2015年11月定例会
山口議員が教育行政について議案外質問
山口清明議員が本会議にて11月25日、中学生のいじめを防ぐ対策について議案外質問を行いました。動画は名古屋市会HPを、質疑応答の全文意訳は下記をご覧ください。
2015年11月25日 山口清明
11月定例会 議案外質問と答弁
いじめが原因と疑われる中学生の
自死事件を繰り返さない教育行政について
いじめの看過と届かないSOS
【山口議員】11月1日、西区で中学1年生の男子生徒が、いじめがうたがわれるメモを残して自ら命を絶ちました。ご冥福を心からお祈り申し上げます。
今年7月には岩手県で、中学2年生が電車に飛び込みました。学校への提出ノートには「死にたい」とあったのにSOSは届きませんでした。仙台市では、昨年9月に中学1年生がいじめにより自殺していた、と約1年後に公表され、学校と教育委員会の対応が問われています。
本市では一昨年にも中学2年生の転落死が起きました。この件では詳細な検証報告書がまとめられ、名古屋市は「いじめ防止基本方針(平成26年9月)」をつくりました。しかし、再び悲劇が起きてしまいました。
今回、事実経過の把握と学校の対応についての検証は「いじめ対策検討会議」に委ねられており、現在、検証作業中です。しかし、この検証結果を待つだけではなく、いじめを防ぐための教育行政について、昨年まとめられた中学生の転落死についての「検証報告書」を読み直しながら、皆さん一緒に考えたいと思います。
「検証報告書」は七つの提言をまとめました。学校の使命と教師の覚悟。いじめ防止基本方針への要望。いじめ防止の取り組み。包括的心の健康教育の推進。スクールカウンセラーの多面的な活用。地域での学習支援。中学校2年生の35人学級編成の早期実現。以上7つです。これらの提言は活かされたのか、という視点から以下、質問します。
アンケートは子どもたちの生の声をつかむ基本がないがしろにされていないか
【山口議員】まず、なぜ学校はいじめを発見できず、SOSが届かなかったのか。教育委員会の対応に、いじめの発見を困難にしている3つの問題があると考えます。
第1に、アンケートでいじめが見つかりますか。いじめを発見するシステムにばかり力を入れて、教員が生身で生徒に接することをないがしろにしていませんか。
市のいじめ防止基本方針には、「いじめの早期発見のため、定期的なアンケート調査や教育相談を実施」とありますが、工場で不良品を発見する製品検査と同じ発想に聞こえます。
アンケートを否定はしませんが、アンケートの回数や項目を増やす、定期的な相談機会を増やせば、いじめが発見できる、この発想、見直すべきではありませんか。
アンケート調査も一つの有効な方法だが、生の声を聞くことは大切
【教育長】いじめの発見については、アンケート調査も一つの有効な方法と考えているが、議員が指摘したように、子どもたちの生の声を聞くことは大切なことであると認識している。
なごやINGキャンペーンはいじめの存在を言いにくい雰囲気に
【山口議員】第2に、なごやINGキャンペーン。いじめのない学校づくり運動ですが、いじめを「防ぐ」のではなく「ゼロにする」、これを目標にすると、いじめがあると言い出しにくくなるのではありませんか。
児童虐待の防止では、少しでも兆候があれば通報を、と呼びかけています。医療事故への対応でも、ヒヤリとした、ハッとした事例を徹底的に出し合い情報共有します。ING運動、見直すべきではありませんか。
役立てている
【教育長】「INGキャンペーン」は、11月から12月の期間中に、子ども同士お互いに思いやる心を育んだり、友情を深め合ったりする活動を工夫して実施している。また、キャンペーン期間中は、教員がいじめに対する自分自身の日頃の取り組みを振り返る機会としても役立てている。
教育委員会と学校現場の人権意識にぶってないか
【山口議員】第3に、失礼を承知で申し上げますが、いじめが子どもに対する重大な人権侵害、この認識、人権感覚が教育委員会と学校現場で鈍ってはいませんか。
提言では「子どもの権利条約」「なごや子ども条例」を、いじめ防止基本方針に活かすように、とあります。ところが、どの中学校のいじめ防止方針にも「子どもの権利」への言及はありません。「なごや子ども条例」は棚上げされていませんか。
