後期高齢者医療広域連合議会 8月定例会②補正予算案質疑(臨時交付金) さはしあこ(2015年8月17日)
高齢者医療制度円滑運営臨時特例交付金を直接 保険料軽減特例措置の財源にした理由は
【さはし議員】保険料軽減特例措置を行うための高齢者医療制度円滑運営臨時特例交付金は、いったん臨時特例基金に積み立て、その後、基金を取り崩して、特別会計に繰り出すことによって保険料軽減が行われてきました。しかし、国は、同交付金の取り扱いを変更し、基金の積み立てを行うことなく、直接保険料軽減特例措置の財源にあてることとされ、今回の補正によって基金の残高がゼロになります。
そこで3点おうかがいします。
基金の積み立てを行うことなく、交付金を直接、軽減特例措置の財源をあてることにしたのは、いかなる理由からですか。
厚生労働省から、基金事業でなく単年度補助金 事業として実施する旨の通知があったため
【事務局長】昨年6月24日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2014」において、「基金は、利点もある一方で、執行管理の困難さも指摘されていることから、その創設や既存基金への積み増しについては、財政規律の観点から、厳に抑制する」との方針が示され、厚生労働省から、今年度より、保険料軽減特例措置は、基金事業ではなく、単年度補助金事業として実施する旨の通知がありました。
基金活用後の基金は解散か
【さはし議員】基金残高が、今年度中にゼロになることによって、基金の存在意義がなくなります。基金は解散となるのですか。
基金の解散時期や具体的な手順等に ついては、改めて国から示される
【事務局長】保険料軽減特例措置の財源は、平成26年度末の基金残高を活用後に平成27年度に交付された交付金を充当することとなり、基金残高は平成27年度中にゼロになる。
基金の解散時期や具体的な手順等は、改めて国から示される予定です。
今後の啓発費の財源を国に求めよ
【さはし議員】臨時特例基金の一部は、啓発財源として活用されてきましたが、基金の残高がなくなることで、今後は新たに財源を確保する必要があります。よって、啓発費分も交付金として国に求めるべきだと考えますが、いかがですか。
国に要望している
【事務局長】啓発費はこれまで基金を活用している。今後も、制度の周知等の啓発事業を継続して行っていく必要があり、啓発費について新たに財源を確保する必要がある。
そのため、全国後期高齢者医療広域連合協議会から、制度周知等の広報事業について引き続き必要な予算措置を講ずることを国に要望し、当広域連合も、広域連合協議会の東海北陸ブロック協議会を通して、厚生労働省へ要望している。
軽減特例を段階的に縮小、廃止するための基金の解散ではないか(再問)
【さはし議員】保険料軽減特例措置とは、本来、均等割額が7割軽減となる低所得の高齢者に配慮し、当分の間、均等割額の9割または8.5割に軽減を拡大し、さらに一定所得以下の高齢者の所得割額を5割軽減するものです。また、被用者保険の被扶養者であった場合は、本来均等割額を2年に限り5割軽減するものですが、9割軽減に拡大し3年目以降も軽減しています。
国は保険料軽減の積み立てをやめ、基金の解散を予定しています。この背景には、軽減特例を段階的に縮小し、平成29年には廃止するという国の方針があるのではないですか。お答えください。
激変緩和措置の具体的な内容はまだ未定
【事務局長】保険料軽減特例措置は、平成27年1月の「医療保険制度改革骨子」で見直しすることが盛り込まれ、具体的な内容は「今後検討し結論を得る」とされ、廃止する場合、きめ細かな激変緩和措置を講ずることとされました。しかし、具体的な内容については、社会保障審議会等で検討される見込みですが、いまだ示されておりません。
したがって、保険料軽減特例措置の廃止を理由としたものではないと認識している。
保険料軽減特例を廃止するひとつの布石だ(意見)
【さはし議員】臨時特例基金は、臨時特例交付金を積み立てるために設立されたものであり、基金をなくすことは、保険料軽減特例を廃止するひとつの布石となる危惧があると申し述べておきます。