報酬引き上げ再議への山口議員の討論(2月定例会)
他都市との均衡を否定した検討過程を忘れた?・・・議会基本条例をもとに自ら決めた報酬800万円だ
3月8日の本会議で自・民・公が民意も聞かず、お手盛りといわれかねない「議員報酬の特例に関する条例」について、河村市長が「認められない」と。3月15日に「再議」にかけ、18日の本会議や委員会での質疑ののち、自・民・公が「自・民・公の原案を可決」としてしまいました。この再議に対し、山口清明議員が日本共産党の見解を表明。報酬引き上げに反対の討論を行いました。山口議員の討論を以下に紹介します。
市民から怒りの声が
3月8日の本会議で報酬引き上げ条例が強行されると、私たちにも市民から怒りの声が届きました。
ある男性からは「市会議員選挙で投票したが、議員報酬あげるとは一言もいってなかった。次、投票いたしません」。
議会の信頼を失う事態
報酬引き上げに賛成した議員に投票しない、というだけではありません。議会そのものが市民からそっぽを向かれる。そんな事態まで、強引な報酬引き上げは招くのです。市民の信用を失ったら、議会に何ができるでしょうか。
他都市より低いのが唯一の理由
先日の本会議で、引き上げの理由らしきものは唯一、「旧五大市や愛知県の議員報酬と比較して、本市だけが大きく乖離している」と答弁がありました。
基本条例では削除した項目だ
でもみなさん、議会基本条例の策定経過を思い出してください。基本条例の中間段階の案文では、議員報酬について「他の同規模地方公共団体との均衡等を考慮」するとなっていましたが、分科会の協議を通じてそこが「削除」され、「本市の独自性を発揮して議員定数及び議員報酬を定めること」になったのです。
議会基本条例制定研究会での<座長案> 第 条 議員定数、議員報酬及び政務調査費に関しては、別に条例で定める。これらの条例について、これを制定し、又は改廃するときは、議会基本条例の趣旨を踏まえ、議員がこれを提出する。 2 議員定数については、議会基本条例に定める議員の役割を果たし、市政に民意を反映できるよう、人口比例、他の同規模地方公共団体との均衡等を考慮し、別に条例で定める。 3 議員報酬については、本市の処理する事務の範囲、財政規模から議員が広範囲な責務を全うするには、議員活動に専念できる制度的な保障が必要であることを勘案の上、公選としての職務及び他の同規模地方公共団体との均衡等を考慮し、別に条例で定める。 |
分科会での議論などを経た<成立した基本条例> 第16条 議員定数及び議員報酬に関しては、別に条例で定める。これらの条例について、これを制定し、又は改廃するときは、議会基本条例の趣旨を踏まえ、これを提出する。この場合、民意を聴取するため、参考人制度、公聴会制度等を活用することができる。 2 議員定数については、地方自治法の趣旨を踏まえ、議会基本条例に定める議員の役割を果たし、各層の多様な民意を市政に反映させるために必要な人数を確保し、人口比例等を考慮し、別に条例で定める。 3 議員報酬については、地方自治法の趣旨を踏まえ、本市の財政規模、事務の範囲、議員活動に専念できる制度的な保障、公選としての職務や責任等を考慮し、別に条例で定める。 |
名古屋市会が独自に決めた800万円
その経緯は、基本条例制定の「研究会報告書」に載っています。名古屋市会が、まさしく本市の独自性を発揮し、市民の声もよく聴いて、みんなで決めたのが、いまの報酬800万円だったのではありませんか。
市民の理解も納得も得られない
定数削減で民意を削り、報酬引き上げでも民意を受け止めない。これでは市民の理解と納得は得られません。今こそ市民の声に謙虚に耳を傾けましょう。市民の声を聴かぬままの報酬引き上げには断固反対します。
自民公維が再議を否決・・・報酬引き上げを再可決
再議は、出席議員の2/3、75人だと50人で可決されます。採決の結果、自・民・公・維新の50名で引き上げ条例を再可決しました。
キーワード:税、地方自治体と住民参加、山口清明