学校現場はどうか。カウンセラーからうかがった話ですが、子どもたちの「じゃれあい」のなかに、いかにも度を越したものがあるので、先生に大丈夫ですか?とたずねたら、「あれぐらいは普通ですよ」と言われ、唖然としたと言うのです。
2年前にも「うざい」「死ね」、こういう言葉が飛び交う状況について、「何か問題ですか?」といった空気があったことを厳しく戒められたはずです。
教育委員会はどうでしょうか。岩手や仙台のいじめ事件について、教育委員会では議題はおろか話題にすら、なっていなかったのではありませんか。余所事としか受け止めていなかったとしたら重大です。
いじめ防止基本方針にそって人権意識の向上に指導を徹底したい
【教育委員長】「いじめが多かった。もうたえられない。」という遺書を残し、前途ある生徒が自ら命を絶ったことは大変痛ましく申し訳なく思っている。心よりお亡くなりになった生徒のご冥福をお祈りいたします。
本市いじめ防止基本方針には「いじめは、いじめを受けた児童生徒の教育を受ける権利を著しく侵害するものである」と明確に定めており、このことを教育委員会として再認識するとともに、教職員の人権意識のさらなる向上に向け指導を徹底してまいりたい。
いじめを防ぐために、教育行政に求められるもの
― 相談しやすい、話し合いができる学校づくり ―
中学2年生の35人学級の早期実現など少人数学級の推進を
【山口議員】「なぜ?生徒のSOSが届かない 多忙すぎる教師ジレンマ」中日新聞の見出しですが、日付は7月11日、岩手の事件を報じた新聞記事です。
記事には、OECDが2013年に実施した調査では、参加した34か国の(教員の)1週間の勤務時間平均は38.3時間だったのに、日本は断トツに長い53.9時間。「部活動や事務など授業以外の時間に奪われ、生徒と向き合う時間が少ない現状が浮き彫りになった」とあります。
「教師個人が抱え込んでしまう傾向がなかなか改まらない」「指導上の悩みを率直に同僚や上司に打ち明けられる環境が壊されている」等々の指摘が、いじめ問題の記事を検索するといくつも出てきます。
子どもが先生に相談しやすい学校、教員同士が相談できる学校、教員がカウンセラーに相談しやすい学校をつくりましょう。そのための基本は、単純明快、教員を増やすことです。
「教室で暇そうに新聞でも見てるようでないと、子どもたちは声をかけてきませんよ。忙しそうだと子どもは寄って来ません」。ある教員の話です。
SOSを受け止められないのは、教員の資質にではなく、教員の多忙にこそ問題があります。まず、検証報告書の提言にある、中学2年生の35人学級の早期実現こそ推進すべきではありませんか。
ところが、いじめ防止基本方針には「小学校1・2年生の30人学級、中学校1年生の35人学級などの実施により、子どもと向き合う時間の確保に努め、きめ細やかな指導の充実を図る」とあるだけ。つまり現状維持じゃないですか。
検証報告書の、この提言は無視ですか。少人数学級の推進で学校にゆとりを取り戻す、教員を抜本的に増やす!と教育長、答えていただけませんか。
ティームティーチングや柔軟な学習集団を編成して少人数指導を進めている
【教育長】小学校から中学校へのスムーズな移行を進めるために、現在、本市では中学校1年生は35人学級で少人数学級を実施している。2・3年生は、ティームティーチングや柔軟な学習集団を編成し、少人数指導を進め、一人一人にきめ細かく対応できるように努めている。
臨時教員の同一校での継続任用、本務教員として採用を
【山口議員】もちろん教員の増員には財源が必要です。また教員が子どもたちと信頼関係つくるには一定の時間もかかります。コロコロ先生を代えないでほしい。そのためには現場で試されずみの臨時教員の力をもっと活かすことです。
第1に、臨時教員の同一校での継続任用を全面的に認める。
第2に、中堅どころの教員不足を補う上でも、一定の経験を持った臨時教員を本務教員としてもっと採用する。
第3に、定年を迎えたベテラン教員の再任用にあたっては、今まで働いてきた学校での継続勤務を認める。
以上、経験ある教員を現場の即戦力として活かしましょう。いかがですか。
必要であると判断した場合には、継続任用を認めている
【教育長】本務欠員補充の講師を除いては、学校が児童生徒にとって、その講師による指導の継続が必要であると判断した場合には、継続任用を認めている。
また、本市での講師経験がある方については、講師経験を評価し、教員採用選考試験において、試験の内容を一部免除している。
