後期高齢者医療広域連合議会 2月定例会⑦請願(採択を求める討論) くれまつ順子(2017年2月8日)
《請願の採択を求める討論》
保険料の引き下げ、独自減免、協議会の公募委員を求めるのは当然の要求
くれまつ順子議員
高齢者が医療を受けられなくなる
内閣府が昨年末にとりまとめた経済・財政再生計画の改革工程表の社会保障分野では、医療・介護提供体制の適正化や負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化など、社会保障費の抑制のメニューが示されています。医療保険における後期高齢者の窓口負担の在り方について、70歳から74歳の窓口負担の段階的な引き上げの実施状況等も踏まえつつ、関係審議会等において検討し、結論と記されています。今後は75歳以上の窓口負担については、前期高齢者が後期高齢者医療に加入するタイミングである、2019年に75歳以上の窓口負担を現在の1割から2割にする方向です。
また、70歳以上の高額療養費制度の負担上限引き上げ、療養病床に入院する65歳以上の光熱水費の負担増が2017年度の国の予算案に盛り込まれています。
これらが実施されれば大幅な負担増となり、高齢者の生活を圧迫し必要な医療を受けられない事態を招く懸念があります。
負担増をやめさせて
請願事項1は、後期高齢者の医療費の窓口負担を引き上げや、高額療養費制度の負担上限引き上げを行わないように国に働きかけを求めるものです。
県独自に保険料の軽減を
請願事項2は、制度創設以来、改定のたびに増え続けている保険料の独自軽減を求めるものです。低所得者に対する保険料の軽減措置も実施されておりますが、まだまだ負担が重いのが実情です。そればかりか保険料特例軽減への廃止の方向が打ち出されております。東京都や石川県では独自の負担軽減を実施しており、愛知県においても同様な措置の実施を求めるものです。
窓口負担の軽減拡大を
請願事項3は、一部負担金減免の対象の拡大を求めるものです。一部負担金は、現在、生活保護基準の1.15倍以下の所得で減免、1.3倍以下で5割軽減となっていますが、生活保護基準そのものが引き下げられています。真に困窮している人に対する制度として機能させるために、一部負担金減免の対象の拡大が必要であると考えます。
短期証発行や差し押さえはやめよ
請願事項4は、短期保険証と差し押さえの問題です。保険料の支払いが困難な方にとっては、短期保険証の発行や財産の差し押さえなどの処分では、根本的な問題は解決しません。短期保険証の発行は2015年12月末 938件、2016年12月末 899件もあります。899件の内訳は、所得0円以下は371名、所得58万円以下が140名、所得200万円以下が316名とここまでで9割の方が該当しており、所得が低い方に問題が集中しています。滞納者に対して納付勧奨に努め、分割納付を活用するなど、その方の生活に寄り添い丁寧な対応がなされるように、広域連合から各自治体への支援強化していくことが必要であると考えます。
懇談会の委員は広く公募で
請願事項5の後期高齢者医療制度の懇談会の公募委員についてです。6つの広域連合では、広く被保険者から公募しています。国民健康保険の広域化に向けて愛知県国民健康保険運営協議会が3月に設置されますが被保険者の代表委員は公募で選定されます。後期高齢者医療制度について関心を持たれている方、意見を述べたい方はたくさんいらっしゃると思いますので、広く呼び掛けて委員を選ぶべきと考えます。
葬祭費の申請漏れがないように
請願事項6の葬祭費支給による申請勧奨についてです。葬祭費は本来100%支給されるべきものですが、現状、申請漏れと思われる未支給分があります。未申請者に対し、申請勧奨の実施を求めるものです。
ぜひ採択を
以上、いずれも、後期高齢者医療の運営に対する、建設的な問題提起であり、本請願の採択を求めて討論を終わります。