後期高齢者医療広域連合議会 2月定例会②予算質疑(短期証・資格書) わしの恵子(2015年2月9日)
短期保険証の発行状況と未渡しの状況は
【わしの議員】短期保険証、資格証明書、滞納者への財産差し押さえについて、まず、短期保険証の発行数および短期保険証が期限切れになっても更新されず、保険証が未渡し状態になっている短期保険証について、前年と比較してどうか伺います。
昨年12月末で834件 前年同期124件の増
【事務局長】短期保険証の交付件数は、平成26年12月末現在834件で、平成25年12月末現在の710件と比較して124件の増加です。有効期限切れで短期保険証を渡していない方は、平成26年12月末現在122件、平成25年12月末現在の121件と比較して1件の増加です。
短期保険証発行世帯の所得階層の実態は
【わしの議員】短期保険証が発行されている方の所得、階層別の人数はどのようになっているのか、また、低所得者に対する軽減措置、均等割り9割の対象者についての短期保険証の発行件数について伺います。
834名の内、非課税世帯の方が251名
【事務局長】所得階層別の資料がないので、自己負担割合の区分で説明します。平成26年12月末現在の短期保険証交付者834名の内訳は、一部負担割合が3割の現役並み所得の方が80名、また、一部負担割合が1割の方のうち、課税世帯の方が503名、非課税世帯の方が251名。非課税世帯の方251名のうち、保険料が9割軽減は、70名です。
短期保険証でなく正規保険証を(再質問)
【わしの議員】短期保険証の発行が年々増えており、合計が834件にも達するが、このまま推移すれば1,000件に到達するのは時間の問題ではないですか。26年度末までに短期保険証を発行された高齢者のうち、非課税の方は251人と3割も。そのうち9割軽減の対象の方が70名です。この方たちの年金収入は80万円以下で、保険料を払いたくても払うことが出来ないのではと思います。こういう方にまで短期保険証を発行することは、安心して医療を受けられないという状況を加速させるのではないかと危惧するものです。短期保険証の発行ではなく、正規の保険証を発行できるようどんな努力をされているのかお聞きします。
納付相談をしている
【事務局長】保険料に滞納があり、短期保険証が交付されている被保険者に対し、市町村において、個々の事情や収入状況等の生活状況を聞きながら、納付相談をし、滞納保険料の解消に努めている。納付状況に改善が認められ、滞納保険料が半年以内に完納することが確実であると認められる場合などに、一般証への切り替えを行う。
当広域連合としても、市町村に対して、会議や研修などあらゆる機会をとらえて、粘り強く、きめ細やかな対応を行うよう、お願いしている。
短期証世帯の生活実態の把握は
【わしの議員】短期保険証が発行されている方の生活実態についてどのように把握に努めておられるのか、訪問調査などどのように実施しているのか、お答えください。
電話や臨戸訪問などきめ細やかに対応
【事務局長】短期保険証は納付相談の機会を設けて保険料の納付につなげるために交付している。各市町村が被保険者個々の事情、収入状況等を聞き、生活状況の把握に努めている。
当広域連合としては、各市町村に対して、保険証が未交付とならないよう、文書によるお呼び出しを行うとともに、窓口にお越しいただけない方については、電話や臨戸訪問を行うなどきめ細やかな対応を行うよう、会議や研修などあらゆる機会をとらえてお願いしている。
保険証未渡しのまま医療を受けるには(再質問)
【わしの議員】資格証明書の発行はないということですが、とりわけ心を痛めるのは、保険証の未渡しの方についてです。26年12月末では122件が保険証をもっておられません。75歳以上であれば、なんらかの疾患をもって生活している方が多いのではないでしょうか。とりわけ今年の冬は寒さも厳しく、インフルエンザ等の流行もしていますが、暖房も控えながら暮らしている高齢者の実態に心を寄せて頂きたいと思います。保険証をお持ちでない方が、どうしても医療が必要になったときはどうすればいいのかお答えください。
市町村窓口への相談で保険受診へ対応する
【事務局長】短期保険証が有効期限切れとなった方が医療を受ける場合には、市町村窓口へ相談にきてくれれば保険診療で受診ができるよう適切に対応する。
有効期限切れで、市町村窓口へ相談しないまま医療を受けた場合には、医療機関で医療費全額を支払っていただき、後日、市町村の窓口へ保険給付分の支給申請手続きが必要となる。
未渡しのまま重症化、救急搬送の例は(再々質問)
【わしの議員】短期保険証が未渡しの方が、市町村の窓口に相談がないまま医療を受けると、一旦、医療費の全額負担を支払い、後日、市町村の窓口へ保険給付の支給申請手続きをする。しかし、保険証がないために我慢に我慢を重ね、症状が重くなってから、とうとう救急搬送される場合もあるのではないか、そして時には手遅れになることもあるのでは。そういう実態についての把握はしているのか
救急搬送の例は聞いていない
【事務局長】当広域連合では、救急搬送された事例は聞いたことがないが、短期保険証が有効期限切れとなった方が緊急に医療を受ける必要がある場合には、ご自身の体調を最優先に、短期保険証の有無にかかわらず、医療機関を受診していただきたい。病気になられた場合は、我慢をなさらず、市町村へご相談いただきたい。
資格証明書の発行状況はどうか
【わしの議員】資格証明書の発行状況についてお聞きします。
交付実績はない
【事務局長】資格証明書の交付実績はない。資格証明書の交付に際しては、厚生労働省へ事前協議を行うこととなっていますが、そのような事案もない。
滞納者への財産差し押さえの対応は
【わしの議員】滞納者への財産差し押さえについて、25年度決算では、滞納処分された人は88人もあり、年金からの差し押さえも10件ありました。保険料を支払うことが出来ない人が増えているが、そういう方たちの声は広域連合に届いているのか、広域連合のかかわりについてどのように認識しているのか答弁を求めます。
減免や分割納付などきめ細やかに対応
【事務局長】保険料のお支払いが困難な方には、納付相談の際に収入や生活状況を十分に把握したうえで、保険料減免や分割納付を含めて、きめ細やかに対応するよう、各市町村に依頼している。保険料の徴収事務は市町村が行っており、当広域連合としても、個別に市町村を訪問した際に、現状を把握したうえで助言を行うとともに、意見交換をしている。
市町村への助言は(再質問)
【わしの議員】滞納者への財産差し押さえについて、今の答弁は、「広域連合としても個別に市町村を訪問した際に、現状を把握し助言を行い、意見交換をしている」と答弁ありましたが、具体的な助言、意見交換の内容について伺います。
理由ない納付拒否は滞納処分。困っていると減免や分割の相談
【事務局長】市町村との意見交換の中で、制度に理解を示していただけない方や特段の事情もなく保険料の納付を拒否する方がいる一方で、長期入院による多額の医療費の支払いや事業の負債をかかえているなど、様々な事情により納付に困っているとの、被保険者の声があることを確認しております。
納付資力がありながら、特段の事情もなく保険料の納付を拒否する方に対しては、被保険者間の負担の公平性の観点から、滞納処分を含めた収納対策を実施するよう依頼しており、その際に他税の徴収担当課と連携し、ノウハウを活用すると有効であることなどを助言しております。また、納付にお困りの方に対しては、現在の状況を把握したうえで、保険料減免や分割納付を含めた、きめ細やかな対応を依頼している。