定年退職者については、長年の経験で培われた指導力を生かし、新しい目できめ細かく児童生徒を指導することができるよう、原則としては退職校以外の学校に配置していきたい。
スクールカウンセラーなどの活用を
【山口議員】現在11ブロックの「子ども応援委員会」は貴重な成果をあげつつあると私は評価します。一方で、いじめを防ぐという点では課題もあります。先日、あるブロックの子ども応援委員会のメンバーと懇談してきました。
現状の体制では、残念ながら、いじめについては事後対応が精一杯という率直な声をうかがいました。カウンセラーの常勤化、全校配置をめざしながら、いま何ができるのか。
カウンセラーの席が職員室にある中学校があります。すると悩んでいる教員はだいたいわかる。またランチタイムも生徒と一緒にいると、子どもたちの人間関係やいじめの兆候が見えてくる、と言います。
「悩みがあればカウンセラーの部屋においで」から一歩踏み込んで、子どもたちや教員の様子を普段から見守り、観察できるようにカウンセラーの配置形態、工夫が必要だと思いますが、いかがですか。
検証報告書では、学校でのカウンセラーやソーシャルワーカーの重要な任務は、教員集団へのコンサルテーションとあります。教員にとって難しいケースを任せるだけでなく、いじめ防止には、福祉の視点、相談のプロの視点を教員集団が身につけることが必要なのです。教員集団の力とあいまってこそ彼らの専門性がフルに発揮できます。その意義をどう考えていますか。
専門性を保持しながら、教職員との協力関係を大切にして活動を進める
【教育長】子ども応援委員会のスクールカウンセラーは、常勤であることを活かし、各種校内会議への出席やこまめな情報交換により、教職員とのコミュニケーションをとることができる。また、生徒に対しては、朝のあいさつ運動への参加やスクールランチ時の見守りなど、さまざまな機会を捉え、子どもたちの悩みの早期発見ができるという良さがあるので、今後、子ども応援委員会の活用を図っていきたい。
子ども応援委員会は学校現場での問題解決を支援する取り組みなので、教職員の協力は重要なものと認識している。今後とも専門性を保持しながら、教職員との協力関係も大切にして活動を進めていく。
養護教諭がカウンセラーに近い役割を果たせるよう拡充を
【山口議員】しかし、これらの専門職はカウンセラーなど、たとえ予算が増えても、学校現場が必要とするだけの人数を揃えるには、採用も養成も追いつかないのが現状ではないでしょうか。
そこで、保健室の養護教諭がカウンセラーに近い役割を果たせるように研修や体制の充実を提案します。検証報告書には「心の健康教育」とありますが健康の保持・増進は養護教諭本来の任務です。養護教諭の位置付けを高め、増員も図り、保健室を子どもたちの心の拠り所にしましょう。いかがですか。
複数配置の拡大について、愛知県に要望している
【教育長】養護教諭については、子どもの心身の変化に気付いたり、心を受けとめたりする上で、重要な役割を担っていると認識している。
また、学級担任やスクールカウンセラーと連携を取りながら、子どもについての情報共有を図り、子どもの変化に対応していくことが重要である。
そのため、養護教諭の研修については、初任者研修をはじめ、5年目、10年目の研修などの中で、子どもたちの心や体の「健康相談研修」を行い、子どもの心を受けとめる力を高めるよう努めている。
養護教諭の配置については、児童生徒の心身の健康に適切な対応を行うことができるよう複数配置の拡大について、愛知県に要望している。
市長の発言と行動に対する教育委員会の見解
―強権的な介入は慎み、教育条件の整備にこそ全力を―
教育上の配慮からも慎重であるべきではないか
【山口議員】市長は、「教育委員会には猛省を促したい」「人頼みにはできない」「教師がいじめを本当に見落としたのかどうか。自ら意見を申し上げたい」等と発言し、正式な検証機関である「いじめ対策検討会議」の調査を待たずに教員への聞き取りまで行いましたが、私は二つの点で危惧しています。
第1に、教育委員会の「首長からの独立性」「政治的中立性の確保」の原則を犯しはしないか。
