名港議会 一般質問③ 魅力ある交流空間と親しまれる港に(2015年6月11日)
魅力ある交流空間と親しまれる港づくりを
クルーズ船対応:ガーデンふ頭と金城ふ頭・・・どちらに着けるのか
【山口議員】金城ふ頭とガーデンふ頭を舞台にした名古屋港の魅力ある交流空間、親しまれる港づくりについてうかがいます。まずクルーズ船への対応です。
予算案では、金城ふ頭の西側に大型クルーズ船係留施設を整備すると聞いています。ところが港湾計画改定案をみると金城ふ頭の東側に大型クルーズ船用の岸壁を配置する計画です。 さらにガーデンふ頭でもクルーズ船用に岸壁を延長するとしています。管理組合はいったいどこへクルーズ船を接岸させたいのでしょうか。
名港中央大橋がくぐれないようなクルーズ船の大型化に対応して金城ふ頭に岸壁を整備すれば、レゴランドや商業ゾーンの開発がうまくいけばいくほど、名港大橋をくぐれるサイズの船もガーデンふ頭ではなく金城ふ頭への接岸を希望するのではありませんか。橋をくぐれるサイズの船は必ずガーデンふ頭へ誘導できるのですか。お答えください。
港湾計画は港湾整備のマスタープランです。金城ふ頭には魅力ある交流空間の形成に向けて新たに大型クルーズ船やフェリーに対応した計画が位置づけられています。対してガーデンふ頭には施設整備としては岸壁延長計画があるだけです。親しまれる港づくり、といいますが、ガーデンふ頭のにぎわいがみんな金城ふ頭にもっていかれることになりはしないかと心配です。
年間1隻から2隻が名港中央大橋を通過できないが、ガーデンふ頭中心で
【港営部長】本港には年間30隻から40隻のクルーズ船が入港しており、ガーデンふ頭を中心に受け入れを行っていますが、名港中央大橋を通過できない大型クルーズ船は、平成26年より金城ふ頭において受け入れ、年間1隻から2隻が接岸している。今後、アジアでのクルーズ需要の高まりを受け、大型船の金城ふ頭への接岸が増えていくことが予想されている。
船会社等は、ヒアリングでも、名古屋港の背後地の観光及び商業施設、交通アクセス等の理由から、ガーデンふ頭への接岸を希望しており、今後もクルーズ船の重要な重大拠点として、ガーデンふ頭は機能していくと考える。
商業ゾーン:イタリア村跡地の事業者が突然辞退した理由はなにか
【山口議員】次に商業ゾーン開発についてイタリア村跡地問題を中心にうかがいます。今年3月、ガーデンふ頭東地区、いわゆるイタリア村跡地の再開発事業に複合型体験施設を提案していた事業者が事業者決定翌日に突然辞退するという異常事態が発生しました。
直後の3月定例会で、選定の経緯と今後の対応を問われた当局は「4者から応募登録があったものの出店テナント等が集まらない等の理由で3者が辞退され、1者のみが提案書を提出した。有識者5名の審査委員会ではこの1者からのプレゼンを受け、事業提案を審査し最優秀提案に選定した。
ところが決定翌日に『社内の方針変更を理由に辞退の届け出』があった。今後の対応については、『辞退理由等の精査』を行い、整備手法、整備主体も含めたガーデンふ頭の再開発について引き続き検討を進める」と答弁しています。
そこで端的に伺います。決定したも同然だった事業者が突然事態した理由について、その後、精査した結果をまず報告してください。
社内の方針変更が理由と聞く
