2015年6月定例会
柴田たみお議員の議案外質問① 次世代育成に関する文化小劇場の役割について
6月議会 議案外質問 2015年6月24日 柴田 民雄
次世代育成に関する文化小劇場の役割について
子どもの芸術文化に触れる機会を増やす考えを
【柴田議員】本市の次世代育成に関する文化小劇場の役割についておたずねします。
本市では、中区を除く15区で、順次文化小劇場の設置を進めてきました。昭和区川名公園において現在建築中の昭和文化小劇場は、15個目の最後の文化小劇場となり、市民の長年にわたる要望に応えるものとして期待が高まっています。
その後、川名公園の防災公園としての整備の進行に伴って、子どもたちや子育て中の親子の貴重な遊び場として、川名公園自体に対して大きな期待が寄せられています。
本市では、5年前に昭和区川名山町にあった中央児童館を廃館にし、貴重な公園と児童館機能が地域から失われ、市全体としても、様々な施策の努力はあるものの、児童の健全育成や子育て支援機能は、引き続き不足した状況にあります。
川名公園とともに昭和文化小劇場に対しても、親子づれや子どもたちの遊び場所、子どもが文化に触れ、表現活動を行う練習場所・発表場所、子どもの健全育成と芸術教育、子育てを軸とした地域コミュニティづくりの拠点として重要な位置づけを求められているといえます。
また、本市では、10年前に4館あった都市型青年の家がすべて廃館となったあと、ユースクエアと青少年宿泊センター2館での対応となり、青少年の貧困が深刻化するもとで、特に青年教育施設は、実態に追いついていない状況になっていると考えられます。ある学生サークルからの聞き取りを行ったところ、民間の施設を利用するため、年間の施設使用料などの負担が14万円を超えており、しかも大部屋で複数種類の練習を同時に行うという大変困難な条件で活動しているという話です。青少年を金銭と精神の貧困から救い、豊かな見識と社会性を身につけた市民への成長を促してゆくために、ブラックバイト・ブラック企業などへの対策を講ずるだけでなく、青少年の豊かな文化活動を支援する施設や施策の大きな拡充が求められています。
さらに、今国会における18歳選挙権の実施決定を受けて、主権者としての、政治と民主主義に関する基礎的な知識を身につけ、地域参加・政治参加を学ぶ教育の機会を、より一層幅広い場で実施してゆく必要性が高まっています。その中で、地域で文化の活動・表現活動を行うことを通じて社会性を身につけ、政治の基礎を学ぶことが、青年の政治参加を促し、投票率の向上にも効果をもたらすことが期待されます。
このような状況の中で、今年度の文化小劇場各館の指定管理者の募集要項において、その選定基準に「次世代の育成」が盛り込まれたことは、たいへん好ましいことと考えます。
市民経済局長にお伺いします。この「次世代の育成」など、子どもの芸術文化に触れる機会を増やしてゆくための文化小劇場の役割についての、考え方をご説明ください。
子どもが身近なところで文化に触れる機会をふやしたい(局長)
【市民経済局長】今後とも引き続き、文化小劇場において指定管理者とともに、子どもが身近なところで文化に触れる機会の提供に努めてまいりたいと存じます。
広大な公園の一角に立地するという特別に恵まれた条件があり、子どものための劇場としての売り出しを(意見)
【柴田議員】文化小劇場について、一層その役割が高まっていくとのご認識をお示しいただきました。その認識をさらに発展させて、事業展開に反映させてゆくよう、要望を申し上げたいと思います。
「文化の担い手」を育成するということは、共感を通じてよりよい地域社会を作る中心的な役割を担う若者を育成するというたいへん重要な仕事でもあります。
昭和文化小劇場については、「防災」を特徴として設計され・運営をされてゆく計画であることは承知しておりますが、10年前と2年前、「子ども」「住民参加」「稽古場」をキーワードにした「子どものための劇場」を、との要望書が、市民から提出されています。
とくに昭和文化小劇場は、他の小劇場にはない、広大な公園の一角に立地するという特別に恵まれた条件があり、子どものための劇場としての売り出しをするに足る十分な条件を備えているものと考えます。
文化小劇場の整備計画がひと段落した今から、いよいよ今後の事業展開について、ぜひこのような観点を含めた議論をしてまいりたいと思います。また、子ども・子育て支援や青少年教育の観点からも、これら既存の施設の有効活用に加え、絶対数の不足している現状を踏まえての新たな展開も議論してまいりたいと思います。