地方教育行政法が変えられましたが、それでも文科省によると「教育委員会は、行政委員会の一つとして、独立した機関として教育行政を担当することにより、首長への権限の集中を防止し、中立的・専門的な行政運営を担保する。」「教育行政の執行に当っても個人的な価値判断…略…から中立性を確保することが必要」とされています。
私も、市長が焦る気持ちはたいへんよく分かりますが、教育委員会の独立性、中立性を確保するうえで、市長の発言と行動に、教育委員長として危惧を覚えませんか。
第2に、学校現場を萎縮させはしないか。
今回の出来事を受けて、教員と生徒が率直に話し合い、いじめを許さない力を育む教育的な営みこそ応援すべきです。また関係者への聞き取りには慎重すぎるほどの教育的な配慮が必要です。個人の価値観の押しつけは厳に慎むべきです。検討会議の調査もこれからです。
市長の行動は教育現場への介入になりかねません。教育上の配慮からも市長には慎重な行動が求められるとは思いませんか。
事件の全容解明と再発防止策の検討は、まずは教育委員会の努力に待つべきであり、市長のやるべきことは、教員の増員など教育条件の整備です。
市長が独自に行った聞き取りは、市長の責任と義務において行われた
【教育委員長】今般の「地方教育行政法」改正に基づき、首長と教育委員会との連携の強化が図られている。本件の対応に関しても、総合教育会議において、相互の意見交換を行ったもの。
今回、市長が独自におこなった聞き取りについては、市長の責任と義務において行われたものと認識している。
教育委員会としては、今後とも合議制の独立行政委員会として、本件に関して責任を持って対応していく。
中学校2年生の35人学級を拒否する理由は何か(再質問)
【山口議員】教育委員長の答弁からは、独立した行政委員会としての気概が感じられません。生の声を聞かしてほしかった。教育委員長は市長に対し、毅然とした態度で臨んでほしいと思うのですが、とくに、いじめ防止基本方針で、いじめは教育を受ける権利を著しく侵害するものだと、こう決めているとおっしゃいましたね。これじゃあ甘いのです。教育を受ける権利の侵害にとどまらず、生きる権利まで奪われている。これが今の深刻ないじめの問題なのです。いじめは、いかなる形であろうと人権侵害であり暴力です。いじめに対する認識をこの点では改めていただきたい。そして学校には、子どもの安全に最大限の配慮を払う安全配慮義務があります。安全配慮義務違反と言われないように、しっかりやっていただかなければなりません。
教育長の答弁では、基本的に現状の施策を説明していただいただけでした。養護教諭やカウンセラーの配置については前向きの姿勢が感じられましたが、35人学級の推進には全くのゼロ回答。
いじめを見逃さない、いじめを防ぐためには、子どもと向き合う余裕を持った教員が、そして子どもを見守るいろんな立場の大人が、学校にたくさんいること。そして少人数の落ち着いたクラスがあることが必要だと思います。
教育長、「少人数できめ細かく対応している」との答弁でしたが、私はいじめの防止の質問をしているのです。学習指導上の効果は聞いていません。
検証報告書の提言には、少人数学級の学習面ではなく生活面の成果を3点あげています。
一つ、生徒の話をじっくり聞いて対応することが可能になる。
二つ、コミュニケーションの時間が確保しやすくなり、良好な人間関係を築くことができる。
三つ、指導を要する生徒としっかり向き合い、聞くことから始め、得心のいく指導が可能になる。
もう一度聞きます。この提言、あなたは無視するのですか。中学校2年生の35人学級を拒否する理由は何ですか。いじめの防止には35人学級編成、役立たないということですか。そして仮に35人学級を中2まで拡大するといくらかかるのか。以上、再度、答弁を求めます。
学級担任だけで3億2500万円、教科担任を入れると5億円が必要
【教育長】平成27年度の中学2年生の生徒数で試算をすると、65学級増となり、単純に学級担任分のみを市費の常勤講師で補うと、約3億2500万円が必要となる。さらに中学校なので、教科担任分を加えると、合わせて5億円強が必要となる。
中学2年生においては、35人学級と同様な効果を期待し、まずはティームティーチングや柔軟な学習集団の編成により、少人数指導を展開し子どもたち一人一人の生活にきめ細かい対応をしている。ご理解を頂きたい。
中学校2年生の35人学級の実現を(再々質問)