【総合開発担当部長】イタリア村破たん以降、さらなる魅力とにぎわいのある施設の創出のためには、民間のノウハウや資金を活用した開発を行うことが有効であると考え、信用力のある複数者の進出の可能性が認められる場合には公募を行うこととし、平成22年度より企業ヒアリングを重ねながら、進出のしやすい条件等の検討を行ってきた。平成26年1月に複数の事業者から、開発の検討をしたいとの提案があり、平成26年7月より公募を進め、11月には、4者からの応募登録があったものの、途中3者が辞退等され1者から複合型体験施設の提案書が提出され、平成27年3月に最優秀提案として選定しました。その後、提案者から社内の方針変更を理由に辞退届出があり、事業予定者の決定には至りませんでした。本組合としてもにぎわいの創出が図れると期待しておりましたが、このような結果となり非常に残念に思っています。
今後の開発の参考ひ、各応募登録者の辞退理由の精査を進めていますが、最優秀提案者からは、会社内部の経営判断に関わるとの理由から、詳しい回答が得られませんでした。
イタリア村跡地問題の責任を問う
【山口議員】ガーデンふ頭の名古屋港水族館の集客数は年間200万人、このそばで営業するのも十分に魅力的だと思います。一方、金城ふ頭では国際展示場が年間200万人近い集客数があり、それにレゴランドの開業で年間180万人以上の集客増が見込まれています。ガーデンふ頭の2倍以上です。
しかも地下鉄「港区役所」駅前にも大型の商業施設やスポーツレジャー施設の開発が同時期に進められています。似たような商業施設やアミューズメント施設なら、より集客力ある地域へと事業者の目が向き、ガーデンふ頭は袖にされてしまうのではと心配です。かといって、金城ふ頭やガーデンふ頭のどちらも同じような商業ゾーンにしてしまっては共倒れしかねません。
ではガーデンふ頭をどうするかですが、その前に、民間主導の開発が破たんしたイタリア村とその跡地開発についても厳しく総括する必要があります。
イタリア村の破たん以降、ずっと民間の商業ベースの開発にこだわってきたこれまでの姿勢を見直すべきではありませんか。
「整備手法・整備主体も含めて検討する」と3月定例会で答弁していますが、これは民間開発ありきを見直し、公的な整備主体による開発も検討対象だと理解してよろしいですか? あわせてお答えください。
ガーデンふ頭東地区は財政的にも重い負担でした。今年度予算に計上された4号倉庫撤去費用が約3億3千万円、昨年からの20号倉庫の撤去費用が1億円、そして6年4か月間の維持管理費が1億3千万円、累計総額では5億6千万円もの費用が注ぎこまれています。
これだけの財政負担をしながら何一つ具体的な成果があがっていない。この責任は誰がどういう形でとるのですか。あらためて総括をお聞きしたい。
官民の役割を含めて幅広く検討したい
【総合開発担当部長】これまで、ガーデンふ頭東地区の再開発に際しては、民間活力の導入が重要な役割を果たすと考え、再開発を進めてきたが、今後は、官民の役割を含めて幅広く検討していきたい。
住民や港湾関係者が参加した公開検討会や継続的な懇談会などを
【山口議員】ガーデンふ頭については、金城ふ頭とは全く異なるコンセプトで、このふ頭ならではの交流空間こそつくりあげるべきです。ここまで来たら、あせらずにじっくり考えましょう。
ガーデンふ頭の賑わい創出については議会も特別委員会を設置し、これから積極的に議論を深めることになりました。築地ポートタウン計画の検討も進められていますが、この機会に市民県民参加でガーデンふ頭の将来像をおおいに議論すべきではないでしょうか。
そこで提案です。住民や港湾関係者が幅広く参加できるイタリア村跡地利用の公開検討会や継続的な懇談会などを開いて多くの知恵を集めませんか。そして検討すべきエリアもガーデンふ頭の外まで広げてみてはどうか。
イタリア村跡地に限定せず、ガーデンふ頭全体、また歴史的産業遺産である「跳ね橋」など築地界隈までふくめたスケールで議論しませんか。
以上、ガーデンふ頭東地区の再開発について公開の場で議論する機会を設ける考えはありませんか。答弁を求めます。
