後期高齢者医療広域連合議会 8月定例会④一般質問(保険料軽減特例) さはしあこ(2015年8月17日)

保険料軽減特例の見直しについて

連合長の見解は
【さはし議員】はじめに、後期高齢者の保険料軽減特例の見直しについて、連合長におうかがいします。平成26年は、消費税が5%から8%へ引き上げられました。平成27年度には、名古屋市では、介護保険料は、一人あたり年間5,448円の値上げとなりました。年金支給も段階的に引き下げが進められ、(平成26年度の)年金額は0.7%の引き下げとなっています。さらに、平成29年4月には、消費税率10%へ再増税されようとしています。生活するための収入の年金は下がる一方で、消費税や保険料など負担は増えるばかりです。資料9 被扶養者の数
 このように75歳以上の高齢者を取り巻く環境は、あきらかに苦しさが増しているといえるのではないでしょうか。そこで、おうかがいします。いまの高齢者を取り巻く現状についての認識をお聞きかせ下さい。

高齢者に過度の負担とならないよう、国に対して言うべきことはしっかりと言ってまいりたい(連合長)
【連合長】高齢者の方々にとって、年金支給額の引き下げや消費税増税などは影響があるものと存じますが、保険料は、可能な限りの増加抑制と軽減制度の適用により、負担軽減を図っている。資料10 新規加入者
 後期高齢者医療制度は、制度が発足して7年が経過し、定着しているものと存じますが、今後も、高齢者に過度の負担とならないよう、国に対して言うべきことはしっかりと言ってまいりたい。
 いずれにしても、当広域連合としては、高齢者の皆様が安心して医療が受けられるよう最善を尽くします。

軽減特例が廃止された場合、負担の影響はどれほどか
【さはし議員】平成26年に保険料が改定され、引き上げられました。しかし、保険料軽減特例によって、約半数の被保険者の負担は軽くなっています。ところが、平成27年1月に実施された社会保障制度改革推進本部において、医療保険制度改革骨子が公表され、その中では「負担の公平化から、後期高齢者の保険料軽減特例の見直し」が求められています。保険料軽減特例の予算措置については「段階的に縮小し、その実施にあたっては、低所得者に配慮しつつも、平成29年度からは原則的に本則に戻す。激変緩和措置も講ずる。」としていますが、実際には、後期高齢者のみなさんの負担増が危惧されます。
 平成26年度の保険料が賦課されている被保険者数は、延べ人数で約84万人です。そのうち約半数の41万人程度の方が保険料軽減特例を受けざるを得ない状況です。
 現状、被保険者の約5割が適用となっている軽減特例が廃止された場合、負担の影響はどれほどになるか、モデルケースでお示し願います。
年間保険料額4,500円の人は13,700円になる
【事務局長】保険料負担の影響は、収入が年金収入のみである夫婦世帯の世帯主の平成26年度保険料にかかるモデルケースで示すと、年収79万円で現在9割軽減によ資料11 医療費り年間保険料額4,500円である被保険者は13,700円となり9,200円の増となります。年収153万円で現在8.5割軽減により年間保険料額6,800円である被保険者は13,700円となり6,900円の増となります。年収169万円で被扶養者軽減の適用を受けていることにより年間保険料額4,500円である被保険者は22,800円となり18,300円の増となります。年収211万円で所得割軽減の適用を受けていることにより年間保険料額48,900円である被保険者は75,000円となり26,100円の増となります。

国に恒久化をはたらきかけよ
【さはし議員】平成27年2月の定例会において「後期高齢者の保険料軽減特例の継続を求める意見書」が採択され、連合議会から国に対して提出されました。
 意見書でも述べられているように、低所得者における保険料負担の大幅な増加につながり、安心して医療をうけていただくためにも保険料軽減特例を継続することが必要です。広域連合におきましても、社会において、後期高齢者の置かれている生きにくい状況などを理解していただき、また、意見書を重く受け止めていただき、国に対して継続はもちろんのこと、恒久化をはたらきかけていただくことを求めます。いかがでしょうか。お答え願います。

機会あるごとに国に対して要望する
【事務局長】保険料軽減特例の継続は必要なものと認識し、全国後期高齢者医療広域連合協議会を通じて行うなど、機会あるごとに国に対して要望してきた。今後も、引き続き機会あるごとに、低所得者等の保険料軽減について、要望してまいりたい。

保険料軽減特例措置にたいする国の認識はどうか(再質問)
【さはし議員】軽減特例措置が見直されることによって、現段階の試算ではありますが、年間2~3倍の負担増が見込まれることがあきらかになりました。広域連合として、機会あるごとに国に対して要望していただいている旨の答弁もございました。愛知県を含め、他のいくつかの市町の議会からも国に対して意見書が提出されています。国は、どのように受け止めているかお聞かせください。

意見を受け止め、社会保障審議会等で真重な検討がされる
【事務局長】保険料軽減特例措置の継続に関する要望は、様々な地方公共団体等から要望がなされている。国においては、これらの要望を重く受け止め、保険料軽減特例措置について社会保障審議会等で慎重な検討がされるものと考えています。

軽減特例の恒久化のイニシアチブを(意見)
【さはし議員】国の見直しによって、保険料軽減特例が廃止されるようなことになれば、いままで、この制度によって保険料が軽減されていた約5割の方は負担増となり、負担割合の最も大きい方は、現状より約4倍もの保険料となります。今の高齢者の苦しい生活状況を考えれば、特例を廃止し、本来の保険料に戻すことであっても負担がどれほど重くのしかかってくるでしょうか。特例の見直しをするにいたっては、低所得者に対する介護保険料軽減の拡充や年金生活者支援給付金の支給と合わせての実施としています。しかし、年金支給についても、特例水準の段階的解消と合わせてマクロ経済スライドによる調整などによって支給額が引き下げられています。
 連合長からも「国に対して言うべきことはしっかり言っていく」という答弁がありました。
 他県の広域連合とともに、国に対して軽減特例の恒久化を求めることを本広域連合としてイニシアチブをとって進めていただきたいと思います。

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