米軍関係艦船の入港拒否を求め申し入れ
日本共産党名古屋市議団は8月25日、武器を積んだ米軍関係艦船の入港を拒否するよう名古屋港管理組合に申し入れを行いました。申し入れは、日本共産党愛知県議団と連名で行いました。
これは8月29日から滋賀県で行われる陸上自衛隊とアメリカ陸軍との日米共同訓練のために、ストライカー装甲車などが陸揚げされることに伴うものです。
米軍が利用する際には、24時間前にしか公表しないというルールの下、実際にはインターネット等を通して情報が広がっている中で、なぜ情報を隠すような取り扱いをするのか、四日市港で行っているような、事前の調査等についての要綱をなぜ名古屋港では作っていないのか、などについても意見を述べました。
申し入れ書の全文は以下のとおりです。
2016年8月25日
名古屋港管理組合 管理者 大村秀章様
日本共産党名古屋市会議員団 団長 田口一登
日本共産党愛知県議会議員団 団長 わしの恵子
装甲車等を積んだ米軍関係艦船の入港拒否を求める申し入れ
陸上自衛隊は8月29日から9月21日まで滋賀県あいば野演習場で行われる陸上自衛隊と米陸軍との実動訓練(オリエント・シールド)を行うと発表した。
この訓練で使用するストライカー装甲車などの軍装備品を積んだ米軍チャーターの合衆国被用船舶(自動車輸送船型運搬艦)「GREEN LAKE」(グリーン・レイク、31,905㌧)が29日に、さらに9月1日には米陸軍の兵站支援艦「CW3 HAROLD.C.CLINGER」(ハロルド・C・クリンガー三等准尉)、4,199㌧)がそれぞれ名古屋港に入港し、飛島ふ頭西側の98号及び99号岸壁に接岸する予定である。
日米共同訓練のための米軍装備品を名古屋港で陸揚げすることは、平和な商業港である名古屋港の軍事利用に他ならない。武器を積んだ米軍関係艦船の入港及び港湾施設の使用は、憲法の精神からも容認するわけにはいかない。
伊勢湾内には名古屋港よりもあいば野演習場に近い四日市港がある。2003年11月のあいば野演習場での日米共同訓練では、演習場帰りの米軍がチャーター船で四日市港から出港した。四日市港管理組合ではこのことを踏まえ2004年に「米軍艦船入港対応マニュアル」を作成した。チャーター船を含む米軍艦船の入港に際しては、核兵器搭載の有無を文書で外務省に照会し、入港の打診があれば入港予定の約3週間前に地元首長や管理組合議会議員に知らせ、入港1週間前には県民市民に公表し関係者への説明会も開くことにした。このマニュアル作成以降、米軍による四日市港の利用は皆無である。
名古屋港では、米軍艦船の入港について、米国領事館からの要請と称して入港24時間前にしか公表しない、という態度をとり続けているが、港湾行政の自主性も民主主義も放棄したあまりに対米従属的な姿勢と言わざるを得ない。
憲法違反の疑いが濃厚な集団的自衛権を閣議決定し、海外で戦争できる国づくりに突き進もうとする危険な安倍政権の下で、名古屋港の軍事利用を促進するような動きを容認するわけにはいかない。よって以下の通り、申し入れる。
1.日米共同訓練のための米軍関係艦船の名古屋港入港を拒否すること。
2.米軍関係艦船の名古屋港入港に関する情報を秘密扱いせず開示すること。
3.日本国憲法を厳守し、憲法9条をあらゆる港湾行政に貫き活かすこと。