岡田ゆき子議員が議案反対討論

2014年6月議会 採決にあたっての討論(岡田ゆき子)

第92号議案 名古屋市手数料条例の一部改正について

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 日本共産党名古屋市議団を代表して、第92号議案「名古屋市個人情報保護条例の一部改正」及び第93号議案「名古屋市手数料条例の一部改正」について反対の立場から討論します。

個人情報流出の懸念が払しょくされない

 反対の第1の理由は、この改正を行っても、個人情報の流出、なりすまし犯罪などの懸念が払拭されないからです。

 二つの議案は、マイナンバー法の施行に伴い一部改正するものですが、そもそもマイナンバー法そのものが、日本年金機構の個人情報大量流出問題にみられるように、ひとたび情報漏えいIMG_5617すれば、なりすまし被害等で致命的な被害をうける恐れがあり、その危険性は全く払拭されていません。マイナンバー法改正案については、この個人情報大量流出という問題によって、6月9日以降国会審議自体が停止しているわけですから、拙速な条例改正はすべきではありません。

個人情報保護に逆行する規定も

 反対の第2の理由は、個人情報を保護する条例であるはずなのに、それに逆行するような例外規定を盛り込んだからです。

 個人情報保護条例第1条の目的は「市民の基本的人権の保護及び市政の適正かつ円滑な運営の確保に寄与する」ことです。しかし、条例第8条の3項において、本市の機関や国などが行う「事務または事業の公正又は適正な遂行に支障を及ぼす恐れがあると認められるとき」は、集めた個人情報の利用目的を、本人に明示しなくてよいとしています。

 本市や国などが、事業の遂行に支障を及ぼすと勝手に判断し、集めた個人情報を当事者である市民に利用目的も知らせずに、利用できる仕組みを、条例を改正してわざわざ盛り込む、本市や国などの都合で何に使われるのかわからない仕組みをつくるものだと言わざるをえません。

 市民経済局は今回の例外規定の追加について「元となる国の『行政機関個人情報保護法』の条項にあるものを市の条例に加えた」だけで、それ以上の説明はありませんでした。これでは個人情報の適正な取り扱いをするとことに矛盾し、個人情報保護条例の目的に逆行するものです。

 市長は、マイナンバー法に対する懸念を示され、その実施の延期を国に申し入れると言われたにもかかわらず、その法律を基とする二つの議案を提案するのは、自己矛盾をきたしているといわなければなりません。

 当然、両議案とも延期すべきです。

 以上、反対の理由を申し上げて、討論を終わります。

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