後期高齢者医療広域連合議会 2月定例会⑥一般質問(3 制度改悪) くれまつ順子(2017年2月8日)
一般質問
後期高齢者医療制度の一連する改悪について
改悪しないよう国へ求めるべきだ
【くれまつ議員】後期高齢者医療制度の一連する改悪について、伺います。
保険料の低所得者への特例軽減の縮小廃止や高額療養費の大幅引き上げ、さらに窓口負担の2割への引き上げなど、一連する後期高齢者医療保険制度の改悪について、これ以上実施しないように広域連合として国に対応を求める考えはないか、伺います。
「改悪」という評価は不適当。必要な要望は行う
【事務局長】制度見直しによって高齢者の方々に求められることとなる負担増を、「改悪」と評価することは適当ではないのではないかと考えます。
後期高齢者医療制度の見直しに対する要望につきましては、全国後期高齢者医療広域連合協議会を通じ、現行制度維持の要望を前提として、やむを得ず見直す場合には、必要な受診を控えることとなるような内容としないこと、低所得者へ配慮すること、及び急激な負担増とならないようきめ細やかな激変緩和措置を採ることなどを国に要望している。
今後も、機会を捉えて、こうした要望活動を実施したいと考えております。
連続改悪でどれだけの負担を強いるのか(再質問)
【くれまつ議員】保険料の所得割軽減の廃止、元被扶養者の一律軽減の廃止や、高額療養費の上限引き上げ、医療費の窓口負担の引き上げなどによる、高齢者の負担増について、「改悪」と評価することは、適当ではないとの答弁でした。今回の高齢者の方方への大きな負担増は、納得がいくものではありません。
今回の条例改正や予算などで示されている後期高齢者への負担増、すなわち、保険料の所得割軽減の縮小・廃止、元被扶養者の均等割軽減の段階廃止による負担増、高額療養費制度の上限引き上げによる負担額について、それぞれ2017年、2018年、2019年一体高齢者にどれだけの負担を強いることになるのでしょうか、お尋ねします。
高額療養費の見直しで、2017年度は 10億円。以後は計算していない
【給付課長】高額療養費制度の見直しにより、被保険者の負担は2017年度に10億4千万円の増となります。この影響額は、平成29年度予算を作成するにあたって積算したものであり、以降の影響額は積算しておりませんので、お答えすることができません。
なお、国も平成29年度のみ影響額を示しているところでございます。
所得割の軽減見直しで12億円、元被扶養者の軽減見直しで15億円の負担増
【管理課長】軽減措置の見直しによる負担増について、過去の動向を基に算出した被保険者数と、平成28年度確定賦課時点の所得データで算出した平成29年度保険料の試算ベースでお答えいたします。
所得割の軽減見直しにより、被保険者の負担は2017年度に7億6千万円の増、さらに、2018年度に5億1千万円の増となります。
元被扶養者の軽減見直しにより、被保険者の負担は2017年度に3億9千万円の増、2018年度に4億2千万円の増、さらに、2019年度に7億7千万円の増となります。
負担増は39億円(再々質問)
【くれまつ議員】改悪ではない、見直しと言われておりますが、制度見直しによる2017年、2018年、2019年の負担額についてお答えいただきました。
保険料軽減措置見直し、所得割軽減縮小廃止で、2017年7億6千万円、2018年度5億1千万円、元被扶養者の軽減見直しでは2017年4億5千万円、2018年4億2千万円、2019年7億4千万円。
高額療養費制度の見直しでは2017年10億4千万であるとのこと。
おこたえいただいた額を合計しますと39億2千万円にもなります。2018年、2019年の高額療養費制度の負担増額を2017年と同額程度見込めば、一連の負担増の金額は2018年49億円、2019年は59億円という大きな負担増になるのを見過ごすわけにはまいりません。大きな負担増によって、受診を我慢して、症状が悪化してから医療を受けるということにならないか、大変心配であります。連合長にお伺いします。高齢者の命と健康を守るために、大きな負担増を行わないように国に強く要望してください。今回の医療制度見直しによる数十億もの負担増の対応についてお伺いします。
必要な受診を控える内容とならないよう、しっかり要望していく(連合長)
【連合長】確かに、お一人お一人を見ますと、負担増になる方というのはいらっしゃるわけでございます。ただ、今回の制度改正は、世代間の公平性、また同世代の中での公平ということから、負担能力に応じた負担を求めるものとして私どもは受けとめているところでございます。
それぞれについてはもう事務方からも答弁がございましたので、重ねてもうし上げることは控えますけれども、この後期高齢者医療制度というものが被保険者の方にお支払いいただく負担金等を合わせて、広く皆様の税金と、さらに現役世代からの支援金で成り立っているわけでございます。高齢化社会の中で増える医療費、新しい薬、高い薬も出てくるわけでございましけれども、それを誰かが負担しなければいけないという中でぎりぎりの議論、検討が行われて、その後に成り立つ成案であろうと私どもは受け取めております。
低所得者への配慮という点で、今回の改正も9割軽減、8.5割軽減のところについては、現状は維持されたわけでございます。くれまつ議員がご指摘のとおり、必要な受診を控えると、こんなことは絶対あってはならないと思っております。今回のことは当たらないと考えておりますけれども、今後とも続く医療保険制度の見直しにあたりましては、もういろんな機会をとらえて制度設計を行う厚労省であったり、国に対してはしっかりと現場で起きていることを伝えていきたいと考えております。