緊急企画 天守閣木造復元シンポ(5月14日)を開催
参加者からも次々に意見が・・・
「あわてるな!木造化」「他にやるべきことがある」
5月14日に名古屋城の前にあるKKR名古屋ホテルにおいて、日本共産党名古屋市議団主催の「『緊急企画』あわてるな!名古屋城天守閣木造化」のシンポジウムが、耐震性や劣化対策などを研究した建築士を招いて行われました。
シンポは岡田ゆき子議員の司会で行われ、田口一登議員が主催者を代表してあいさつ、経済水道委員会委員の西山あさみ議員が議会での審議状況を報告、建築士の滝井さんから耐震や劣化対策についての技術的な見解が報告され、江上幹事長から熊本地震や姫路城の実態からの報告があったのち、会場からの意見や質問をうかがいました。
参加者からは「東京オリンピックまでに」とあわてて進める木造復元を止めよう!という発言が相次ぎました。
報告は市議団HPのトップページ「ムービーチャンネル」からご覧ください。
税金投入しないための試算はごまかし
西山議員は委員会での審査状況を報告。史実に忠実な復元と建築基準法の関係や、観光資源としての名古屋城との関係などの問題点などを報告。さらに熊本地震からの復興が求められている時に名古屋市にモノや人を集めていいのか、という議論で委員会を圧倒してきた様子などをいきいきと語りました。
鉄筋コンクリートの天守閣は 40年を超えて長寿命化できる
名古屋市は、現在の鉄骨鉄筋コンクリート造りの天守閣は、「耐震改修しても40年の寿命」しかないと喧伝し、「2020年7月までの木造復元」に市民世論を誘導しようとしています。しかし、「40年」というのは、コンクリートの寿命は概ね100年という通説から導いたものにすぎません。再建から84年が過ぎた鉄筋コンクリートの大阪城は、建て替える予定はありません。
建築士の滝井幹夫さんが、名古屋市の発注による現天守閣の『耐震対策調査委託報告書』(2010年9月)と『耐震診断概要書』(2011年2月)の検討を踏まえて、「現在もコンクリートは設計上必要な圧縮強度を保っている」「特定の箇所を除くと中性化の進行は少ないだろう」「鉄筋は錆の進行が一定程度見られるが、耐久性・耐用性を著しく損なうものではない」と指摘。「劣化対策を行なえば、耐用年数は40年と限定せず、延命の可能性が大きく開けてくる」と述べられました。
市役所庁舎は築80年以上なのに
江上議員からは「名古屋市役所は1933年に建てられたのに、100年しか持たないから建替えしようという話はない」などの実態や、姫路城などの調査結果なども踏まえて、市長の計画の無謀さを明らかにしました。
参加者からも「アセットマネージメントをすすめている名古屋市が天守閣だけは新築するなんておかしい」「今やることは地震対策」「暮らしのことがちっとも考えられていない」などの意見が出されました。
キーワード:大型開発・ムダ遣い見直し