2016年2月定例会

くれまつ順子議員の個人質問② 衛生研究所の拡充を(2016年3月7日)

衛生研究所の機能強化について

衛生研究所の役割と、移転後の機能強化計画は
【くれまつ議員】衛生研究所は、昭和41年に現在の瑞穂区に移転して今年で50年となります。施設の老朽化と耐震性の問題もあり、守山区のサイエンスパークに移転することになりました。現在は施設の基本設計中で、来年度実施設計、2019年の移転をめざしています。
 研究所の活動は、インフルエンザや感染症に関する検査や研究をはじめ、食中毒から食品添加物、残留農薬、放射能など食品の安全性を確認する各種の検査や研究など、幅広い活動を行っています。
 国外で発生した感染症の国内への侵入、食品に関する事件・事故など、私たちの身のまわりにある様々な健康危機から市民を守ることが衛生研究所の役割です。
 守山移転にあたり、衛生研究所のさらなる機能強化が求められています。
 この衛生研究所は4年前(平成24年)、存亡の危機に立たされました。いわゆる名古屋版事業仕分けの対象とされました。しかし外部評価の質疑の場で、有識者や市民判定員からは、衛生研究所の仕事について積極的な評価が寄せられ、事業は継続すべきとの判定となりました。「非常に重要な職務を担っていることがよくわかった」「縁の下の力持ち的な部署であるとわかったが・・・市民の方々はほぼ知らない。計画的に情報発信を」「予算・人員のアップと市民へのPRを」などの意見も出ました。廃止や民営化を市民がキッパリ否定したのです。
 市民に支えられてこその研究所です。せっかくの研究や検査などの活動成果をもっと市民に情報発信することが大きな課題と考えます。
 また研究体制の充実も課題です。今年度の衛生研究所の技術職員は36名です。政令市の中で5番目となっています。一番多いのは横浜市で61名、次いで大阪市57名、京都市48名です。研究を担う技術職員があまりにも少ないのではないでしょうか。
 そこで、健康福祉局長に、伺います。移転を前に、衛生研究所の機能と役割、活動の成果についてどのように総括しているか、また移転を契機にどのような機能強化をすすめるのか、研究員の体制はどう強化していくのか、また市民への情報発信をどうすすめていくのか、あわせて答弁を求めます。

検査機能の充実、研究員の確保に努めたい(健康福祉局長)
【健康福祉局長】感染症や食中毒の原因究明に関するもののほか、時代に即した検査・研究を実施するなど、市民の健康で安心・安全なくらしを守る役割を一貫して果たしてきた。
 今後も、様々な健康危機に対応できるよう、移転に際しては、感染症や食中毒へのより迅速な対応を行うため、検査機能の充実に努めたい。
研究員の体制強化は、これまでも業務内容に合わせて臨時体制の見直しを行ってきたが、引き続き業務に見合った研究員の確保に努めたい。
動画を作成し区役所で放映したり、ユーチューブで配信するなどPRを行っていますが、今後も、機能や役割について市民の皆様にご理解いただけるよう努めます。

放射性物質の検査情報をわかりやすく発信すべき高純度ゲルマニウム半導体検出器付きガンマ線スペクトロメータ
【くれまつ議員】衛生研究所で行っている放射性物質の検査について伺います。先日、衛生研究所を訪問し、放射性物質の検査を視察しました。ちょうど学校給食の食材の検査中でした。難しい検査内容をわかりやすく紹介するパネルも作成していました。市民の安全・安心を支える拠点だと実感しました。しかし、このような活動は市民にはあまり知られていません。
 衛生研究所では、原発事故直後から放射性物質の検査を行い、検査結果も市のホームページで公開しています。この間の検査では幸いなことに基準値を超えるものは1品もありませんでした。子どもたちの食べる学校給食は何よりも安全が第一です。子どもたちが口にする前に食材の放射性物質検査を行い、安全を確認しています。
 検査結果はホームページでは公開していますが、とくに市民の不安が強い放射性物質に関する情報は、さらに市民にわかりやすく知らせるべきではないでしょうか。
 原発事故から5年。原発からの汚染水の放出が完全にはくい止められていない中で、魚介類への影響が不安だという市民の声が私の耳にも入ってきます。放射能は、「正しく怖がる」。こういう視点が大事だと思います。せっかくの衛生研究所です。検査結果だけでなく放射能についてのわかりやすい正確な情報提供が求められます。放射性物質の検査情報の提供について、市民の不安を解消するためにどのような取り組みをしているのか、まず健康福祉局長にうかがいます。

HPやメルマガで普及啓発(健康福祉局長)
【健康福祉局長】食品中の放射性物質の検査は、衛生研究所などで行っていますが、結果をホームページに掲載し、メールマガジン「なごや『よい食』メール」により配信しています。
 今後もよりわかりやすい内容になるよう工夫し、食の安心につながるよう努めます。
研究体制の充実、市民不安に応える検査情報提供を(要望)
【くれまつ議員】衛生研究所は市民の健康で安心・安全を守る役割を果たしてきたこと、今後は感染症や食中毒への迅速な対応を行えるように機能アップしていくとの答弁でした。迅速な対応のためにも研究員を増やし体制を強化すること、そして、市民の不安と関心が高い放射性物質の検査については特にわかりやすい情報提供を強く要望します。

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