2015年2月定例会
田口かずと議員の個人質問②市営住宅の若者向けリニューアル(2015年2月26日)
2月議会 個人質問 2015年2月26日 田口一登
市営住宅のリフォームで子育て世帯の入居促進を
【田口議員】市営住宅のリフォームによる子育て世帯の入居促進について質問します。
私は、先ほどの弥富相生山線の地元学区の一つである相生学区に住んでいます。その東隣は高坂学区です。高坂小学校と相生小学校は、全学年が一クラスの小規模校で、小学校の統合計画の対象となっていますが、地元の理解はまったく得られておらず、統合計画は一歩も進んでいません。両学区の住民の願いは、小学校の統合ではなく、子育て世帯の転入が進み、子どもが増えることにあります。
相生学区では、地下鉄相生山駅北側のスーパーの跡地に、総戸数274戸という巨大なマンションが建設中であり、子育て世帯の転入が期待されています。一方の高坂学区では、全世帯の約4割を占める市営高坂荘への子育て世帯の入居が進まないという問題を抱えています。
市営住宅では子育て世帯向けの募集が行われていますが、高坂荘では、昨年度は募集戸数5戸にたいして申込者数は3人、今年度は、募集戸数3戸にたいして申込者数は2人であり、この2か年の平均倍率は0.6倍です。高坂荘の一般向けは2.6倍、単身者向けは6.9倍であるにもかかわらず、子育て向けが1倍を切っているというのは、どうしてでしょう。子育て向けの倍率は、全市的には、昨年度は5.5倍、今年度は4.5倍と、けっして低くありません。
高坂荘は昭和41年度に建設された住宅で、築後50年近く経っています。近隣にある高坂荘と同じ時期に建てられた市営おおね荘と御前場荘の子育て向けの倍率も調べてみましたら、おおね荘もこの2年間の平均で0.6倍、御前場荘も0.7倍と、いずれも募集戸数を満たしていませんでした。
私は、2002年の6月定例会で、建築年度の古い市営住宅を全面的にリフォームする事業の実施を提案しました。古い市営住宅にお住いのみなさんから、「流し台が狭いため、ガスレンジを置くと、調理スペースがなくなる」「3畳間の使い勝手が悪く、物置になっている」「浴室が狭いうえに、入口の段差が高い」「トイレが和式のため、洋式の便器を置くと、頭がドアにつかえてしまう」などの声をいただいたからです。
「古い市営住宅の間取りや設備などが今日の市民のニーズに合わなくなっている。間取りや設備などを全面的にリフォームする事業を実施せよ」という私の質問に、当時の住宅都市局長からは、「事業の可能性について検討したい」との答弁をいただきました。
あれから13年、こうした古い市営住宅はそのまま放置され、老朽化がいっそう進んでいます。そして今や、子育て世帯から見放されつつあります。
そこで、住宅都市局長にお尋ねします。築後50年近く経った古い市営住宅で、子育て世帯向けの応募が募集戸数に満たないという事態が生じているのは、間取りなどが若い世帯のニーズに合わなくなっているからではないですか。
建築年度が古く、建て替え計画のない市営住宅においては、空き家修繕の際に間取りの変更も含めた全面的なリフォームを実施し、子育て世帯の入居を促進すべきではありませんか。答弁を求めます。
子育て世帯の入居促進のひとつのモデルケースとしてとりくむ
【住宅都市局長】建築年度の古い市営住宅は、間取りや設備の陳腐化が課題となっており、子育て世帯が応募を敬遠する一因となっている。一方、コミュニティの活性化には子育て世帯の入居を促進することが必要だと考える。高坂学区では、天白区が地域とともに子育て世代に向けた地域支援環境づくりに取り組むことで地域の魅力とコミュニティの活性化を図ることを目的とした「高坂学区地域コミュニティ活性化プロジェクト」の準備を進めている。
住宅都市局も、子育て世帯の入居促進のひとつのモデルケースとして、今後は、天白区と連携して取り組んでいく。
古い市営住宅における子育て世帯の入居促進の典型となるよう(意見)
【田口議員】高坂荘については、「高坂学区地域コミュニティ活性化プロジェクト」の準備を進めている天白区と連携して、子育て世帯の入居促進のモデルケースとして取り組んでいくとの答弁をいただきました。このプロジェクトが、建築年度の古い市営住宅における子育て世帯の入居促進の典型となるよう期待するものです。
同時に、住宅都市局長もお認めになりましたが、建築年度の古い市営住宅は、間取りや設備が陳腐化しています。こうした市営住宅を建て替えないで、長寿命化を図ろうとするなら、間取りや設備を更新するリフォームが絶対に必要だと思います。リフォームの実施について鋭意検討していただきますよう要望させていただきます。
市営住宅では子育て世帯向けの募集が行われていますが、築後50年近く経つ高坂荘では、この2か年の平均倍率が0.6倍。近隣にある高坂荘と同じ時期に建てられたおおね荘も0.6倍、御前場荘も0.7倍と、いずれも募集戸数を満たしていません。子育て向けの倍率は、全市的には昨年度は5.5倍と、けっして低くないのにどうしてか。
「流し台が狭いため、ガスレンジを置くと、調理スペースがなくなる」「3畳間の使い勝手が悪く、物置になっている」「浴室が狭いうえに、入口の段差が高い」「トイレが和式のため、洋式の便器を置くと、頭がドアにつかえてしまう」――高坂荘のような古い市営住宅の居住者から、こんな声を聞きました。「古い市営住宅は、間取りや設備などが若い世帯のニーズに合わなくなっているのではないか」という私の質問に、市住宅都市局長は「間取りや設備が陳腐化している」と認めました。
私は、「間取りの変更も含めた全面的なリフォームを実施し、子育て世帯の入居を促進すべきだ」と求めました。市住宅都市局長は、高坂荘については、「高坂学区地域コミュニティ活性化プロジェクト」の準備を進めている天白区と連携して、子育て世帯の入居促進のモデルケースとして取り組んでいくと答えました。このプロジェクトが、建築年度の古い市営住宅における子育て世帯の入居促進の典型となるよう期待するものです。
キーワード:環境と防災、まちづくり、田口かずと