【山口議員】5億円という数字が出ましたけれど、拒否する理由は全然納得できません。検証報告書の提言には「本市並びに教育委員会は、教師が生徒と向き合う時間を確保し、生徒たちの学習生活両面の成長を図る視点から、中学校2年生の35人学級編成の早期に実現できるよう最大限努力すべき」とあります。
中学1年生にとっても、35人学級を2年生まで拡大して、学校全体に子どもを見守る大人が増えることが学校全体を良くするのですよ。これ、どうしても、この提言をしっかりと受け止めていただきたい。
教育長に2度聞いても、そういう答弁でしたので、市長にうかがいます。
市長がやるべきことは教育の条件整備です。市長、あなたが「予算を惜しまない」と言ったのは、子ども応援委員会だけですか。
「スクールカウンセラーがたとえ常勤化されたとしても、生徒の一次的な支援者は教師である」。これも提言は述べています。
子ども応援委員会の機能をフルに発揮するためにも、まず中学2年生への35人学級の実現、5億円です。実現の決断を市長に求めます。
重要な要素だが、30人以下のところで起きた(市長)
【市長】少人数学級も一つの重要な要素だとは思いますけどね。今回の悲劇につきましても30人以下のところで生じておりますので、それはそれで重要だと思いますが、やはり僕は、先生の分業ですね、やっぱり、分業を進めると。ある言い方では、先生の負担を減らすと、いうことだけど。もっと専門化した人が、きちっと子どもの人生そのものを、先生と言いますか、そうなって、そういう仕組みをいち早く導入していくことが一番必要だと思って今、そちらに力を入れております。
市民税減税2週間分の費用で30人学級は実現できる
【山口議員】学校応援委員会を私は否定しません。大事だと思います。でも市長、関係者からの聞き取りを一生懸命やっているようですが、名古屋市、つまりあなたが責任を持って委嘱した専門家に聞き取り調査、検証は任せようじゃありませんか。
丁寧な検証には、今回は取りあげる時間が無いので言いませんが、「部活動」や「校長のリーダーシップ」など、しっかり検証していただきたい。単純な聞き取りでは、問題を総合的に把握できないと思います。
あなたがやるべき仕事は、提言を踏まえた教育条件の整備なのです。必要な人員の確保です。2年前にああいう事件が起きて、また繰り返したと市長は言いますが、その2年前の事件を踏まえて出された提言を、あなたが無視したら、そして聞き取りにあなたが最初に出かけて行ったら、誰が喜んで第三者委員会のメンバーになりますか。ここをしっかり考えていただきたい。
もう1回うかがいます。5億円で35人学級、中学2年生まで拡大できる。5億円がどういう金額か。あなたがこだわる市民税減税で見ると、1年間の減税のたった2週間分ですよ。法人市民税で言えば、上位10社で5億9900万の減税。日本一、子どもを応援する名古屋と言うのだったら、やるべきこと、はっきりしているんじゃありませんか。少人数学級の推進、はっきり提言を受け止めて実現すると、もう一度、決断を求めます。
カウンセラーを増やして応援する(市長)
【市長】先ほど申し上げましたように、それは大事な要素だけど、残念ながら今回も30人以下のところで起きているのです。だから、それが全てであるかのような言い方をされることはたいへん心外でですね、それともう一つ、市長は市長で予算編成の責任もあるんであってですね、当然、一定の調査権があるわけです、これ。2年間で繰り返したことについて、とくに。私は何べんも申し上げておりますけど、子ども応援委員会による、いわゆる専門のカウンセラーですよ、専門の。それを早く、もっと数増やして、その養成に力を入れて、やっぱり子どもの人生そのものを、みんなで応援していくと。こういう体制を確立することが一番重要じゃないかと、そう思っています。
教員集団が充実しなければ学校は責任はたせない(意見)
【山口議員】子ども応援委員会やカウンセラーの大切さは否定しません。ただですね、それがどんなに充実したとしても、教員集団が充実しなければ学校というところは責任をしっかり果たせないと、いうこともはっきりしているのです。そこをしっかりやってください。
市長、派手なパフォーマンスではなくて、地道な仕事ですが、教育条件の整備に全力を注いでいただくよう強く要望して質問を終わります。
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