2015年2月定例会

岡田ゆき子議員の議案質疑 (経済対策) 2015年2月19日

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  平成26年度2月定例会 補正予算案 議案質疑           岡田 ゆき子

子育て支援についてokada

待機児対策数1900人は「国の待機児童」の定義なのか
【岡田ゆき子議員】「賃貸方式による民間保育所の設置はじめ子育て支援に係る3事業」についてです。名古屋市は「平成26年4月時点で保育所等に入所できていない児童が756人いることを念頭に、今後入所希望者の増加も見込んで、「平成28年4月の待機児童ゼロをめざし、1,900人の入所受け入れ枠を拡大する」としています。そこで、こども青少年局長に2点お聞きします。
 1点目は、今回の待機児童対策数の根拠についてです。
 昨年2月の補正予算の際にも待機児童対策数の根拠をお聞きしましたが、その際、家庭的保育室に入所中や、育児休業中、一時保育を利用している場合、また特定の保育所を希望しているという場合、いわゆる「国の待機児童」の定義に当てはまらない児童は、対策数から除いていると答弁されていました。今回、目標としている「平成28年4月の待機児童ゼロ」に向けての対策数1,0900人は、国が待機児童から除くとする数を含めているのかどうか、子ども青少年局長にお聞きします。

taikijiまずは国定義上の待機児童ゼロに取り組む
【子ども青少年局長】子ども・子育て支援事業計画では平成27年度からの3か年で、保育の潜在的ニーズを含めた必要量を確保することとなっており、3か年で3歳未満児3,163人分の供給量が必要とし、国定義では除外される児童数も含めた確保数を目指している。 平成28年4月に向けた対策数は、3か年の供給量の約3分の1を上回る、3歳未満児1,090人分、全体では1,900人分の確保を予定しています。
 国定義で除外される児童数も含めた総量を確保していきますが、総量を確保しても、特定の1か所のみ希望される方が半数程度の状況を踏まえますと、全ての児童に希望の保育所等へ入所いただくのは容易ではない。
 全区に配置されている保育案内人などが、きめ細やかな対応を行い、入所枠を最大限に活用し、まずは国定義上の待機児童ゼロに取り組みますが、希望される児童がより多く入所していただけるよう、保護者のニーズに寄り添い支援をします。 

施設型認可保育所の整備を増やすべきではないか
【岡田ゆき子議員】2点目は、保護者のニーズに沿った整備を進めていくのかについてです。厚生労働省は、4月から施行する「子ども子育て支援新制度」に合わせ、「待機児童の定義」を新たに示しました。
 今までも、国の待機児童数には家庭的保育室などを利用している数は除いていますが、新たな定義では、さらに待機児童から除く児童を増やしています。たとえば、民間企業などが実施する事業所内保育を保育事業として一般に解放する場合や国の補助を受けている認可外保育施設、さらに文科省の私学助成を受ける幼稚園が一時預かり事業などを行っている場合にまで、これらの施設を利用していれば、保育所の入所申し込みしていても、国は待機児童から外すというものです。
これらは、従来の認可保育所に比べて、保育士割合が低い、園庭が狭い、給食が提供されていないなど、設置・運営基準が低くされているものも含まれます。様々な受け皿をつくり、子どもを預かっていれば、待機児童に数えない。国はまさに、待機児童数を見かけ上減らすために、定義変更をしたと言わざるを得ません。
 名古屋市は、保育が必要な家庭の実態や要望に沿って、待機児童対策を進めていかなくてはいけません。一昨年の、子育て家庭へのニーズ調査でも、保護者が一番希望する保育施設は、従来の認可保育所だという結果でした。それに照らしても、就学までを見通した施設型認可保育所の整備を増やしていくべきだと考えますが、こども青少年局長の認識をお聞きします。 

多様な手法で効果的な待機児童対策を進めたい
【子ども青少年局長】認可保育所等の整備は、今回の2月補正予算で民間保育所・認定こども園の新設18か所をはじめ、既存民間保育所の増築、民間保育所分園の新設、小規模保育事業所の新設などに係る整備費を計上し、1,900人分の入所枠を確保する。このうち、民間保育所・認定こども園の新設、増築、本園と一体的運営を行う分国等の施設整備が、対策数全体の約8割を占め、認可保育所等を中心とした整備を予定している。
 保育所等の新設を中心としながら、既存施設の活用も含めて、多様な手法により、地域のニーズとマッチングを図りながら効果的な待機児童対策を進めたい。

