市長ですから、ほんとに働く人たちを大事にして特に公務労働ですから、職員の働き方は名古屋の市民の命やくらし、福祉など、いろんなところに関わります。だからこそ職員を大切にするためにも、今回のささやかな人勧のそれは尊重していただきたい。本当に強く重ねて要望し、答弁をいただきたいと思います。
人勧の精神は尊重する。「若年層に配慮すべし」と書いてあるし(市長)
【河村市長】人勧の精神、尊重しており、庶民公務員には100%適用する。人勧の中の意見で「若年層に配慮すべし」と書いてある。税金を払う庶民の苦しみが最大に広がっとるときにね、政府だってそういう主旨で消費税伸ばしたんでしょこれ、と思います。
キーワード:税、地方自治体と住民参加