近隣住民にも全く非公開のままのプレゼンで商業ベースの開発事業者を決定する開発手法が問題なのです。住民参加で開かれた議論をもとに開発事業者と近隣住民の合意形成を積み重ねながら開発を進める新しいスタイルをつくりあげようではありませんか。 こうしてこそ、みなと祭りの歴史と伝統を持つ、住民に身近なエリアとしてのガーデンふ頭ならではの魅力が発揮できると思います。
「港まちづくり連絡会」等を活用して、更なる住民参画を図る手法について検討してまいりたい
【総合開発担当部長】平成26年度に行ったガーデンふ頭東地区再開発事業の公募においては、募集要項の作成等と並行して、地元住民に対しアンケートを実施いたしました。地元住民がガーデンふ頭に求めるイメージや東地区再開発を進めるうえで周辺への配慮してほしいこと等を応募登録した民間事業者へ提示し、地域貢献及び地域還元に配慮した提案を事業者に求め、地域への配慮を審査に反映いたしました。また、築地口からガーデンふ頭に至る地区「築地ポートタウン地区」につきましては、平成3年に策定した「築地ポートタウン計画」を踏まえて、住民・行政の協働による港まちづくりが進めており、今後は、地域住民・商店街・港湾関係者・名古屋市・本組合等を構成員とする「港まちづくり連絡会」等を活用して、更なる住民参画を図る手法について検討していきたい。
ガーデンふ頭と金城ふ頭の位置づけをどうするのか(再質問)
【山口議員】ひとつは、魅力ある交流空間と親しまれる港づくりについて、ガーデンふ頭と金城ふ頭の関係についてです。
クルーズ船はガーデンふ頭を中心に対応していくとの答弁だったと思います。少し安心しました。金城ふ頭の開発には力が入るが、ガーデンふ頭の賑わいづくりをどうするか、ほんとうに大きな課題です。
答弁でもありましたが、街が近い、住民が近い、人間的な空間がガーデンふ頭の金城ふ頭とは違った大きな魅力であり財産です。そこをしっかりと活かしていただきたい。ワンパターンの開発手法から脱却することを強く要望します。
稲永にアジア最大級の国際展示場をつくる(管理者)
【管理者(河村市長)】金城ふ頭とガーデンふ頭関係ですが、ガーデンふ頭のイタリア村のことだけでなく全体として考えるのはまさにその通りでして、残念なのは、東京などはベイエリアに高層・高級マンションがずらっと並んでいる。名古屋だけはなぜかさびしい。ガーデンふ頭から金城ふ頭のところがどえらいさびしい。金城ふ頭は金城ふ頭で、従来の計画がありますのでそれはそれで淡々と粛々とやる。
だで、稲永のガーデンふ頭と金城ふ頭のあいだのところ、相当広大な土地があり、稲永にアジア最大級の国際展示場をつくっていくということは断固・断じてやっていきたい。
今や東京がいばっとりますけど、実際稼ぐ地区は名古屋地区なんですね。日本一というか世界一。産業の力を更に高いところに持っていく、世界の断トツの地域にしていくということにおいて産業のイノベーション、国際展示場は非常に大きなインセンティブになる。インセンティブというよりも欠くことのできない設備というかインフラになると思う。稲永ふ頭にとりあえず10万㎡、35万から埋立しますと40万㎡ぐらいありますので、それで大きいのをつくって同時にガーデンふ頭、おもしれいことできんかと。国際展示場のすぐ横が港になりますといっぱい遊んできれいでしょ、向こうから見るのは。すばらしい場所になる。産業関係の人も大賛成だと。稲永の大きな国際展示場、それと一緒に1つガーデンふ頭も大いに盛り上げる。ついでに熱田神宮も入れて、名古屋を大いに盛り上げようと考えております。
金城ふ頭とガーデンふ頭、さらに稲永ではともだおれ。人間の力で賑わいをつくってきているガーデンふ頭の良さを生かせ(意見)