名古屋市は、従来の認可保育所を基本に据えてしっかり整備していくべきだ(意見)
【岡田ゆき子議員】子育て支援について、答弁いただきました。
 スピード感のある待機児童対策が必要だとして進めてきたわけですが、結局、従来型の認可保育所ではないパターンの保育事業が、これだけ様々たくさんできてしまい、私は子どもを預けようという親たちが一番困ったんだと思うんです。いろいろなパターンの保育をつくっても、やっぱり保護者の願う保育っていうのは、ちゃんと保育士さんが保育してくれて、就学まで見通しもって見てくれる従来型の認可保育所なわけです。
 今回の補正予算にある待機児童対策数は、国の待機児童の定義ガラ除外される児童数も含めて、1900人にしたということでした。従来の考え方から変更したということですから、名古屋市は国の定義に左右されることなく、入所できない児童をつくらないという認識に立っていただきと思います。
 また、答弁では、対策数の8割は従来の認可保育所などを中心とした整備だということでした。4月からの新制度の中の地域型保育事業は、保育士の割合が少なくても、認可していくということですが、名古屋市は、運営・設置基準とも従来の認可保育所を基本に据えてしっかり整備していくべきだと指摘したいしておきます。

 国の経済対策について

地域住民生活等緊急支援として、なぜプレミアム商品券を選んだのか
【岡田ゆき子議員】次に地域住民生活等緊急支援のための交付金についてです。この交付金は、「消費活動が低迷している地域に」、消費喚起・生活支援やしごとつくりなどを目的に臨時的に充てるというものです。
 安倍政権がすすめるアベノミクスが作り出した円安による物価高や、消費税8%への増税、年金や生活保護費の連続引き下げによって、所得の低い人ほど経済的打撃が大きいという事態を作り出しています。また、労働者の収入は18か月連続下がり続け、総務省の家計調査では、昨年3月の消費税増税前の駆け込み消費が一時伸びた以降、昨年12月の速報値に至っても、家計消費は連続前年度を下回るという結果です。消費税増税が、消費を低迷させている大きな要因であることは明らかです。
そのうえで、交付金の目的を踏まえれば、増税などの影響が大きい低所得者や中小企業などへ支援するために、有効的に活用する必要があると考えます。 
 市民経済局長に、2点お聞きします。
 一点目、「プレミアム付商品券」についてです。補正予算では、消費喚起・生活支援事業として「プレミアム付商品券」が提案されました。国の参考事例には、低所得者向けの灯油購入助成や、低所得者向け商品サービス券、経済的負担も多い子育て世代や介護世代向けの商品券等が例に挙げられていましたが、なぜ「プレミアム付商品券」を選択したのですか。

国は低所得者向け事業よりプレミアム付商品券事業を推奨
【市民経済局長】国において消費喚起効果の高いプレミアム付商品券発行事業等を主として行うことが推奨されており、低所得者向けの事業はこれが困難な場合に行うことになっており、この趣旨を踏まえプレミアム付商品券発行事業を実施することとした。

消費喚起になるのか、経済効果がわからない(意見)
【岡田ゆき子議員】地域住民生活等緊急支援について、答弁では、国が推奨するという理由で「プレミアム商品券」を選んだということですが、新聞等では、消費者の中には「値段が高くてもよいものを求める「品質志向」と無駄づかいをしない「節約志向」があると、結局「節約のために、プレミア分は貯蓄に回す」ということにもなるんではないのという指摘もあるわけです。
本当に消費喚起になるものなのか、実施後の経済効果がどうかかわかりません。 

事業の継続が大変な事業所の支援になってない
【岡田ゆき子議員】2点目、産業振興に係る事業についてです。
 「しごとおこし」である地方創生先行型事業として、「航空宇宙産業設備投資促進助成」や「挑戦型中小企業創出プロジェクト」など5つあげられています。
 今の、中小企業の実態はどうか。25年度決算では法人格を持つ事業所の65.7%もが赤字を抱える法人です。また名古屋市内の中小企業は、市民の暮らしに直接関わる小売り業、サービス業、又製造業など、およそ11万7000もの事業所が存在していますが、家族経営など小規模事業所に至っては、4月からの消費税増税によって廃業に追い込まれる、そんな深刻が起きています。
 今回の交付金の活用は、一定の力がある、余力のある事業所が利用できるというだけではなく、事業の継続自体が大変だという事業所にもしっかり仕事を続けてしてもらうための「しごとおこし」「しごとつくり」支援になっているのでしょうか。市民経済局長にお聞きします。 

地域に応じた取り組みを支援する
【市民経済局長】「まち・ひと・しごと創生」に向けた地域の実情に応じた取り組みを支援するために創設されたもので、この趣旨に沿って各種の中小企業向けの事業を実施してまいりたい。

経営にあえいでいる中小企業に目を向けよ(意見)
【岡田ゆき子議員】「しごとおこし」の産業振興については、地域の実情に応じた取り組みの支援だといわれましたが、皆さんが認識している地域の実情というものに、経営にあえいでいる中小企業が対象になっているのか、答えからはわかりません。問題点だけ指摘し、続きの議論を委員会にゆだね、質問を終わります。

 

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