【山口議員】河村管理者は今期までですよね。9月から管理者は交代すると伺ってます。質問するかいつも悩むんですが、金城ふ頭とガーデンふ頭の話をしたら、稲永ふ頭の話しばっかりでした。逆に言うと稲永ふ頭の開発しない限りガーデンふ頭はなにもせんのかいという話になってしまうんでしょうね。ここのところは考えてほしい。大げさに対象地域を広げて考えるということではなくて、臨港地区は名古屋港管理組合、道路一本を隔てたら名古屋市が管理します、知りませんとそういう形でこの築地のですね、開発計画を事業主体が違うとからといって分断するなと。そこは一緒に検討する機会を設けようよという話しをさせていただきました。稲永の話は稲永の話で、どこかでしっかり検討することは必要かもしれませんが。要するに、金城ふ頭とガーデンふ頭で、ともだおれになるといっているのに3つつくったらどうなるんですかと言う事を是非考えていただきたい。
ガーデンふ頭は高層マンションは少ないかもしれませんが、大勢の人がすぐそばに住んでいるそういう街なんです。だからイベントも住民の力で盛り上げてきた、管理組合の皆さんにも本当に努力していただいていますが、人間の力で賑わいをつくってきているのがガーデンふ頭。金城ふ頭とそこが全然違うところなんですね。そこの良さをですね、しっかり発揮するような開発の方法をですね、住民参加の方法を是非考えていただきたいとおもいます。
ガーデンふ頭東地区の一連の経過に対する賛任は(再質問)
【山口議員】ワンパターン型の脱却の前提には、イタリア村からの経過をきちんと総括し、責任を明確にし、けじめをつけることですが、この点で具体的な回答がなかったと思います。
ガーデンふ頭と金城ふ頭を名古屋港の中でどう位置づけるか、名古屋市の行政とも密接に絡む問題でもあります。
そこであらためて管理者にうかがいます。金城ふ頭とガーデンふ頭をどのように位置づけるのか、ガーデンふ頭東地区の一連の経過に対する責任についてはどう考えているのか、総括的に答弁を求めます。
国会では追及した。官民格差の象徴だ。木造建築と知らなかったはずがない。民間だったら社長解任だ(管理者)
【管理者(河村市長)】イタリア村の責任についてですが、わしも民主党時代、国会で大変追及した。あれは本当に官民格差の象徴で、どえりやあ立派な名港管理組合、一方、あそこでどんだけぎょうさんの民間人が泣く思いをしたかと言う事を考えますと、それは万博を控えてむちゃくちゃ急いでやってきたということですわ。誰も木造建築とは知らなかったといいますが、そんなことはありえない。民主党の時に国会で質問しとります。
あの頃と変わってませんからね。おんなじ立場でございますので。どういう責任を取るかということですね。役所は良いですね。民間だったらみんな今頃社長も解任ですよ。どういう責任を取るのか。ちょっと考えてみますけど、ええ案があったら。こういうところできちんと役人の責任をとることが大切。
追求する側から、される側になって何年経つ。無責任だ(意見)
【山口議員】イタリア村の話で責任の事にも管理者は言及されましたが、あなた考え方が変わってないといいますが立場は変わっている、追求する側では無く、される側になって何年経つんですか。役所の責任と言いましたが、それを提案するのがあなたの仕事なんで、無責任なご意見ちょうだいは私からは話が違うなと言う事をいっておきたいと思います。管理者がそういうことを答弁された訳ですからこのイタリア村の問題も含めて、運営会社の問題、コンテナターミナルの問題、金城ふ頭とガーデンふ頭の問題など引き続き明日以降の委員会でも問題点を追求することにさせていただきたいと思います。
やっぱり管理者には聞くんじゃ無かったなと言う感想を申し上げておきます。
キーワード:環境と防災、まちづくり、山口清明